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プラモデルはやっぱり面白い」 Vol. 16 ジャガー Part 1

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プラモデルはやっぱり面白い」 Vol. 16 ジャガー Part 1

ジャガーが創業時から高い人気を博す理由は、「美しいデザイン・高性能・○○○」であった。

今日でも英国を代表する高級車メーカーといえば、ジャガーが思い浮かぶ。高性能で美しいボディーデザイン、豪華なインテリアなどが多くの方を魅了しているからだ。しかし、人気を集めるもう一つ大きなポイントがあるのだが、それはおいおい後述していく事としよう。

「プラモデルはやっぱり面白い」Vol. 15 スバル360 Part 2

ご存知の方も多いであろうが、ジャガーの出発点はウイリアム・ライオンズとウイリアム・ウォームズリーが1921年に創業した「スワロー」というサイドカーを製造する企業であった(翌年「スワロー・サイドカー・カンパニー」として法人設立)。

業績は順調に推移して1931年には初の四輪車である「SS1」と「SS2」を発表し、自動車メーカーへの転身に成功した。両車ともに美しいデザイン、またライバル車と比較しての低価格設定は市場に受け入れられた。そして後にも「美しいフォルム」と「低価格」がジャガーの特長となるのである。

「ジャガー SS100」トミー製 1/24 1982年9月発売

業績は軌道にのり、1933年には会社名を「SSカーズLtd.」に改称した。翌年に新型サルーン「ジャガー」を発表し、1936年にはそのスポーツカー版として「SS 100」が発表されたのである。

車名の由来はマイル表示での最高速度(161km)から取ったのだが、実際には151kmと僅かに届かなかった。しかし当時のスポーツカーとしてはトップクラスの高性能を発揮した(後に排気量を2663ccから3495ccに拡大後には100mph、つまり161km/hを達成した)。

「ジャガーSS 100」のプラモデルキットは当初、トミーから発売された。その後、ハセガワから再販されたが内容は全く同一である(ただしハセガワでは商品名を「ジャグヮーSS 100」としている)。

発売当時としては珍しいマルチマテリアルキットで、エンジン、シャーシ、フロント及びリアクスルは亜鉛ダイキャスト製であり、スポークホイールはステンレス製のエッチングパーツで、どちらかというと上級者向けキットであった。

今回の製作にあたっては折角のシャーシ周辺のメタルパーツを活かすべくカラー塗装せずに、スティックヤスリで磨いた後にクリヤー塗装するに止めた。またライトレンズ上のガードやライト支柱もメタルパーツで再現されているので、プラスチックパーツでは再現不能な精密さである。完成後、手にすると小さな車体にも関わらず、ズシリと感じられるのもなかなか良いものだ。

製作開始時には多少の作りづらさを覚悟したが、パーツ成型は良好で総数も99点に抑えられている。また組立説明書が非常に親切に書かれていて、特にメタルパーツの取り扱いが分かりやすい。

また英国紳士風のフィギュアが付属しているが、40年以上前のキットの出来とは思えないほどに良くできている(他社のそれを凌駕している)。スケールカーキットに付属するフィギュアは運転中のポージングが常であるが、葉巻を片手にしてリラックスした立ち姿はSS100にマッチしている。

残念ながらキットは絶版中であるが、ネットなどで根気よく探すと4,000円前後で発見出来ると思う。メタルパーツの取り扱いに慣れていない方には、特にお勧めしたい。

製作のポイント

「ジャガー XK120」アオシマ製 1/24 1994年8月発売

第二次世界大戦後の1945年に「SSカーズLtd.」は「ジャガーカーズLtd.」へと社名変更を行なった。SSが敵国であったナチスドイツ親衛隊のSSを連想させたからである。

社名変更後も暫くは戦前直前のモデルを販売していたが、ついに戦後初のニューモデルとして「マークV」(サルーン)と「XK120」が発表された。XK120はSS100の後継車であったが、高性能ぶりは遥かにSS100のそれを凌駕していた。

搭載されたエンジンはOHVからDOHCに進化し、最高出力は125HPから160HPとなり「XKエンジン」と呼ばれた。また最高速度は120mph(193km)を超えたことから、このスポーツカーは「XK120」とネーミングされた。

1948年に登場したXK120はこのように高性能、美しいデザイン、リーズナブルな価格設定はヨーロッパ諸国だけでなくアメリカでの評価も高まった。

さて肝心なプラモデルキットであるが、オリジナルキットはモノグラム(米国)が1979年頃にメタルボディで発売。後にドイツレベルがプラスチックボディで再販したものを1994年アオシマが発売した。

約四半世紀前のキットだけあって、製作にあたってはなかなか苦労させられた。組立説明図にも「いきなり接着せずに仮組みしてから組み立てて下さい。」と注意書きがある。

箱を開けてボディに目を向けると、これでもかという程のパーティングラインがある。

美しいボディが特長であるので、ここは丁寧にアートナイフやサンドペーパーでパーティングラインを消去したい。綺麗に整形出来たらボディカラーを選択するわけだが、今回はアイボリーホワイトとした。上品な雰囲気を出せるカラーと思えたからだ。

このキットはストリート仕様かレース仕様にするかの選択が可能である。本作はレース仕様を選んだ。小さなレーシングスクリーンが堪らなく格好良く思えるのだ。以前からこの小さなレーシングスクリーンのスケールカーを製作したかったのだが、やっと製作する機会に出会えた。

タイヤにはホワイトリボンが再現されており、1940年代の自動車の雰囲気を醸し出している。

エンジンフードの成型が多少狂っているようなので、手直しする必要があるなどの努力が必要となる。しかしそれらの苦労は完成後の美しいボディを鑑賞することで報われるのだ。

素晴らしいキットなので、次はストリート仕様に挑戦したいと思う。

なお本キットは絶版中であるが、ネットなどで探すと5,000円程度で見つけられる。

ここまでお読み頂き大変に恐縮ですが、Part1はこれにて終了です。Part2では、その後の歴代ジャガー(マークII、Eタイプ、XJ220)を紹介するのでご期待下さい。

Text & photo: 桐生 呂目男

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みんなのコメント

1件
  • 葛葉恭次
    ガチなひとだからこそ、たまにはミニ四駆とかも見てみたい。

    走らせない用をKeeper並みにテカテカに塗装したガチモデラーの作品とかも実際あるし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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