2021年1~6月の累計販売台数77,492台、車種別販売台数ランキング(登録車)でなんと2位に輝いたトヨタルーミー。昨年同期比206%と売れまくっております。
そんなルーミーですが、最大のウリが「実用性」ということもあって自動車専門メディアではあまり特集記事を見かけず、Web上には「どこがいいんだ」だとか「ライバルと比べてどうなんだ」という情報が少ない印象があります。
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そこでここいらできっちりと購入ガイドを作成し、買いに行く前に読むと大変参考になる記事としてお届けします。「ルーミーいいな」と思っている方、周囲にそういう家族や友人がいらっしゃる方、ぜひ一読していってください。
文/諸星陽一
写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】販売台数ランキング2位に君臨!! コンパクトで多目的に使えるトヨタ ルーミー
■トヨタルーミー 最近のマイナーチェンジ情報
2016年11月に発売されたトヨタルーミーは実用性を重視したファミリー向けコンパクトカー。写真はターボ車のカスタムG-T。標準グレードの14インチタイヤ+スチールホイールに対し、カスタムG-Tは15インチタイヤ+専用アルミホイールを装着する
ボディサイズは全長3700mm×全幅1670mm×全高1735mm。2020年9月のマイナーチェンジでフロントデザイン変更、9インチディスプレイオーディオの全車オプション設定、衝突回避支援ブレーキの検知範囲拡大等の改良を実施した
ルーミーは2016年11月に同年夏まで販売されていたbBの後継モデルとして市場導入されました。bBが20歳代独身男性をターゲットにして作られたクルマだったのに対し、ルーミーはヤングファミリーに向けたクルマ作りとなっています。
ルーミーはダイハツ・トール、トヨタ・タンク、スバル・ジャスティと兄弟関係にあるモデルですが、トヨタ・タンクは2020年9月に行われたマイナーチェンジ時に廃止、トヨタブランドのモデルはルーミーのみとなりました。
2016年の登場後、2018年に安全関連装備の充実などを行う一部改良を実施、2020年には全車にADAS(先進運転支援システム)の標準装備(ACCについては一部グレード非装備)が行われたほか、ウェルカムパワースライドドア、スマートフォンなどの充電用USB端子などの快適装備も標準となり装備充実度が向上しました。これが最新の変更情報となっています。
■グレード展開
カスタムグレードはメッキ加飾を散りばめた黒基調のインテリアを採用。シートには撥水加工がなされている。フードを低く抑えたメーターは視認性の良さを追求した設計になっている
ルーミーに搭載されるエンジンは1リットルの3気筒で、自然吸気仕様が69馬力/92Nm、ターボ仕様が98馬力/140Nmのスペックとなります。組み合わされるミッションはCVTで、基本駆動方式はFF、自然吸気仕様にのみ用意される4WDはビスカスカップリングを用いた機械式のいわゆる生活4WDです。
自然吸気エンジンは出力の低さをカバーするため、CVTの変速比、最終減速比ともにローギヤードに設定されています。
グレード展開はシンプルです。ターボエンジン搭載車はFFのみで、上級のカスタムG-TとG-Tの2機種、自然吸気エンジンはカスタムG、G、Xの3機種で4WDも用意されます。すでに気付かれている方も多いと思いますがグレード名に「-T」が付くモデルがターボエンジン搭載車で、付かないグレードが自然吸気エンジン搭載車です。
以下の安全装備は全車で標準装備となりますので、購入対象から外れるグレードはないと言えます。
・衝突回避支援ブレーキ機能(対車両、対歩行者[昼夜])
・衝突警報機能(対車両、対歩行者[昼夜])
・車線逸脱警報機能
・路側逸脱警報
・ふらつき警報
・ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方、後方)
・先行車発進お知らせ機能
・コーナーセンサー(フロント2個、リヤ2個)
全車速追従機能付きACCはカスタム系のみの装備です。
ライトまわりでは、カスタム系がオートレベリングLED、G-TとGがマニュアルレベリングLED、Xはマニュアルレベリングハロゲンとなります。ハイビーム&サイドビューランプは、カスタム系がADB(アダプティブドライビングビーム)とサイドビューランプを標準で装備。カスタム系以外はADBではなくオートハイビームとなり、サイドビューランプは装着不可です。
サイドビューランプはウインカー操作やステアリング操作と連動して、曲がろうとする方向への照射角度を広げるもので、後退時は左右のランプが点灯します。
また標識認識機能(進入禁止、最高速度、一時停止)はX 以外に標準でXにオプション装着可能、パノラミックビューモニターはX以外にオプションで装着可能です。
タイヤは165/65R14が基本で、カスタムG-Tのみ175/55R15となります。アルミホイールを採用するのはカスタム系のみで、ほかのグレードはすべてスチールホイール&フルキャップとなります。すべてのグレードでタイヤ&ホイールは指定なので、オプションで選ぶことはできません。
■タイプ別装備
リアシートは240mmスライド可能、前後シート間距離は最大1105mm。身長170cmの大人が後席に座る際の膝先空間は握りコブシ4つ分ほど。Lサイズセダンを超える余裕を確保
リアシートを前に倒すとラゲッジスペースがフルフラットになり、広大な空間が生まれる。最大荷室長は1500mmを超える
助手席側のパワースライドドアは全グレードで標準装備。運転席側パワースライドドアはXグレード以外に標準となります。
2020年のマイナーチェンジではウェルカムパワースライドドア(両側)がX 以外のグレードに標準装備されました。
ウェルカムパワースライドドアは、あらかじめ設定しておくことでスマートキーを持った人が近づくとスライドドアが自動でオープンする機構で、子供を抱いているときや両手に荷物を持っているときなどに非常に助かるものです。なお、クルマに近づくとドアロックが自動的に解除されるウェルカムドアロック解除は全車に標準となります。
