「無余地場所違反」規定の実態
道路交通法には「無余地場所違反」という規定がある。
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これは駐車違反の一種で、道路交通法第45条第2項に基づいている。この条文では、「車両の右側に3.5メートル以上の余地がない場所で駐車してはいけない」と定められている。
つまり、駐車禁止の標識がなくても、車両の右側に3.5mの余地がない場所で駐車すれば違反になるということだ。
日本の乗用車の幅はだいたい1.7~1.8mで、最近は2m近い車両も増えているが、3.5mの余地があれば通行に支障はないだろう。
法律を守っていれば、街に迷惑駐車は存在しないはずだ。しかし、すべての迷惑駐車が法律違反に当たるわけではない。
なぜそうなるのか、疑問が残る。
「3.5mルール」の解釈誤解
重要なのは、駐車する際に十分な余地を残しているかどうかではなく、
「その道路自体に十分な余地があるかどうか」
だ。例えば、車道の左端にギリギリで駐車し、右側に3.5mの余地が残る場合、この道路は駐車に十分な余地を持っていると見なされる。しかし、同じ道路で左端ギリギリに駐車しなかった場合はどうなるだろうか。
この場合、右側に3.5mの余地が確保されていないことになるが、それが無余地場所違反に該当するかというと、必ずしもそうではない。なぜなら、駐車した車両の左側の余地も考慮され、
「合わせて3.5mの余地」
があれば無余地場所違反とはならないからだ。つまり、その道路自体は無余地場所ではないと判断されることになる。
このような状況に対しては、モヤモヤ感を感じることもあるが、法律で定められている以上、仕方がない。実際、
「もっと左に寄せて止めてくれれば通れるのに……」
というイライラが生じることもあるが、それでも無余地場所違反には該当しないのだ。
路側帯規則で変わる駐車ルール
駐車違反には、一般的に知られていない“謎ルール”がいくつか存在する。
そのひとつが駐車方法に関するもので、道路の左端にできるだけ沿って駐車し、他の交通の妨げにならないようにしなければならないというものだ。一見すると問題なさそうに思えるが、路側帯のある道路では状況が複雑になる。
路側帯が0.75m以下の場合、路側帯に沿って駐車する必要がある。しかし、路側帯が0.75m以上の場合は、路側帯に入り、道路の端から0.75mの余地を空けて駐車しなければならない。さらに、路側帯の幅が0.75m以上で車両がすっぽりと路側帯に入る場合には、車両の右側を路側帯に沿って駐車しなければならない。
つまり、路側帯が0.75m以上ある場合、道路の端から0.75mの余地を空けて駐車する必要があり、その結果として駐車車両が路側帯の中央に止められることもある。この場合、
「道路の左端に寄せて止めた方がいい」
と考え、0.75mの余地を空けずに駐車すると、逆に駐車違反となる可能性がある。
結局、路側帯がある道路では、0.75mの余地を空けた上で、駐車車両の左右合わせて3.5mの余地が確保されているかどうかがポイントとなる。狭い道路では、駐車位置が中央寄りになることも避けられない。
路上駐車の危険性、89%が実感
駐車違反に関するルールは複雑で、特に「0.75m空ける」という規定には意図がある。このルールは、路側帯を通る歩行者が車道に出ることなく通行できるようにとの配慮から来ているようだ。
しかし、実際に駐車車両と道路の端との間に0.75mの隙間があった場合、その幅を通行できるかどうかは疑問だ。例えば、買い物袋などを持っていると通行はさらに難しくなることが多い。その結果、道路の中央寄りに止められた車両の右側を歩く羽目になることも考えられる。
パーク24(東京都品川区)が実施した「路上駐車」に関する意識調査によると、「車を運転していて、路上駐車が原因で危ないと思ったことはありますか?」という質問に対し、
「89%」
が「ある」と回答した。また、警察庁交通局のデータによると、駐車車両に起因する交通事故は1499件発生し、そのうち28人が命を落としている。
これらの結果から、路上駐車が危険な状況を引き起こす可能性が高いことは明らかだ。しかし、全国の道路を駐車禁止にしても、問題の解決にはつながらないだろう。
駐車違反に関する複雑なルールは理解できるが、実際の道路状況に即しているかどうかは疑問が残る。“謎ルール”に従って駐車違反を避けようとするあまり、それが逆に迷惑駐車を引き起こし、最終的に事故を招く可能性もある。
道交法が制定されてから60年以上が経過した現在、道路事情や交通社会は大きく変化している。これにともない、社会に即したルールの見直しが必要だといえるだろう。
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みんなのコメント
配送の荷下ろしや工事の関係での駐車にはも少し優しい扱いがされても良いのでは無いかと思う。
特にタワマンなどの場合にはタワマンに配送や営繕工事用の駐車スペースの設置を義務付けるべきと思う。
道交法45条2項
「車両は、第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。」
『当該車両の右側の道路上』と書いてあるので、当該車両の左側の余地は合算されません。
左右の余地を合わせて3.5mという法的根拠も記事には示されていません。記者の勝手な『謎解釈』ではないでしょうか。