現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 元祖プレミアムSUVの“深化” ──新型BMW X5 xDrive35d試乗記

ここから本文です

元祖プレミアムSUVの“深化” ──新型BMW X5 xDrive35d試乗記

掲載 更新 1
元祖プレミアムSUVの“深化” ──新型BMW X5 xDrive35d試乗記

BMWの大型SUV「X5」のディーゼル・エンジンがマイルドハイブリッド化された。小川フミオがリポートする。

アグレッシブで好印象

“アメリカン・スポーツ”は驚きの進化を遂げた!──新型シボレー・コルベットの大胆な変貌とは?

BMW「X5 xDrive 35d」は、ディーゼルエンジンにマイルド・ハイブリッド・システムを組み合わせたモデルだ。余裕あるサイズと、高性能と、5mになんなんとするサイズに比しての好燃費で、プレミアムサイズのSUVを探しているひとに勧められる出来のよさである。

2021年2月24日にBMW日本法人の手で発売されたX5 xDrive 35d(以下35d)は、2992cc直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンに、48ボルトの高電圧バッテリーを使った電気モーターを組み合わせる。

マイルド・ハイブリッド化の恩恵は、35dの2260kgのボディの重さを感じさせない発進力と、8段オートマチック変速機のシフトアップ時にトルクが落ち込むのをふせぐスムーズな加速として、すぐ体感できるほどだ。

このクルマの魅力は、大きなキドニーグリルに、エアダム一体型バンパーの組合せで、アグレッシブな印象を持つこと。そして運転すると、期待がまったく裏切られない動力性能と操縦性をもっている。

初心者には煩雑な感じもある操作系も、大小にかかわらずBMW車の経験者なら、35dに乗り込んですぐ使いこなせる。機能主義的デザインの本質は(たとえばカメラのように)そうそう変わるものではない、というのがおそらくBMWデザインのコンセプトなのだろう(推測)。

ただし、ちょっと小さなBMW車より素材の“ぜいたく感”はうんと増している。私が気に入ったのは、ちょっとソフトなかけ心地のシートクッションや、滑りにくい素材の選びかた。それと、かなり太いグリップ径を持つステアリング・ホイールが、ドライバ−のやる気をかきたててくれるところだ。

3列シート仕様も選べます

BMWのディーゼル車の例にもれず、3.0リッター直列6気筒ユニットはすばらしいフィールを味わわせてくれる。650Nmもの大トルクを1500rpmという低いエンジン回転域から出し、そのパワフル感がどこまでも続く。さきに触れたとおりで、マイルドハイブリッド化で、そのスムーズな加速感がさらに強くなった。

あっというまに高速域に達してしまうのに加え、すこし硬めのサスペンションシステムが走りをしっかり支えるので、速度域にかかわらず快適性がそこなわれることはない。

市街地における30km/hの走行でも、高速道路での上限速度の巡航でも、そしてワインディングロードでも、反応のいい操縦性とともに、楽しめるクルマに仕上がっているのだ。上級の「X7」も操縦性の高いクルマであり、つくづくBMWは大型SUVを作るのがうまい、と感心させられる。

35dのもうひとつのアピーリングポイントが、3列シートをオプションで選べる点だ。主市場のひとつ、米国市場では全長5m程度のSUVの顧客は、おおぜいの子どもたちを載せられる機能を求めるからだ。

ただし、2列シートを倒すのは電動ではあるもののやや手間だし、3列目は足元にスペースが不足しているので、35dの3列目シートに大人が乗るのはちょっと辛い。2列目だけで事足りるひとなら、この38万円のオプションは不要であると思う。

とはいえ、あればあったで便利かもしれないし、3列目シート用のカップホルダーやエアコン吹き出し口もある。3列目シートの格納はワンタッチ(手動)で、床下に格納すれば広大なラゲッジルームがひろがる。ライバルのメルセデス・ベンツ「GLE」が、全グレード3列目シートが標準であるのに対し、X5はオプションとしてユーザーに選択の幅を与えているのは良心的だ。

良好な燃費

個人的には3列目のシートより、電動パノラマ・ガラス・サンルーフ(26万円)や後席サイドウィンドウ用ローラーブラインド(4万1000円)、それにハーマン/カードンのサラウンド・サウンド・システム(6万9000円)といったオプションを選びたい。

室内の静粛性はかなり高いので、ハーマン/カードンのハイファイもよく合う。再生を得意とする音楽の守備範囲は広いようで、弦楽もピアノ曲もむかしのジャズもロックも、それにヒップホップも充分に楽しめる。35dの室内は、いい音楽に合う、快適な空間なのだ。

燃費はリッターあたり12.4km/L(WLTCモード)なので、ボディサイズとエンジン排気量からすれば、けっして悪くないし、遠出にもうってつけのモデルといえる。実際、東京~箱根を往復した約180kmの道のりの燃費は11.6km/Lだった。