装備面で気になるのは革巻きステアリングとなるのはカスタム系のみで、ほかのグレードはウレタンとなるところです。トヨタのウレタンステアリングは感触がよろしくないので、ぜひとも革巻きステアリングが欲しいところです。オプションでは選択不可能なのですが、部品として取り寄せることで3万円程度で装着可能です。
ナビとオーディオは装備されませんが、カスタム系は6スピーカー、G-TとGは4スピーカー、Xは2スピーカーが装備されています。ルーミーにはメーカーオプションのナビは装備されません。メーカーオプションで用意されるのは、ナビ装着を前提としたキットとディスプレイオーディオです。ナビ装着を前提としたキットは下記の2種があります。
1.ナビレディパッケージ:ステアリングスイッチ[オーディオ・ハンズフリー操作]、バックカメラ/3万1900円
2. パノラミックビュー対応ナビレディパッケージ:(ステアリングスイッチ[オーディオ・ハンズフリー操作、パノラミックビューモニター操作])、パノラミックビューモニター/4万8400円、Xは装着不可
上記の2つのパッケージはそのままでは機能せず、ヘッドユニット(モニター付きのディスプレイオーディオやナビなど)が必要になります。メーカーオプションで用意されているのは上記の1もしくは2に9インチのディスプレイオーディオが組み合わされたものです。9インチディスプレイオーディオは、SDL、Apple Car Play、Android Auto対応でAM・FMワイドラジオ、フルセグTV、Bluetooth対応、USB外部端子付きとなります。価格はそれぞれプラス6万6000円で、下記のようになります。
3.ディスプレイオーディオパッケージ:ステアリングスイッチ+バックカメラ+ディスプレイオーディオ/9万9700円
4. パノラミックビューパッケージ:ステアリングスイッチ+パノラミックビューモニター+ディスプレイオーディオ/9万9700円、Xは装着不可
3、4はディスプレイオーディオとなるので、スマホを連動させてナビを使うタイプになります。一般的なナビを装着したい場合はディーラーオプションで選ぶか、後付けでアフターマーケットのものを選ぶかということになります。
ディーラーオプションの場合は1や2との組み合わせも楽ですが価格も高価になります。一方、アフターマーケットの場合は、価格は抑えられますが1や2とのマッチングが可能かどうかはさまざまです。
ネット上には多くの情報がありますので、それらで調査しておいたうえで、取り付けを依頼するショップへ相談するといいでしょう。
ただし、1や2はクルマを注文時する際に一緒に注文しなくてはなりません。1や2とアフターマーケットのナビを組み合わせたい人は、先にナビを装着予定のショップに相談すしないと失敗する可能性があります。つまり、「ルーミーを買って、●●というナビを装着したいのだけど、1や2は何を選べばいいですか?」という相談が必要でしょう。
■おすすめグレード
筆者がおすすめするのはエントリーモデルの1.0X。価格は155万6500円。上級グレードの1.0Gよりも約20万円安いうえに助手席側パワースライドドアやスマートアシストが標準装備されてお買い得だ(写真は1.0G)
さて、おすすめグレードの探求です。まず、降雪地帯で4WDが必要という方はターボ車は選択肢から外れます。しかし、自然吸気エンジンも減速比を低く設定しているため、なかなか力強い走りを可能にしています。もちろん、そのぶんエンジン回転数は高めとなりますが……。一方のターボエンジンですが、使用燃料がレギュラーなので「ターボ車はガソリンがプレミアムで高いからな」という心配は無用です。
タイヤは定期的に交換が必要な消耗品でホイールサイズ(インチ)が大きくなるほど価格が高くなる傾向にあります。国産メジャーブランドの中間グレードタイヤで価格をチェックところ、165/65R14は6600円ですが175/55R15は1万1990円でした。1本で5390円の価格差なので4本交換時は2万1560円の差となります。なのでG-Tカスタムを選ぶと、この程度の価格差を覚悟しなくてはなりません。
ACCが欲しいのであれば、Gカスタムを選ぶのが賢明でしょう。
Gカスタムならば、タイヤも165/65R14でリーズナブルになります。そして買い得感にあふれるのがボトムグレードの1.0Xです。安全装備についてはひととおり装着されていますし、スライドドアも助手席側はパワーとなります。ウェルカムパワースライドドアは欲しいところですが、これらを我慢するとGにくらべて18万7000円も安いのです。ボトムグレードを選んで、いろいろと好きなパーツを装着して楽しむのがこのクラスのいいところではないでしょうか。
ルーミー グレードと価格
■ライバル車と値引き相場
ライバル車のスズキソリオやルーミーの姉妹車を販売するダイハツ店を引き合いに出す例が多い。最大値引き額は上級グレードで約20万円
ルーミーは2020年9月にマイナーチェンジが行われたのでフルモデルチェンジまでは短くても2年、通常のスケジュールで考えるなら3年は継続されるはず。つまりフルモデルチェンジは2023年ころが予想できます。
ルーミーのライバルはスズキのソリオになります。 また、購入時の競合ということなら、ダイハツ・トールやスバル・ジャスティもありでしょう。トヨタディーラーでも運営会社が異なる場合は、トヨタディーラー同士、ルーミー同士がライバルになることもあります。
さらに、すそ野を広げると軽自動車もライバルになります。競合させていくなら、多くの車種で可能となるでしょう。もっとも高いモデルでも200万円程度のクルマなので、値引きは渋いかと思いきや20万円程度の値引き実績も見かけます。競合車をしっかり提示しつつ、時期を見て交渉していくと高額値引きを引き出せる可能性もありそうです。
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