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75%サイズのタイプ35 リトルカー・カンパニー・ベイビーII コレなら買える?EVブガッティ

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75%サイズのタイプ35 リトルカー・カンパニー・ベイビーII コレなら買える?EVブガッティ

思わず惹かれてしまう高い完成度

フランスの名門、ブガッティを創業したエットーレ・ブガッティ氏は、子ども用のレーシングカーを作るアイデアを実際に形にした。1926年、彼と10代の息子、ジーンが自ら工具を手にし、4歳のローランドのために小さなタイプ35を完成させた。

【画像】75%サイズのタイプ35 ベイビーIIとテスタロッサJ ファイアフライ タイプ59と57も 全121枚

エットーレは、そのクルマをブガッティ・ベイビーと呼んだ。それから93年後、ロンドンの北西に位置し、クラシックカーを愛する人たちが集うビスター・ヘリテージに拠点を置くリトルカー・カンパニーが、後継モデルに相当するベイビーIIを発表した。

現在のリトルカー・カンパニーは、オリジナルよりひと回り小さいブガッティ・レプリカを生産している。見た目の完成度は極めて高く、職人技に溢れている。そのぶん価格はお高く、新車のBMW 3シリーズを買えるほどだ。

筆者のような皮肉屋でも、思わず惹かれてしまう魅力がある。ベイビーIIのボディは、1924年のフランス・グランプリを戦った本物を3Dスキャン。正確に寸法を割り出し、アルミニウムの板から叩き出されている。部品は、信頼性を重視し選ばれている。

仕上がりの素晴らしさから、本家のブランドから許可を得て製作するレプリカ以上、といえる評価を得たモデルもある。リトルカー・カンパニーが製作するテスタロッサJには、正式にフェラーリからシャシー番号が割り当てられているのだ。

複数台購入した本物のブガッティ・オーナーも

このベイビーIIは、世界で最も美しいと評価されるクラシック・レーシングカーの1台、タイプ35を、75%サイズに縮小して細部まで再現したもの。とはいえ、基本仕様で3万1300ポンド(約504万円)という値段を聞いて驚かなかった、というのは嘘になる。

生産数は、合計で500台が予定されている。自邸の各部屋へ飾るために複数台購入した、本物のブガッティ・オーナーもいらっしゃるそうだ。

お隣の子どもと同じものは嫌だ、というワガママのために、特別仕様も用意されている。アスプレイ・ロンドン・エディションは1台限りだった。ブガッティW16 ミストラルをオーダーした人に限って注文できる、カーボン・エディションも計画されている。

現代の富裕層や高級品は興味深い。1台のクルマに数億円を投じたら、それに似合うようにデザインされた時計や靴、カバンなども用意されているのだから。子ども用の電動レーシングカーも。

とにかく、ベイビーIIは素晴らしい。油圧ブレーキを備え、ドライブモードも選択できる。駆動用バッテリーの容量は、2.8kWhと不足ない。

本物のブガッティ・シロンのように、フルパワーを開放するためのスピードキーも用意されている。この場合、67km/hまで加速が可能になる。公道は走れないから、広い敷地が必要になるわけだが。

親子ペアでのワンメイク・レースも開催

同社のウェブサイトにアクセスすれば、コンフィギュレーターで楽しめる。ヴィテッセにアップグレードすると、4万1315ポンド(約665万円)、プル・サンなら、5万4300ポンド(約874万円)へ価格は上昇する。

ボディの仕上げや塗装色、インテリアも選べる。ブガッティのテストドライバーだったアンディ・ウォレス氏にちなんだ、ウォレス・ブルーで輝かせることも可能だ。

ベイビーIIの発売に当たって、リトルカー・カンパニーはワンメイク・レースというアイデアを抱いていた。それは現実になり、クラシックカーのイベントを主催する、ヒーロー・エラ社が運営している。

参加資格は比較的緩く、ベイビーIIを買う必要はない。エントリー料金は、3戦によるチャンピオンシップ形式で4950ポンド(約80万円)。10歳から14歳の子どもと大人のペアで、1チームを作る必要がある。

第1戦は、ビスター・ヘリテージ・スクランブルで開催された。雨天に備え、航空機用格納庫に三角コーンと干し草が並べられた、専用のジムカーナ風コースを設けて。

合計20チームが、午前と午後にわかれてタイムを競う。ベンチマークは1分17秒で、複数回アタックし、大人と子どものベストタイムの合算で順位が決まる。コーンや干し草に触れると、5秒のペナルティが課せられる。

参加していた1組の親子へお話を伺った。「自分は負けず嫌いですが、速くはありません」。と父のアルプ・アルマス氏が謙虚に答える。ところが実際に走ると、基準タイムより速かった。この親子が、午前の部で表彰台に登ることになった。

身近に参加できるジュニア・モータースポーツ

リトルカー・カンパニーのCEO、ベン・ヘドリー氏は「実際に試してみたら面白いだろうな、と考えていたんです」。と賞品のトロフィーを準備しながら笑顔で話す。

2戦目はシルバーストーン。最終戦となる3戦目は、英国ブガッティ・オーナーズ・クラブの本拠地がある、プレスコット・ヒルクライムで7月に開かれる予定だという。

ちなみに、ジュニア・モータースポーツは表立って紹介される機会が少ないものの、意外と身近な場所で体験できる。その最たる例はレーシングカートだろう。英国の場合、カート用サーキットが各地に存在し、子ども向けのセッションが提供されている。

幼い頃にルイス・ハミルトン氏も戦ったライハウス・サーキットでは、8歳から16歳までなら30分の走行を40ポンド(約6500円)で楽しめる。6歳から8歳なら、30分34ポンド(約5500円)と、割安になるそうだ。

複数のカート用サーキットを保有するデイトナ・モータースポーツ社では、レーシングカーカートのシリーズ戦を開催している。年会費と1戦毎に100ポンド(約1万6000円)が必要だが、10分の練習走行、10分のタイムアタック、15分の本戦に挑めるという。

あるいは、息子専用のカートを購入するのも悪くない。資金に余裕があれば、レースチームと契約し、数万ポンド(数100万円)をつぎ込む、ということもできなくはない。

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