いまのX5シリーズは、冒頭にも書いたように、フロントマスクがアグレッシブなデザインで、かつ、実際の走りもスポーツカーなみに速い。とはいえ、路上で他車を蹴散らすように走るのでなく、あくまでもジェントルに振る舞ってこそ、945万円のプレミアムSUVを乗るのにふさわしい”おとな”であると思う。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
AUTOCAR JAPAN
BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、SUV版のテスト車両を生産開始
BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」、SUV版のテスト車両を生産開始
レスポンス
排気量アップで140馬力!? 軽枠超えのコペンが本気すぎ
排気量アップで140馬力!? 軽枠超えのコペンが本気すぎ
ベストカーWeb
[2000年]代[軽スポーツ]に注目!? 流通量豊富なスズキ[アルトターボRS]に中古で乗る!!
[2000年]代[軽スポーツ]に注目!? 流通量豊富なスズキ[アルトターボRS]に中古で乗る!!
ベストカーWeb
旧車ベンツW111型「220SE」をデイリーに楽しむ!「羽根ベン」と呼ばれる理由は当時の米国の流行に乗ったデザインにありました
旧車ベンツW111型「220SE」をデイリーに楽しむ!「羽根ベン」と呼ばれる理由は当時の米国の流行に乗ったデザインにありました
Auto Messe Web
交換のたびに「ちょっと余る」エンジンオイル! コツコツためて使っても問題ない?
交換のたびに「ちょっと余る」エンジンオイル! コツコツためて使っても問題ない?
WEB CARTOP
【F1メカ解説】レッドブルがラスベガスで見せた”荒療治”。大きすぎた空気抵抗に対処すべく、サーキットでリヤウイングを削る苦肉の策
【F1メカ解説】レッドブルがラスベガスで見せた”荒療治”。大きすぎた空気抵抗に対処すべく、サーキットでリヤウイングを削る苦肉の策
motorsport.com 日本版
ライダーを重視した先進装備を多数搭載。新型『トライアンフ・タイガースポーツ660』発表
ライダーを重視した先進装備を多数搭載。新型『トライアンフ・タイガースポーツ660』発表
AUTOSPORT web
F1メディア委員会、故意のフェイクニュースの監視と取り締まりを検討
F1メディア委員会、故意のフェイクニュースの監視と取り締まりを検討
AUTOSPORT web
アルパイン2025年モデル発表 車種専用モデルさらに拡充 ナビもディスプレイオーディオも充実
アルパイン2025年モデル発表 車種専用モデルさらに拡充 ナビもディスプレイオーディオも充実
AUTOCAR JAPAN
「6リッターV12エンジンで6段MT」乗れるのは2人!?  衝撃の激レア英国車デビュー!
「6リッターV12エンジンで6段MT」乗れるのは2人!? 衝撃の激レア英国車デビュー!
乗りものニュース
トヨタの「超凄いヤリス」登場! 1.6L直列3気筒ターボ搭載!? 公道でアクセル“ベタ踏み”!? 爆速で駆け抜けるRally2の現状は
トヨタの「超凄いヤリス」登場! 1.6L直列3気筒ターボ搭載!? 公道でアクセル“ベタ踏み”!? 爆速で駆け抜けるRally2の現状は
くるまのニュース
[15秒でニュース]アウディ『R8』生産終了…17年の歴史に幕を下ろす
[15秒でニュース]アウディ『R8』生産終了…17年の歴史に幕を下ろす
レスポンス
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
ヒョンデ、新型高級SUV「アイオニック9」でレンジローバーに対抗 過去最大のEVがデビュー
AUTOCAR JAPAN
勝田貴元選手は甘口派!! 好きなトッピングが衝撃!! モリゾウさんもカレー大好きだった件
勝田貴元選手は甘口派!! 好きなトッピングが衝撃!! モリゾウさんもカレー大好きだった件
ベストカーWeb
トヨタ新型「“4WD”スポーツカー」初公開! “現代版セリカ”な「2ドアクーペ」! 「旧車デザイン」&300馬力「ターボエンジン」採用の「GR86」米に登場
トヨタ新型「“4WD”スポーツカー」初公開! “現代版セリカ”な「2ドアクーペ」! 「旧車デザイン」&300馬力「ターボエンジン」採用の「GR86」米に登場
くるまのニュース
「金田のバイク」でおなじみのSFアニメ「AKIRA」 11月30日にトムス・エンタテインメントが無料配信
「金田のバイク」でおなじみのSFアニメ「AKIRA」 11月30日にトムス・エンタテインメントが無料配信
バイクのニュース
ジャガーが3年前に開発中止した大型SUV「Jペイス」 全長5m強のプロトタイプ、画像で明らかに
ジャガーが3年前に開発中止した大型SUV「Jペイス」 全長5m強のプロトタイプ、画像で明らかに
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1290.01534.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.81258.0万円

中古車を検索
X5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1290.01534.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.81258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村