この記事をまとめると
■会社名義でフェラーリをリースしてそれを経費計上できるかを会計士に確認
新車時は手が出ないが中古なら半値以下! 庶民がスーパーカーに手を出すとどうなる?
■経費計上できる・できないにブランドは一切関係がない
■必要以上に社用車の台数が多いと否認される場合もある
フェラーリであっても経費計上することはできる
15年ほど前、『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか? 誰も教えてくれなかった!裏会計学』(小堺桂悦郎著/フォレスト出版)という本がスマッシュヒットを記録した。わたしも――買いはしなかったが――書店でささっと立ち読みはさせていただいた。
……なんてことを思い出していたら、手元のアイフォーンがポポーンと鳴った。
メールの差し出し人はWEB CARTOP編集部で、内容は「会社名義でフェラーリのリース契約を結び、そのリース代を経費として計上できるかどうかについて書け」というものであった。
そのメールはさらに「リースでの減価償却が終わった後のフェラーリを、個人で買い取ってもいいのか?」「社内に『自動車クラブ』があれば、福利厚生の一環として経費計上が可能になると聞くが、実際どうなのか?」「リースの場合は車名の記載が必要ないので、高級スポーツカーでもラクに経費計上できるという噂があるが、どうなのか?」などとつらつら書かれている。
「どうなのか?」と私に聞かれても困る。
私はあいにく会計や税の知識に乏しく、さらに言えば、フェラーリというクルマにも特別な興味はない人間だ。
それゆえ、「いつも大変お世話になっております。恐縮ですが、本件につきましてはお聞きする相手をお間違えではないでしょうか?」との旨の返信をしようとして、今一度メール文面を読み直すと、最後のほうにこんなことが書かれていることに気がついた。
「なお、本件の執筆を行った場合の原稿料はX円である」
……カネをもらえるなら話は別だ。
高級輸入車のリースを使った節税にもフェラーリにも興味はないが、カネには興味があるため、私は「株式会社 伊達軍曹自動車研究センター」の会計作業を丸投げしているQ公認会計士に、さっそく電話をかけた。
――あ、もしもし? たとえばですけど、わたしの研究センター名義でフェラーリのリース契約をして、そのリース料を損金(経費)にすることって可能なんですか?
「可能ですけど……フェラーリのリース、するんですか?」
――いや、しませんよ。やむにやまれぬ事情によりお尋ねしているだけです。それでですね、減価償却が終わったあとのフェラーリを、経営者が個人として買い取るのがOKかどうかもお聞きしたいんですが?
「……それも可能ですけど、『個人で買い取る』というのは、そもそもの必要性がよくわかりませんが? 会社から個人に売却すると、そこでまた税金がかかってしまいますので、ちょっとどうかと思います」
――なるほど。あと「会社に『自動車クラブ』みたいなものを作れば、フェラーリでも何でも経費にできる」と聞きますが、本当でしょうか?
「自動車クラブは……関係ないですね」
――えっ、そうなんですか? ならば、「リースの場合は車名の記載が必要ないから、どんなクルマでもラクに経費計上できる」と聞きますが、それについてはどうでしょう?
「…………」
ロールスもスポーツカーもOK! でも4ドアのベンツあたりが無難
――先生? Q先生? 聞こえてます?
「……そういったお考えをお持ちの社長さんが多いことは存じております」
――ですよね。ぶっちゃけ、税金ってあんまり払いたくないものだし。
「しかし、車名によって経費になったりならなかったりということはないのです」
――へ? そうなんですか?
「そうなんです。カローラならOKで、ロールスロイスの場合は認められない――などという条文も裁判例もありませんから」
――そうなんだぁ……。じゃあ、そのクルマが法人の経費になるかどうかの”線引き”はどこになるんですか?
「問題となるのは、そのクルマが『仕事のために』使われているのかどうかという一点です。会社名義で所有され、それを仕事に使っているのであれば、どんなクルマであっても、経費計上はまったく問題ありません」
――4ドアのベンツじゃなくてもいいんだ! じゃ、わたしの研究センター名義で好きな2ドアクーペを10台ぐらい買ってもいいわけですね? もちろんそんなカネはないので、仮定の話ですが。
「お買いになるのはご自由ですが、会社名義といえども何台もクルマを持っていて、なおかつそれを経費計上している場合は、否認されるケースも多いですよ。そういった場合は、それぞれのクルマの必要性を明確に主張できなければ、否認される可能性も出てくるでしょうね」
――うむう……。
「ただまぁ言い方は悪いですが、クルマというのは”税金の塊”みたいな側面もありますので、クルマを経費にできないとなってしまっては買う人が激減し、その結果として税収も激減してしまいます。そのため、クルマを争点にする調査官はあまり見たことがないですね。わたしの場合、過去にひとりだけ記憶しておりますが、そのときも結局、否認にはなりませんでした」
わたしがQ公認会計士に聞いた話は以上である。
電話で、なおかつノーギャラで(毎月の顧問料は払っているが)サクッと聞いただけなので、この原稿に書かれている内容は、100%は真に受けないでほしい。より正確なところは貴殿ご自身で、税理士の先生または公認会計士の先生にご確認いただきたいと切に願う。
だがいずれにせよ、「フェラーリだから経費にならない」という仕組みはとくにないようだ。というか正確には、そのフェラーリを貴殿の業務のために使っているのであれば、基本原則としてはとくに問題はないようなのだ。
とはいえフェラーリというクルマは日常的にガシガシ使ってしまうと、税務会計とはまた別種の大問題が必ず生じるので、「フェラーリを社用車にするのは、現実的にはなかなか難しい」というのが答えにはなるのだろう。
必ずしも4ドアである必要はないようだが、冒頭で挙げた書籍のような「中古のベンツ」あたりか、せいぜいマセラティあたりを社用車として経費計上するのが、まぁ無難なのだ。
つまらない結論となってしまい、大変申し訳ないのだが。
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