はじめに
電動化は、主軸モデルにも大きな変化をもたらした。そうなると、これまでの主軸となっていたモデルの車名はどうなるのか。
【画像】写真で見るルノー・メガーヌE−テックEVとライバル 全17枚
スタンダードな形をしたEVといえば、フォルクスワーゲンならID.3、BMWはi4、メルセデス・ベンツはEQEと、EV専用のブランディングがされている。では、ゴルフや3シリーズ、Eクラスなどはどこへ行くことになるのだろうか。
プジョーとヴォグゾールは、308とアストラのEVバージョンを、ガソリンやディーゼル、ハイブリッドと並べてラインナップしている。対してルノーは、メガーヌの名を使い続けてはいるが、これまでのようなCセグメント・ハッチバックの典型とはかけ離れ、ほかに類を見ないようなボディタイプと、従来とはまったく違うメカニズムを用いている。
新型メガーヌE-テック・エレクトリックは、その名が示唆するとおり、EV専用モデルだ。新たなパワートレインの方向性を指し示すものであると同時に、ルノーの新たなデザイン言語を提示し、さらにはこのブランドの因習的な弱点のひとつである技術的な古さを払拭する狙いも課されている。
かなり野心的だが、大メーカーが高いゴールを設定し、よりよい結果を得る例はこれまでにもあったことだ。フォルクスワーゲンIDも、順風満帆の船出ではなかった。
その点、ルノーはメガーヌEVの熟成に十分な時間をかけた。完成度を高めたプロトタイプを試乗したのは2021年のことだったが、この1年でわれわれはクプラ・ボーンやキア・ニロEV、MG 4といったEVの登場を見てきた。できのいいEVはどれも、それぞれの道を歩んできている。
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
ルノー・メガーヌといえば、すっかりおなじみの車名だろう。エンスージアストでなくても、その名が示すものは思い浮かべられるはずだ。それでも、続くミドルネームにはまだ混乱を覚える部分があるはずだ。
ルノーがE−テックの名をはじめて使ったのは数年前で、そのときはフルハイブリッドもPHEVも含めたハイブリッド車に与えられた。たとえば、販売中のメガーヌのPHEVは、メガーヌE-テックと銘打たれている。英国では販売終了したが、今でも現役のマーケットも存在している。
そうなると、この名前が新型車にとってちょっとばかり不都合なものになる。というのも、今回のメガーヌE-テックは以前のモデルとはまったく関係のない、全面新設計だからだ。
新しいメガーヌE-テックは、日産アリアとともに、ルノー−日産が新開発したCMF−EVプラットフォームを用いる最初の商品群に属する。これはある意味、フォルクスワーゲンのMEBなどに続くものだ。フラットな大型バッテリーパックをフロアに配置し、安価なモデルは1モーター、高価なモデルは2モーターを使用している。
しかし、そうした他社のEV専用プラットフォームと大きく異なる点もある。メインの駆動用モーターがフロントに搭載され、前輪を駆動するのだ。もっとも、現時点ではこのメガーヌに4WDは存在しないが、リアにモーターを追加できることは、アリアが証明している。
さまざまなサイズのバッテリーにも対応できるが、英国仕様はシンプルな展開で、60kWh・217psの1タイプのみ。ほかのマーケットに投入されている40kWh仕様は導入されていない。
ルノー曰く、前輪のみを駆動するのはもっとも効率的なのだとか。まず、リアにモーターを配置しなければ荷室の深さが取れる。さらに、前後に通すケーブルが不要になるので、重量増加や複雑化も防げる、というわけだ。
これはたしかに一理ある。というのも、実測1688kgというウェイトは、以前に計測したクプラ・ボーンより100kg以上軽いのだ。もちろん荷室容量は上回るし、室内スペースへの悪影響も抑えられている。リアにモーターを積んだからといって、フロントに本格的な積載スペースを設置しているのはテスラくらいのものだ。
寸法的には、クプラ・ボーンやキア・ニロEVよりコンパクト。ボーンより10cm、ニロより20cmもショートで、全高もその2台よりだいぶ低い。全般的にこれに近いサイズなのは、MG 4だ。
20インチの大径ホイールと低いルーフライン、短いが明確に存在するボンネットとショートオーバーハングが相まって、ライバルの多くよりルックスはダイナミック。デザインにはひとによって好みがあるだろうが、われわれはこのメガーヌと過ごすうちに、ほかのたいていのクルマより好意的に思うようになった。
おそらく、このデザインは多くのユーザーを惹きつける主な理由となるはずだ。これまでデザインを理由にルノー車の購入を思いとどまっていた層さえ、取り込むことになるかもしれない。
内装 ★★★★★★★☆☆☆
ルノーは時流に逆行して、新たなEVラインナップにFFレイアウトを採用しようとしている。そうなると、大きな疑問は室内スペースがどうなっているかだ。
これはある程度うまくいったといえる。荷室容量は440Lで、メガーヌよりボディサイズの大きいクプラ・ボーンが385L、キア・ニロEVが475L、同等サイズのMG 4が363Lなのに対してアドバンテージのあるスペースを確保している。
これはひとえに、モーターがリアではなくフロントにあるおかげ。フロア下には33Lのストレージもあり、充電ケーブルを収納しておけるほどだ。
