クーペ風のEVスポーツセダン
欧州知的財産庁(EUIPO)に提出された一連のレンダリング画像から、ポールスターが開発している次期電動スポーツセダン「5」のデザインが明らかになった。
【画像】これが新型EVスポーツセダンのデザイン【ポールスター5をコンセプトや既存モデルと写真で比較】 全76枚
ポールスター5は、2020年に発表されたコンセプトカー「プリセプト」を進化させたもので、クーペ風のプロポーションと長いホイールベースを備えている。このコンセプトの奇抜な特徴であった超薄型デジタルサイドミラーや観音開きのドア、オーバーサイズのアルミホイールなどは、市販化に際し廃止されたようだ。
市販モデルの公式発表は来年末になる見込みだが、ポールスターによると、新しいプラットフォームによって「スーパーカーレベル」のボディ剛性を獲得するという。
開発は英国で進められており、ボルボをベースに派生したものではなく、「ポールスターがポールスターのために開発した」最初のモデルだと、車両エンジニアリング・ディレクターのスティーブ・スイフトは語っている。
ボディは主にボンデッドアルミニウムで構成され、その他の部分は熱間成形、冷間成形、ダイキャスト、押し出しアルミニウムで作られている。ポールスターUKのチーフエンジニア、デイブ・ケインは、このボンデッドアルミニウム構造が「スーパーカーレベルのねじれ剛性を実現し、クラス最高の乗り心地とハンドリング・ダイナミクスの基礎となる」と述べている。
研究開発部門の責任者であるピート・アレンも、「クラス最高レベルのダイナミクスを実現することが5の目標であり、それは構造から始まります」と述べており、ボディは「2ドアスポーツモデルのようなカーボンファイバー・レベルのねじれ剛性」を実現しているとのこと。
ライバルはあのクルマ、でも方向性は別?
明白なライバルとなるのがポルシェ・タイカンで、ポールスターはベンチマーク目的で開発施設に1台保有していることが分かっている。しかし、スポーツカーのようなハンドリングを追求するのではなく、角のない日常的な快適性を備えたクルマを目指しているようだ。
さらに、モータースポーツに由来するアンダーボディのエアロダイナミクスと、空気抵抗の少ないボディ形状重要なポイントとなっている。パワートレインやバッテリーの詳細については不明だが、フラッグシップモデルであることから高いパフォーマンスが期待できる。スティーブ・スイフトは、バッテリー技術に「興味深いIP(知的財産)」があることを明かしている。
コンセプトの奇抜な要素は削がれてしまったものの、全体的なデザインは維持されている。
ピート・アレンは、「ほとんど同じに見えます。(ポールスターCEO兼デザイナーの)トーマス・インゲンラートの描いた内外装にできるだけ近づけるために努力しています」と話す。
そのために、大きなパノラマルーフも、長いホイールベースと低い車高も引き継がれている。
「(EVとしては)極めて低い車高です。内燃機関車ほどではありませんが、それに近い高さで、しかも下にバッテリーがない。それが特に課題でした」
また、5の開発の大部分は将来のラインナップを念頭に置いて行われている。
新しいプラットフォームには「多くの拡張性」があると、スイフトは言う。「一度の設計でどれだけ多くの空間を使えるか考えてデザインします。未来の一部であることは間違いありません」
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