スカイラインGT-Rを始め、RX-7やランエボ&インプレッサSTI、ホンダのタイプR群など、1990年代の国産スポーツは、その中古車価格の高騰ぶりからもわかるように人気の車種が多い。そして、これらの車種はその強烈な個性と同様、トラブルの出やすい箇所などもなかなか独特。そこで、本記事ではそれぞれのメーカー・車種に定評があるプロショップに、モデル別にメンテナンス法を聞いた。
文:編集部/写真:編集部、NISSAN、HONDA
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ベストカー2017年10月26日号
GT-R&エボ 4WDターボスポーツのポイント
■スカイラインGT-R(R33型/1995-1998年)
(注意点として)重要度が高い部分のひとつ目が足回り関係。リアサスペンションメンバーと、それに付随するブッシュ類をリフレッシュすること。長年使われているので、ゴムブッシュの劣化が激しい車が多い。そのままでは乗り心地もよくないし、操安性も悪く運転していて楽しくない。
ふたつ目は、エンジンルームで水回りのホース類を交換してもらいたい。これはアッパーホース、ロアホースだけでなく、バイパスホースなど含めての交換で、水漏れによるエンジンへのダメージ発生を予防できる。
3つ目は内装関係で、こちらも劣化しやすいウェザーストリップやドアの金具類(ヒンジやストライカーなど)といった消耗品を交換してもらいたい。
【まとめ】トラブル対策3大ポイント
1.リアの足回り部品は交換必須
2.水回りのホースはすべて交換
3.消耗品は積極的に交換するべし
■三菱 ランエボ(IV~VI/1996-2000年)
ひとつ目がタイミングベルトで、約8万kmで交換したい。その際にはタイミングベルトだけでなく、ベアリングやウォーターポンプなども一式交換したい。タイミングベルトだけ交換しても、その後ウォーターポンプが壊れたら出費がかさむからだ。
ふたつ目はオイル関係。ランエボはエンジン、ミッション、デフ以外にも、AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)やトランスファーなどオイルを使用しているシステムが多く、それらも定期的にオイル交換する必要がある。
3つ目はブレーキのメンテナンス。キャリパーの熱によるダストブーツの破け、不適切な管理によるピストンの錆でオイル漏れとなった場合にはキャリパー(純正ブレンボ製=片側20万円)交換となり、高額出費が発生する。定期的にオーバーホールしてもらいたい。
【まとめ】トラブル対策3大ポイント
1.タイミングベルト交換時は周辺部品も交換
2.オイルは高品質な物を短いサイクルで交換
3.長く乗るならメンテナンス費用はケチらず
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■ホンダ インテグラタイプR(DC2型/1995-2001年)
1000km走行すると1L減る車もあるくらい、エンジンオイルが減りやすいので、オイル管理はしっかりと。1000kmごとに自分でレベルゲージを確認し、オイルが減っていたら注ぎ足し、3000kmになったら全交換する。
また、エンジンオイルと同様にミッションオイル管理も重要で、インテグラでは最高で1万km(までの使用で交換)と考えてもらいたい。純正オイルでいいので、まめに交換を。ホンダの交換基準は、車両サイズを問わず、すべて同じオイルを使用し、交換サイクルも同じような設定となっているが、(車種によって)パワーが違うので同じ距離もつはずがない。
そして、純正部品が廃番になってきているので、長い目で見てリフレッシュをしたい場合、ここ2~3年のうちにやらないと、できなくなる可能性がある点にも注意したい。
【まとめ】トラブル対策3大ポイント
1.オイル量減少を定期的にチェック
2.ミッションオイルは1万kmで交換
3.純正部品を使った修理は早めが吉
■RX-7(FD3S/1991-2001年)
インターミディエイトハウジングのスクエアリングのところが腐って、冷却水が燃焼室に回ってしまうトラブルが出る。初期症状は冷却水の減少だが、水をあまり足すと冷却水の防錆作用が薄まり、ハウジングが腐食してしまう。腐食するとインターミディエイトハウジングだけの交換では済まず、すべてのハウジングを交換することになってしまう。
防ぐにはクーラント交換を1~2年で定期的に行い、適切なエンジンオイルを使用すること。(対策を施さないと)カーボンなどの不燃物が多くなり、ローターハウジングに傷が入ってしまう。傷が入ってしまうとオーバーホールするしかない。
3つ目はリアシール。FD3S型はタービン周りに熱が溜まりやすく、リアハウジングからオイル漏れして、ステーショナリーギアのメタルが削れてしまう。
【まとめ】トラブル対策3大ポイント
1.冷却水が減るようなら要注意
2.エンジンオイルにはこだわりを
3.オイル漏れはメタル破損の危機
■トヨタ スープラ(A80型/1993-2002年)
ひとつ目はオイル漏れで、これは大半がカムカバーのところのパッキンと、クランクシャフトのオイルシールの2カ所から発生する。
次がエンジンの始動性不良。これはプラグやプラグコードの異常、燃料ポンプフィルターの目詰まりといった理由が考えられる。
また、タービンのどちらかに不調を抱えていても気づかないというトラブルが多い。シーケンシャルツインターボで1個目が回って、2個目が回るのに、どちらかが回っておらず、正常なブーストがかかっていない車が非常に多い。原因としては、タービンの羽根がなくなってしまっている場合もあるし、タービンを制御している装置の故障や、配管の抜けが考えられるので、ショップで見てもらうほうがいい。
【まとめ】トラブル対策3大ポイント
1.年式相応で起きるオイル漏れの早期発見
2.多くの始動性不良はプラグ/プラグコード以上と燃料ポンプに起因
3.気づきにくいタービン不調は要注意
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