ただし、この深さはよかれあしかれで、開口部や倒した後席と荷室フロアに大きな段差ができてしまう原因にもなっている。高さ調整式のフロアがあれば解決できるが、このクルマにその設定はない。
乗員スペースは、ライバル車ほど広くない。685mmの後席レッグルームは、クプラの750mmやキアの760mmに水を開けられている。もっとも、このサイズのハッチバックとしては平均的だが。これは、ヘッドルームにも同じことが言える。
しかし、それより深刻な問題がある。フロントシートはとても快適で、ステアリングコラムの調整幅も大きい。しかし、座面のチルトができず、背の高いドライバーはシートをかなり後方へ下げないといけない。当然、後席レッグルームを圧迫することになる。
また、高めのベルトラインも難ありだ。このおかげで、メガーヌはベースとなったコンセプトカーのようなルックスを実現しているのだが、視界はひどく損なわれる。
ゴツいCピラーと、ポストの口のように狭いリアウインドウも大きな死角を生んでいて、後席は閉所恐怖症だと耐えられないような空間になっている。ブラインドスポットモニターは高額なテクノグレードにしか装備されていない。これほど周囲が見づらいクルマなら、標準装備にするべきだ。
前席については、おおむねよくできた運転環境が整っている。センターコンソールの収納スペースは十分に大きく、より広くスペースを使ったり、カップホルダーを増やしたりできる仕切りもついている。
英国仕様は12.3インチのデジタルメーターと9.0インチのインフォテインメントディスプレイが標準装備で、ふたつの画面は1枚の大きなパネルへスッキリ収められている。ほかのマーケットで選択できるより大きな画面のインフォテインメントディスプレイは用意されないが、小さいほうの画面でも新規採用のGoogle製ソフトウェアはよく機能している。
エアコンの実体スイッチが、より手元に近く設置されているのもありがたい。ステアリングスイッチはツヤのある仕上げで、タッチパネルかと思わせるが、どれも実体ボタンだ。コラムレバーも操作性に文句はない。
ちょっと残念だったのは、デジタルメーターに、カスタマイズの選択肢があまりないことだ。見栄えのいい表示はいくつか用意されているが、せっかくの大画面を十分に使い切っているものがない。たとえば、パワー/エネルギー回生のゲージとマップを同時に表示することはできなかったりする。
ルノーが選んだマテリアルは、どうにもごちゃ混ぜな感じだ。シートとダッシュボードのファブリックは素朴なラウンジ風で、ステアリングホイールの合成皮革はまるで本革のような手触りのよさ。ドアパネルにはソフトな素材が張られている。
ところが、同じドアの上部にひじをかけてみると、これがガチガチに硬いプラスティック。ワイヤレス充電器を備えるダッシュボードの出っ張りも同様だ。ドアには見栄えのいいアルカンターラの帯も張られているが、インテリアのほかの部分とはまったく釣り合っていない。
たしかにルノーは、インテリアに安っぽさを感じさせないという点では成功している。とはいえ、複数のデザイナーが話し合いもせず、それぞれの場所を仕上げてしまったようなチグハグさが出てしまっている。
走り ★★★★★★★★☆☆
スーパーカーの分野でパワーウォーズが過熱しているいっぽうで、EVハッチバックのメーカーはパフォーマンスレベルを適正範囲に収めることで同意しているかのようだ。だいたいが200ps少々で、0−100km/h加速が7秒ほど、というレベルである。
われわれが計測した0-97km/h加速タイムを見ると、キア・ニロEVは6.9秒、クプラ・ボーンは6.7秒だった。今回のメガーヌはそれらと同等の6.9秒だ。最高速度はいずれも160km/hのリミッター付きで、そこまでの加速はどれも十分速いが、メガーヌはライバルたちより、113km/hより上での加速が多少ハードだ。
われわれがメーカーの担当者だったとしても、この手のクルマの性能はこれくらいでちょうどいいと考えるだろう。十分に活発さを感じられて、その気になればシャシーをシゴける。それでいて、深刻なトラブルを引き起こしたり、完成度が高いトラクションコントロールでも制御不能な事態に陥ったりすることはない。そんな程度だ。
メガーヌのシステムについて言えば「完成度が高い」という部分が、不幸にも重要になってくる。ドライ路面であれば、215セクションのタイヤでも電子制御系の過大な介入を受けることなく走れる。ところがウェットコンディションになると、システムはあっさりと混乱に陥る。タイトコーナーの脱出でスロットルペダルを強く踏み込むと、トラクションコントロールの作動が間に合わず、フロント内輪は数秒間のホイールスピンを見せるようになる。
ステアリングホイール上のマルチセンスボタンでは、エコ/コンフォート/スポーツと、各部を個別に設定できるペルソの各モードを選択できる。それを使えば、スロットルはお好みのまま、穏やかにも過敏にもできる。
回生ブレーキの効きを調整するパドルも、このメガーヌには備わっている。ただし、本当の意味でのワンペダル運転ができるモードは持たないので、完全停止には常にフットブレーキが必要だ。ペダルからのレスポンスは、われわれとしては敏感すぎると感じたが、おそらく乗っているうちに慣れてしまうだろう。
