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祝ロータリー復活もなぜMX-30に……CX-5やマツダ2に搭載の可能性はなかったの?

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祝ロータリー復活もなぜMX-30に……CX-5やマツダ2に搭載の可能性はなかったの?

 MX-30にロータリーモデルがまもなく登場する!! RX-7や8などなど、スポーツカーに是非とも採用してほしかったけど、なんでMX-30なのか!? 憧れたロータリーエンジンはこれからどうなる!?

文;永田恵一/写真;マツダ

祝ロータリー復活もなぜMX-30に……CX-5やマツダ2に搭載の可能性はなかったの?

■レンジエクステンダーでなくプラグインを名乗るワケって?

既存モデルとの違いはエンブレム程度と最小限の変更。ボディ右側に給電口が装備される

 以前から注目されていたマツダMX-30にロータリーエンジンを発電用として搭載した「eスカイアクティブR-EV」がブリュッセルモーターショーで発表された。

 MX-30eスカイアクティブR-EVは、日本では詳細があまり発表されていないが、欧州では価格まで明らかに。ここではスペックを中心にMX-30eスカイアクティブR-EVを紹介しながら、現時点での印象やロータリーエンジン+ハイブリッドの今後を展望していく。

 まず、MX-30のロータリーエンジン+ハイブリッドは発表前、電気自動車の航続距離を延ばすためのレンジエクステンダー付きと言われていた。だがMX-30eスカイアクティブR-EVは、普段乗りは電気自動車、遠出の時はハイブリッドカーとして使えるプラグインハイブリッドである。

 ちなみにレンジエクステンダーの冠するにはルールがあり、航続距離が電気自動車としての航続距離以下でなければならないと定義されているケースもあるため、プラグインハイブリッドとなったという。

■e-POWERに近い仕上がりに!! 燃費は期待薄か?

イメージとしては日産e-POWERに近い構造となる。ロータリーエンジンそのもので駆動はしない仕組みに

 最大の注目となる新開発されたロータリーエンジンは8C型と命名された830ccの1ローター(日本の自動車税だと1.2リッター相当)となる。

 8C型ロータリーエンジンの成り立ちは排気量や直噴化、ハウジング(おにぎり型のローターが入るケース)のアルミ化など、RX-7やRX-8に搭載された2ローターの13B型の後継エンジンとして2000年代後半から開発されていた16X型を1ローターとしたものと思われる。なお、最高出力は75馬力と、日産ノートe-POWERが搭載する1.2リッター3気筒の82馬力に近い。

 ハイブリッドのタイプは冒頭に書いたように使うシリーズハイブリッドだ。ロータリーエンジンを発電用として使うというのは「ロータリーエンジンを楽しみたい」という趣味性を別にすれば、「モーターのよう」とよく形容される静かさやスムースさを考えると納得である。

 なお、欧州のマツダのホームページを見ると「ロータリーエンジンでタイヤを直接駆動しない」という表記があり、シリーズハイブリッドのなかでもホンダの2モータータイプや三菱アウトランダーのようなエンジン直結モード付ではない、日産のe-POWER同様のタイプである。

タイヤを駆動するモーターは170馬力と、MX-30の電気自動車の145馬力に対し強力になっており、最高速は電気自動車仕様同様の140km/hだ。なお、車重は一例で1778kgと電気自動車仕様に対し100kg以上重い。

 電気自動車としての航続距離は85kmと、17.8kWhのバッテリー搭載量を考えると標準的だ。気になるハイブリッドカーとしての燃費はイギリス仕様のWLTPモード燃費は13.2km/L(総合値)となる。

 燃費自体は絶対値、CAFÉ(企業別平均燃費規制)対応として見ると、「うーん」というのが率直な印象だ。筆者はRX-8に乗っていたが、カタログ発表で9~10km/L、実用で8km/L、100km/h以下の大人しい巡航でやっと10km/L走り、喜んでいた記憶がある。

 このことを思うと、ロータリーエンジンの燃費の劇的な改善や「ロータリーエンジンは効率のいい回転域で使うと、燃費が悪くない」という特徴が発電用として使うことで生かされているのはよく分かる。

■EVモデルと同じ450万円程度か!? そもそもMX-30が選ばれたワケって?

販売面を考えると同じプラットフォームのCX-30に搭載するのがより訴求力があったようにも思えるが……

 最後に価格は、ベルギーで電気自動車仕様と同じ3万636ユーロ(約426万円)からと発表されており、日本仕様のeスカイアクティブR-EVも電気自動車仕様と同様となりそうだ。

 用途はともかくとして、ロータリーエンジンの復活は元喜ばしく、その乗り味は非常に興味深い。ただ、惜しかったというか微妙なのが、eスカイアクティブR-EVの搭載車がMX-30ということだ。

 これはMX-30自体が1車種にマイルドハイブリッドにはじまり、EV、eスカイアクティブR-EVを搭載するというマツダにとって実験車的なモデルなだけに、それまでと言えばそれまでではある。

 しかしMX-30は個性的なモデルだが、広いクルマでないのに加え、RX-8同様の観音ドアの使い勝手もいろいろな面で微妙など、全体的に非常に分かりにくいモデルなのは否めない。

 結果、2022年におけるMX-30の販売台数はマイルドハイブリッドが1450台(2020年10月登場時の月間販売計画1000台)、電気自動車仕様41台(2021年1月登場時の年間販売計画500台)と壊滅的だ。

 それだけにロータリーエンジン+ハイブリッドへの興味はそれとしても、MX-30eスカイアクティブR-EVは400万円台中盤と予想される価格も含め、売れる=普遍性があるとは思えない。

■新型マツダ2もロータリー!? CX-5に搭載する可能性も

今後おそらくコンパクトモデルにロータリーエンジンを。大型車にはCX=60のようにPHEVをラインアップさせるのが濃厚

 この点を考えると、登場から6年経過も堅実に売れているCX-5。あるいはCX-30に載せればよかったのに……という人は多いに違いない。

 だが、今後バッテリー搭載量を減らした通常のハイブリッドを含めeスカイアクティブR-EVがCX-5やCX-30に加わる可能性は十分あるだろう。また、ベストカー本誌を見ると、「次期マツダ2に通常のハイブリッドとしたeスカイアクティブR-EVが載る」という情報もあり、コンパクトカーのマツダ2ではeスカイアクティブR-EVの小ささが生きそうだ。

 総合すると、eスカイアクティブR-EVは今後の展開や発展、コストダウンなど、楽しみな面も多い。

 また、これは夢物語かもしれないが、eスカイアクティブR-EV成功の暁には8Cを2ローターにした16C(仮)を搭載したスポーツカーへの搭載、つまりRX-7やRX-8の復活も期待したい!

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みんなのコメント

49件
  • 量販車種のCX-5やマツダ2に搭載するにはリスクが大き過ぎる、
    先ずは、売れていないMX-30に搭載しての様子見だと思う、
    燃費も良く無いし、おそらく数十台の販売台数に留まりそう。
  • メリットは軽量、高出力
    デメリットは悪燃費、シール摩耗による短寿命
    デメリットが無ければ夢のエンジンだった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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