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トヨタ、チームオーダーは“とりあえず、なし”。「自信を持って臨みたい」と小林可夢偉代表/WEC富士

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トヨタ、チームオーダーは“とりあえず、なし”。「自信を持って臨みたい」と小林可夢偉代表/WEC富士

 フェラーリ、ポルシェ、キャデラックなど、今季は新たな競合を迎え打ちWEC世界耐久選手権を戦ってきたトヨタGAZOO Racingが、いよいよホームグラウンドへ。富士スピードウェイで開催される2023年第6戦『6 HOURS OF FUJI 2023』を前に、前戦イタリアでポール・トゥ・ウインを決めている"チーム代表"小林可夢偉が、週末に向けた抱負を語った。

■懸念はタイヤ摩耗

ケビン・エストーレがGen3フォード・マスタングをドライブ『すべてが初で大変だった』/RSC

 今季のル・マン覇者として凱旋した跳ね馬の地元ラウンドでもあった第5戦モンツァでは、予選から7号車のアタッカーを担当した可夢偉が50号車フェラーリ499Pを抑え最高位グリッドを獲得。そのまま6時間の決勝でもフィニッシングドライバーを務めてトップチェッカーを受け、今季3勝目を飾った。

 その勢いを持ち込みたい母国戦を前に「富士に関しては僕らの方がサーキットを知っていると思うから」と改めて強調するとともに、地の利もしっかりと活かせれば「良い勝負はできるんじゃないか」と意気込む可夢偉。

「モンツァはモンツァで良かったと思うし、この週末に向けては力をしっかり出し切れば、良い戦いはできるんじゃないかなというふうには思っています」

 自身は7月初旬以降、WECとスーパーフォーミュラに加えて北米でのNASCAR初挑戦もあり「他の仕事が多くてヨーロッパに戻る時間がなく、実際はシミュレーターにも乗れずにここへ来た」と明かすが、勝手知ったる富士だけに、金曜走り出し以降の懸念点も口にする。

「タイヤのウェア(摩耗)に関しては、結構リヤはキツいような気もするし。本当にクルマをどう転がすかで、そこは大きく(変化して)、ヒドくなる可能性もある。そんな気がしますね」

「モンツァなどは結構μ(ミュー)が低いので、ああいうところは逆にオーバーヒートが問題なんですが、こちらは本当にウェアの方が心配なところがある。でも正直、走ってから『どうなるかな』っていうのは考えないといけない。そうなったときに『どうするべきか』というのもなんとなく経験はあるので、そこはしっかり使っていきたいなと思います」

 自身がドライブする7号車GR010ハイブリッドは、ここまで勝利を挙げた開幕セブリングと第3戦スパ・フランコルシャンでは、いずれも僚友8号車とのワン・ツーを飾っていたが、前戦での8号車は最終的に4位まで挽回しながら「技術規則およびBoP(性能調整)で定められたパワートレインからの最大放出パワーを超過した」として、最終的に「レースタイムに50秒加算」との裁定で6位降格となった。

 最終戦バーレーンを含む終盤2戦に向け、ドライバーズ・チャンピオンシップのランキング首位を行く8号車との“立ち位置”に関しても「これがまた難しいところかな、というのが本音なんですが(苦笑)」としつつ、この週末は正面から戦うことも可夢偉は示唆した。

「正直、前回のレースではそういう予定(7号車がサポートに回る)だったんですが、8号車がああいう結果になり。結局、ランキングのポイント的にはまた僅差というか、射程圏内に入った。僕らの中ではそれぞれがサポートというよりも、良いレースをしたいので。週末は7号車も8号車もチームオーダー的なものはなく、とりあえずは行きたいなと思ってます」

 その前戦からはモンツァ、富士、バーレーンを対象とした後半3戦のハイパーカーBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)が適用されているが、同じくロングストレートを持つ富士における競合との力関係と、その相対的戦力差については「正直言うと、わからない部分はある」とも明かす。

「モンツァでああいう感じだったので、多分そんなに悪くはないと思うんですが、ただやはり現場に来てからじゃないと見えない部分もある。そのBoPもすごく大差のモノでもなく本当に僅差なので、最後に持ち込んできてどうかっていうところはある」と続けた可夢偉。

 明日金曜は午前11時から、週末に向け重要な見極めとなる最初の走行セッションを迎えるが、予報では台風直撃の空模様も予想される。それだけに「この富士では雨の量が多ければ走れる状態じゃないし、そこは僕らもよく知っている。だからこそ雨は『降るな』っていうのが本音です」と明かしつつ、日曜に向け着実に歩を進める構えだ。

「天気が悪いので、そこも含めてチーム力というところは重要なのかな、と思ってます。やはり耐久レースなので、そこは本当にどんな状況でも『強いチーム』っていうのを日本のファンの前で、走りで見せられたらなぁと思います。ネガティブに捉えることなく、自分たちがやってきた準備が『良い』と思ってここへ来ているので、自信を持って臨みたいと思っています」

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