困ったのは、ブレーキのテストをはじめようとしたところで雨が降り出したことだ。数字的に特筆するところはないが、ドライコンディションで計測した最新のライバルたちとの直接比較が難しくなったのは残念なところだ。同じくウェットコンディションで計測したEVとしては、MG ZS EVが同じようなスコアだった。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
Androidのスマートフォンが世に多く出回っている昨今、Googleアカウントを持っていないひとは少ないだろう。その結果、クルマにGoogleエコシステムを使う意味が生まれた。Android Automotiveの背景には、これが大きく作用している。
これは、Android Autoとは別物。ちなみにルノーのシステムではApple CarPlayともども、スマートフォンのミラーリングはオプション設定だ。
システムはGoogleのマップや音声アシスタンスなどを利用しており、appストアを介してSpotifyなどのアプリのダウンロードもできる。同時に、ほかの車両システムとも統合されていて、Googleマップを使って目的地到着時のバッテリー残量を見たり、メーター画面に進行方向を表示したりすることもできる。
おおむね上々の機能ぶりで、レスポンスが早く、レイアウトは直観的。Googleマップは、ルート選択や充電器検索で、ほとんどのナビゲーションシステムに勝っている。
とはいえ、ロングドライブで急速充電器へガイドする機能はテスラ並みとはいかない。また、モバイルデータ通信の圏外になってしまうと、ナビも音声アシスタンスも適切に機能しなくなるのはGoogleの弱点だ。
燈火類
LEDヘッドライトは標準装備で、テクノグレードではマトリックスタイプとなる。パワフルだが、対向車への防眩は効かなそうだった。
ステアリングとペダル
ペダル配置はきわめて一般的だが、ブレーキペダルのリンケージが左へ長く伸びている。EVで左足ブレーキを使うドライバーは多くないだろうが、このメガーヌでならそれができる。
操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆
明らかにルノーは、この新たなメガーヌをスポーティなEVにポジショニングしていて、ステアリングをかなりクイックにセッティングしている。
最終形に近いプロトタイプを試乗した際には、デザイン部門のトップであるローレンス・ヴァン・デン・アッカーが、市販モデルのデザインはいずれ登場するパフォーマンスバージョンも想定しているとさえ語った。ところが、誰からもきわめて好意的に受け入れられたので、それが標準仕様のスタイリングとなったのだ。
しかし、英国の公道で走らせたメガーヌは、目指したスポーティさを十分には発揮できなかった。おそらくそう感じたのは、クプラ・ボーンやキア・ニロEV、MG 4などが基準を引き上げてしまったことも一因なのだが。
まず責められるべきは、クイックなステアリングだ。ロックトウロック2.2回転というのはたしかに速い。けれども、出来のいい可変レシオのステアリングラックであれば、取り回しでの操舵量を抑えながら、全体的にナチュラルなフィールをもたらしてくれる。
しかしながら、ルノーはどちらも最悪な固定レシオのラックを採用してしまった。曲がりくねった道では、ステアリングがナーバスで、スムースな入力を行うのはきわめて困難だ。しかも、奇妙な形のステアリングホイールは、90°切るにも手を動かさなくてはならない。
そのうえ、ステアリングはスポーツモードであってさえかなり軽く、フィードバックはこれっぽっちもない。
メガーヌが狙ったスポーティさを、ステアリングが台無しにしているのはじつに残念だ。というのも、シャシーが根本的に健全な出来栄えだからである。まずまずのグリップがあり、鋭いターンインを見せてくれる。ハンドリングサーキットでプッシュする際には、スロットルを抜くと、スタビリティコントロールが介入する前にマイルドな旋回に入るのが感じられる。
トラクションコントロールだけはオフにできるが、スタビリティコントロールは切ることができない。だが、どんな場合でも穏やかで、それ以外の部分はハードに走る気にさせるものではないので、あえてオフにする理由はないともいえる。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
もしも新しいメガーヌがフランスのホットハッチのスピリットをまったく見せられないとしても、ふんわりした古き佳きリムジンだと思うといいクルマだ。サスペンションはしなやかだがタイトにコントロールされ、のたうち回るようなことはまったくなく、ステアリングには備わっていなかった穏やかさをもたらしている。
テクノグレードのテスト車が履く20インチホイールは路面のくぼみなどでクプラ・ボーンよりわずかに大きい衝撃を伝えてくる。ベースグレードのエキリーブルは18インチ仕様で、以前にちょっと乗った感じでは、より高扁平のタイヤによるクッションが効いていて、その快適性はいかにもフランス車らしいものだった。
ただし、その差はさほど大きなものではなかった。装備内容と乗り心地を秤にかければ、テクノを選ぶというユーザーがほとんどだろう。
ロングドライブでも、いいニュースが続く。113km/h巡航時の静粛性は抜きん出ていて、シートも身体にしっくりこないというドライバーの方が少ないはずだ。ソフトだがおおむねサポート性がよく、調整範囲も広い。これでクッションのチルト機構があれば、背の高いドライバーにもありがたかったのだが。
