ライバルと一線を画した折り紙ボディ
半世紀の進化を積み重ねてきた、フォルクスワーゲン・ゴルフ。小さなファミリーカーを指す、代名詞的な存在といっていい。親しみやすいデザインで、これまで数100万人の日常に寄り添ってきた。
【画像】小さなファミリーカーを指す代名詞 VWゴルフ 初代から5代目 最新の8代目も 全129枚
フォルクスワーゲンが掲げる、実用的で高効率という哲学を体現し、8代目でも支持が揺らぐことはない。また、派生モデルの巧みな展開で、大きな成功へ結びつけてもきた。
フォルクスワーゲン・タイプI、ビートルの販売が落ち込んでいた1969年に、当時のCEOだったクルト・ロッツ氏が、若きジョルジェット・ジウジアーロ氏を招聘。次期モデルのデザインを議論したのが、ゴルフの始まりとなった。
既にその時、フロントにエンジンを横置きした、前輪駆動プラットフォームの開発は進み出していた。そこでジウジアーロは、FFのフィアット128を取り寄せ、デザインの可能性を探っていった。
フォルクスワーゲンの技術的な要件や規制は、当時でも厳格だった。それを守りながら創出された、均整の取れたスタイリングを目の当たりにした技術者は、彼へ敬意を払い接したという。
かくして、初代ゴルフは1974年5月に発売。「折り紙」とも呼ばれる、シャープなプレスラインの入ったボディは、ライバルと一線を画した。実用的なハッチバックには、壮大な将来性が備わっていた。
当初から検討されていた「スポーツ・ゴルフ」
他方、ゴルフは発売前からスポーツカーとしての展開も検討されていた。フォルクスワーゲンの広報室に属したアントン・コンラッド氏と、開発技術者を務めたアルフォンス・レーヴェンベルグ氏は、「スポーツ・ゴルフ」というアイデアを実行に移した。
グループ内のアウディ80へ搭載する前提で、EA827エンジンを開発していたフランツ・ハウク氏をメンバーに加え、非公式のグループを結成。その中で、マーケティング部門のホルスト・ディーター・シュヴィットリンスキー氏が、GTIの3文字を発案する。
これは、「ゴルフ・グランドツアラー・インジェクション」の略。ホットハッチの伝説的なサブネームが、生まれた瞬間だった。
デザイナーのグンヒルド・リリェクイスト氏は、チェック柄のシートクロスと、ゴルフボール状のシフトノブ、3スポークの「スピトゥーン」ステアリングホイールを考案。レッドのストライプと、僅かに膨らんだフェンダー、フロントスカートも与えた。
GTIを完成させたのは、シングル・オーバーヘッドカム(SOHC)のEA827エンジン。1588ccの排気量に、ボッシュ社製K-ジェトロニック・インジェクションを組み合わせ、109psの最高出力が引き出された。標準のシングルキャブ仕様は、75psだった。
吸気音は鎮められたが、初期のパワー特性はピーキー。13.9kg-mの最大トルクは高回転域の5000rpmで生成され、6100rpmで最高出力の109psに達した。
100km/h加速8.9秒のクラスを超えた能力
サスペンションは、前がマクファーソンストラット式で、後ろがトレーリングアームを備えるトーションビーム式。ステアリングラックはラック&ピニオンで、フロントブレーキにはディスクを採用し、ホットハッチのオリジナル・レシピは仕上げられた。
ゴルフ GTI Mk1の発表は、1975年のドイツ・フランクフルト・モーターショー。0-100km/h加速8.9秒と181km/hの最高速度は、クラスを超えた能力といえた。1982年には排気量が1781ccへ拡大され、扱いやすさも増している。
英国市場への導入は、1977年3月から。当初は左ハンドル仕様だったが、有能ぶりがグレートブリテン島でも話題になったことはいうまでもない。1979年6月からは、右ハンドル仕様の輸入が始まっている。
同世代の英国車でライバルといえたのは、ヴォグゾール(オペル)・アストラ GTE。ただし発売は1983年と、ゴルフ Mk1のモデルチェンジ直前。なぜそこまで反応が遅くなったのか、理由は定かではない。
それでも、このGTEは待つ甲斐があったアストラだった。シャシー構成は、ゴルフ GTI Mk1に匹敵。サスペンションのスプリングとダンパーは標準仕様から強化され、意欲的なコーナリングに備えて、扁平率の低いタイヤが装着された。
4気筒エンジンは、キャバリエ SRiにも搭載された、1796ccのファミリーII ユニット。楕円形の燃焼室が彫られた、アルミニウム製シリンダーヘッドを載せたSOHCで、ボッシュ社製のLE-ジェトロニック・インジェクションがガソリン量を制御した。
この続きは、ゴルフ 初代から5代目 比較試乗(1-2)にて。
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