手頃に探せる魅力的なイタリア車
クルマ好きなら、2代目フィアット・パンダにも、小さくないシンパシーを感じるはず。2003年まで製造されていた初代の人気も揺るがないものだったが、テクノロジーやデザイン、操縦性で大きな飛躍を遂げた2代目も、忘れられない存在だ。
【画像】フィアット・パンダ 初代から現行の3代目まで 純EVになった新型500も 全82枚
100HPというホットハッチ仕様からオフロード向きの4x4まで、バリエーションの豊かさも特長。それは現行の3代目へも受け継がれている。
さらにうれしいポイントが、今でも少なくない2代目パンダの中古車が流通し、手頃な価格が付いていること。英国の場合、2005年式で1.1Lエンジンのベーシックなパンダを、500ポンド(約8万円)で購入することもできる。
イタリア車ファンに人気の4x4でも、2000ポンド(約31万円)ほど。見た目以上にスリリングな走りを楽しめるパンダ 100HPですら、5000ポンド(約78万円)も用意すれば状態の良い例を探すことができる。濃い個性と希少性を考えれば、破格といって良い。
もちろん、発売から20年近くが経過するイタリア車だから、予算だけで選ぶことは避けたい。実用主義のモデルだとしても、注意するべき点はいくつか存在する。
ただし、メカニズムの信頼性は決して低くない。それに続いた3代目パンダも評判は高く、フィアットは壊れやすい、というイメージを見事に風化させた。
信頼性は比較的高く、燃費は良好で実用的
2代目フィアット・パンダで想定できるトラブルは、どれもが比較的軽度なもの。手頃な趣味グルマとして、選択を諦める必要はないだろう。
挙げるなら、ボディの塗装や内装パネル、電気系統や足回りの劣化が手間のかかる主な項目。ただし、4x4と100HPの場合は、ヘッドガスケットの不具合と、それに伴うエンジンオイルとクーラントの混入などにも気を配りたい。事故歴にも注意だ。
荷物の運搬能力をクルマに求めるなら、パンダは候補に入りにくいかもしれないが、荷室には200Lの容量がある。現代のBセグメント・ハッチバックにも引けを取らない広さがある。リアシートを倒せば、861Lまで拡大できる。
キャンプ用品やマウンテンバイクも、問題なく積める。パンダはとても使い勝手が良い。
実用的なコンパクトカーとして燃費も良好で、前輪駆動の8バルブ1.1Lエンジンなら、17.0km/L位は期待できる。高速道路がメインなら、英国では1.3Lディーゼルターボが良いだろう。燃費は更に伸びるはず。
四輪駆動システムを搭載し、車高が高められたパンダ 4x4の燃費は若干落ちるが、想像の範囲に収まる。100HPが搭載する16バルブ1.4Lターボユニットでも、15.0km/Lほどは得られる。
とはいえイタリア車のファンなら、100HPの0-100km/h加速9.5秒という活発な走りに強く惹かれるはず。見た目と相まって、想像以上に速く感じられる。また、悪天候時の4x4の頼もしさにも、心が奪われてしまうのではないだろうか。
オーナーの意見を聞いてみる
ダリル・ダイカー氏
「本当に速いホットハッチを目指して、アバルトはパンダ 100HPをベースに選んで欲しかったと今でも思います。1.4Lターボエンジンはタフでとても楽しいですが、もっとパワフルでも良かったですね」
「交差点からのスタートダッシュや、ゴーカート風のハンドリングは、私が気に入っている点。アクラポビッチ社製のエグゾーストを組めば、サウンドもご機嫌です」
「6速MTは、通常16万km毎のオーバーホールが必要とされています。それ以外、定期的なメンテナンス以外に目立った心配は不要といえるでしょう」
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
ボディの製造品質は、パンダのストロングポイントではない。塗膜は薄く、飛び石キズで剥げていないか確認したい。
ライトクラスターに水が溜まることがあり、ゴムシールの劣化具合も確かめたい。フロントガラス下部の排水口が詰まり、車内に水が侵入することもある。
電気系統
ECUの不具合で加速が不安定になる場合がある。ソフトウエアのアップデートで改善することが多いようだ。
低速域で発生するステアリングホイールの振動や唸り音は、トルクポジション・センサーのエラーかもしれない。ステアリングコラムを交換した後、ECUを新しい部品に対応させるため、アップデートする必要がある。
バッテリーの電圧が下がると、システムエラーや警告灯の点灯を招く。怪しいと感じたら、バッテリー交換を試してみたい。
エンジン
ガソリンエンジンはエントリーユニットの8バルブ1.1Lから16バルブ1.4Lまで、質素なメカニズムでメンテナンスは容易。想像以上にパワフルでもある。
ヘッドガスケットの不具合は、エンジンを問わず発生しなくはない。エンジンオイルがクーラントと混ざり乳白色に変化していたり、排気ガスからの白煙がないか確かめたい。
タイミングベルトの交換は、5万8000km毎が推奨。2010年以降の可変バルブエンジンは、バルブとピストンが干渉するため注意が必要だ。
トランスミッション
不具合はギアボックスより、油圧クラッチの方で起きがち。フリクション・プレートを交換する前に、調整で対応できる場合もある。
4x4と100HPの場合、3速へのシフトアップ時に引っかかりを感じることがある。リンケージの交換で改善することもあるが、シンクロメッシュの摩耗が原因かもしれない。
サスペンションとタイヤ
100HPのサスペンションは、他のパンダより硬め。4x4は車高が高く、コーナリング時のロールが大きい。また100HPは、アライメントが狂うことでタイヤの偏摩耗が起きやすい。購入後の調整がオススメ。
英国ではいくら払うべき?
450ポンド(約8万円)~999ポンド(約15万円)
初期の2代目パンダで、1.1Lか1.2Lエンジンのクルマが英国では出てくる。ボディの凹みやホイールキャップの欠落などは、想定しておきたい。
1000ポンド(約16万円)~1499ポンド(約22万円)
より状態の良いパンダが選べる。整備記録の内容も良くなる。走行距離がかさんだ100HPも出てくる。
1500ポンド(約23万円)~1999ポンド(約30万円)
状態の良いワンオーナー車を英国では購入できる。4x4も執筆時に見つけた。
2000ポンド(約31万円)以上
手入れの行き届いた4x4と100HPを英国では狙える。走行距離も短くなる。
英国で掘り出し物を発見
フィアット・パンダ 4x4 登録:2006年 走行距離:17万500km 価格:2695ポンド(約42万円)
走行距離は短くないものの、執筆時に発見した強気な価格のパンダ 4x4。ボディはしっかりしており、装備も充実しているから、検討する価値はある。
タイミングベルトはすでに3本目に交換済みかどうか、オフロードでシャシー下面を打っていないかなどを確かめたい。シフトチェンジが滑らかに行えるかどうかも、試乗時の確認ポイントだ。
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