購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
公称451kmという航続距離は、少なくともスペック表の上ではキア・ニロEVと同等で、充電の速さはクプラ・ボーンに肩を並べる。だが、現実的にはそういかないのが残念なところだ。
テスト中の電費は5.3km/kWhにすぎず、60kWhバッテリーで走行できる距離は計算上320kmを切る。クプラのバッテリーはこれよりわずかに小さいが、同様のコンディションと使い方で350kmを超える。
メガーヌの充電性能はクプラを凌ぐ最大130kWで、10~80%の充電時間は30分ほど。7.4kWのウォールボックスなら、0-100%は9時間少々だ。
ベーシックグレードのエキリーブルは3万5995ポンド(約594万円)からで、クプラやキアに比べてもなかなかのコストパフォーマンス。ただしこのグレードでは、Googleのテクノロジーやアダプティブクルーズコントロール、フロントのパーキングセンサーが装備されない。
フル装備にするなら、3万8495ポンド(約635万円)のテクノを選ぶ必要がある。この価格、同等仕様のクプラと肩を並べ、キアよりはやや安い。ただし、MG 4なら最上位仕様でも3万1495ポンド(約520万円)で手に入ることも見逃せない。
なお、ボディカラーを除けば、オプションは用意されていない。
スペック
レイアウト
ルノーの新型EV、メガーヌE−テック・エレクトリックのプラットフォームは、日産アリアと同じCMF−EV。今後、同じプラットフォームのモデルは多数登場する予定だ。
ルノーは前置きシングルモーターのみの設定。サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンク。最新のEVに比べてフロントに積まれるパワートレインのコンポーネンツは多く、前後重量配分は57:43とフロントヘビー気味だ。
パワーユニット
駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:他励同期電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオン・400V・60kWh(グロス値)/−kWh(ネット値)
最高出力:217ps/-rpm
最大トルク:30.6kg-m/-rpm
最大エネルギー回生性能:160kW
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:133ps/t
トルク荷重比:18.7kg-m/t
ボディ/シャシー
全長:4200mm
ホイールベース:2685mm
オーバーハング(前):800mm
オーバーハング(後):715mm
全幅(ミラー含む):2055mm
全幅(両ドア開き):3780mm
全高:1505mm
全高:(テールゲート開き):2015mm
足元長さ(前):最大1075mm
足元長さ(後):最大685mm
座面~天井(前):最大1035mm
座面~天井(後):最大930mm
積載容量:440~1332L
構造:スティールモノコック
車両重量:1636kg(公称値)/1688kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:7.5Jx20
タイヤ前・後:215/45 R20 95T
グッドイヤー・エフィシエントグリップ・パフォーマンス
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:1速リダクションギア
ギア比
リダクション比:9.69:1
1000rpm時車速:13.7km/h
113km/h/129km/h時モーター回転数:8250rpm/9450rpm
電力消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.3km/kWh
ツーリング:4.8km/kWh
動力性能計測時:2.3km/kWh
メーカー公表値:消費率
市街地:7.7km/kWh
混合:6.3km/kWh
公称航続距離:451km
テスト時航続距離:319km
CO2排出量:0g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.2回転
最小回転直径:11.2m
ブレーキ
前:320mm通気冷却式ディスク
後:292mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電気式・自動(ステアリングコラム右側にスイッチ配置)
静粛性
アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):73dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:61dBA
113km/h走行時:66dBA
安全装備
AEB+歩行者・自転車検知/車間警告/ドライバーモニタリング
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人85%/子供88%
交通弱者保護性能:65%
