電動化で内燃エンジン版の印象を改善
ガソリンエンジンを搭載するBMW X1は、今ひとつまとまりが良くない。車内空間にはゆとりがあり、インテリアも使い勝手が良く、燃費も悪くない。だが、エンジンは活気に欠け、トランスミッションも滑らかではなく、操縦性には輝きが乏しい。
【画像】ツインモーターで312ps BMW iX1 xドライブ30 競合するBEVのクロスオーバーと比較 全112枚
ミュンヘンのブランドとして、強みがうまく発揮されていないように感じられた。インフォテインメント・システムの操作性も、従来より向上したとはいえないだろう。
それでは、パワートレインが電動になるiX1の仕上がりはどうだろう。BMWは、内燃エンジン・モデルと並行するカタチで、バッテリーEV(BEV)のモデル戦略を進めている。基本的には、X1の兄弟といっていい。
結果からいってしまうと、66.5kWhの駆動用バッテリーと190psの駆動用モーターを2基搭載することで、内燃エンジン版の印象を改善している。運転していて心地イイ。
システム総合での最高出力は312psを誇り、車重が2010kgあるとしても間違いなく速い。実際のところ、シングルモーターでも不足ないと感じるほど。航続距離でも有効になるはずだが、BMWはそれを計画していないようだ。
アクセルペダルの反応も良く、滑らかに加減速できる。回生ブレーキは3段階の強さを選べ、ブレーキペダルを踏まずに発進から停止までまかなえるワンペダル・モードも備わる。可能な限り惰性走行できる、コースティング・モードはない。
航続距離や操舵感など気になる部分も
ツインモーターによる四輪駆動と、知的なトラクション・コントロールで、パワーは漏れなく路面へ伝えられる。リアアクスルを駆動するモーターを積極的に動かすことで、コーナー出口での意欲的な加速も実現している。
ただし、BEVとしての課題もゼロではない。駆動用バッテリーの66.5kWhという容量は、このクラスでは小さめ。航続距離は418kmがうたわれているが、現実的には夏場で340km、冬場で300kmほどになるだろう。
急速充電能力も際立つ数字ではない。アウディQ4 eトロンと同等の130kWを実現しているとはいえ、ジェネシスGV60やボルボC40 リチャージには及ばない。
実際に試してみたところ、充電量40%までは120kWが保たれていたが、それ以降は徐々に速度が低下していく様子だった。短い航続距離をリカバーするほどではないといえる。
ちなみに、ナビゲーションの目的地で急速充電器を指定すると、駆動用バッテリーが予め最適化される。ドライバーが任意で設定することも可能だ。
それ以外のドライビング体験は、内燃エンジン版のX1に準じる。ステアリングホイールは軽く回せるが、反応はやや一貫性が乏しい。手のひらへの情報量も僅かで、自信を抱かせるものとはいいにくい。
ドライブモードをスポーツにすると、ステアリングホイールは適度に重くなる。しかし、乗り心地は硬くなり、傷んだ路面との相性は低下する。アダプティブダンパーは備わるが、ドライブモードによる設定に固定され、個別に調整できないのが惜しい。
居心地の良いインテリアはX1と同じ
少なくとも、ノーマル・モード時の乗り心地は良好。試乗した iX1 xドライブ30 xラインは19インチ・ホイールを履いていたが、別日に試乗した20インチのX1 sドライブ23i M スポーツより快適に感じられた。ガリ傷の心配も減るはず。
インテリアは、基本的にX1と同じで居心地が良い。試乗車はセンサテックと呼ばれる合皮でシートが仕立てられ、グロスブラックの樹脂製トリムで飾られていた。雰囲気は悪くないものの、上級グレードの本皮とアルミ製トリムが生む高級感には届かない。
シートは座り心地に優れ、ドライビングポジションの調整域は広い。体型を問わず、しっくり来る姿勢を取れると思う。遮音性も優れていると感じた。
荷室容量は内燃エンジン版と変わらない。だが、リアシートはスライドしなくなり、足もとの空間を広げることはできない。
ダッシュボードには、実際に押せるハードボタンが殆どない。エアコンの操作系もタッチモニターへ集約され、高評価だったロータリー・コントローラーやショートカットボタンは省かれた。インフォテインメント・システムのメニューは少々わかりにくい。
英国価格は5万2255ポンド(約841万円)から。このクラスのツインモーター版のライバルと比べれば若干安いが、テスラ・モデルYの方が装備は充実している。シングルモーターで航続距離を伸ばし、価格を抑えた仕様も存在して良いと思う。
BMW iX1 xドライブ30 xライン(英国仕様)のスペック
英国価格:5万2255ポンド(約841万円)
全長:4500mm
全幅:1845mm
全高:1642mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:5.6秒
航続距離:418km
電費:5.4km/kW
CO2排出量:−
車両重量:2010kg
パワートレイン:ツイン同期モーター
バッテリー:64.7kWhリチウムイオン(実容量)
急速充電能力:130kW
最高出力:312ps/4300-1万5200rpm
最大トルク:50.2kg-m/0-4900rpm
ギアボックス:1速オートマティック
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