安全補助装置性能:79%
発進加速
テスト条件:ウェット路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h)3.2秒
0-40(64):4.3秒
0-50(80):5.4秒
0-60(97):6.9秒
0-70(113):8.6秒
0-80(129):10.7秒
0-90(145):13.4秒
0-100(161):16.8秒
0-402m発進加速:15.3秒(到達速度:154.5km/h)
0-1000m発進加速:28.5秒(到達速度:164.5km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
キア・ニロEV2(2022年)
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
0-30マイル/時(48km/h)3.1秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.4秒
0-60(97):6.9秒
0-70(113):8.7秒
0-80(129):10.9秒
0-90(145):13.7秒
0-100(161):17.1秒
0-402m発進加速:15.3秒(到達速度:137.0km/h)
0-1000m発進加速:28.1秒(到達速度:171.2km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):2.2秒
30-50(48-80):2.3秒
40-60(64-97):2.6秒
50-70(80-113):3.2秒
60-80(97-129):3.9秒
70-90(113-145):4.8秒
80-100(129-161):6.1秒
制動距離
テスト条件:ウェット路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):11.8m
50-0マイル/時(64km/h):32.0m
70-0マイル/時(80km/h):63.7m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.45秒
ライバルの制動距離キア・ニロEV2(2022年)
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):24.2m
70-0マイル/時(80km/h):47.7m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
スペック表を見る限り、新たなメガーヌはクラストップを奪取するのに必要なものをすべて備えている。ルックスにしても、ミニバンみたいなフォルクスワーゲンとは異なり、さらに大径ホイールを履いたコンセプトカーのような元気さはライバルたちに望めないものだ。
さらに、ボディサイズがコンパクトであるにもかかわらず、室内は驚くほど広い。そのうえルノーはついに重い腰を上げ、車内にもハイテク装備を導入した。WLTPテストでの航続距離と、急速充電の性能についても、クラスをリードするデータを謳っている。
ところが、現実はそううまくいかない。テスト車の電費はメーカーのデータどおりどころか、それに近いレベルにすら届かず、ライバルにも及ばない。その結果、現実的な航続距離は平均的なものにとどまった。
インテリアの見た目はいいが、フィールはそれほどでもないところもあった。また、シャープなエクステリアは、視認性を損ねている。なにより、このクルマをスポーティに仕上げようというルノーの目論見は、やや誇張だといわざるをえない。
対照的に、このEVのメガーヌは乗り心地がみごとで、高速道路では快適だ。しかし、欠点を補うに十分とは言い難い。
このメガーヌE-テック・エレクトリックは好ましく、有能なクルマだ。しかし、この数ヶ月で優れた競合モデルが続々登場してきたのを見てきたあとでは、それらに張り合えるとは言えない結果となった。
担当テスターのアドバイス
イリヤ・バプラートメガーヌはコラムシフターを採用するが、EVにはロジカルなチョイスだと思える。センターコンソールのスペースを節約できるし、フォルクスワーゲンやクプラのツイスト式と異なり、目で探す必要がない。
マット・ソーンダースGoogleのマップと音声アシスタンスは、万事うまく機能する。ただし、4Gの圏外に出ない限りは。オフラインのマップをダウンロードする機能もあるが、事前に落としておかないとどうしようもなくなり、現在地を見失ってしまうのだ。
オプション追加のアドバイス
エキリーブルのコストパフォーマンスは高く、ホイールが小さくなるので乗り心地が改善する。しかし、装備内容はかなり落ちるので、やはり上位機種のテクノを選びたい。トップグレードとなるローンチエディションは、独自のカラーリングやハーマンカードンのオーディオ、デジタルルームミラーと360°カメラが装備されることを考えればかなりコストパフォーマンスがいい。
改善してほしいポイント
・ステアリングのフィールは、もっとナチュラルに。
・パワートレインの現実的な経済性をもっと高めてもらいたい。
・荷室フロアには高さ調整機構を加えてほしい。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?