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ジープ コンパス試乗レポート アメ車から脱却したグローバル戦略車は高級感のあるSUV

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ジープ コンパス試乗レポート アメ車から脱却したグローバル戦略車は高級感のあるSUV

ジープ コンパスの2代目がデビューした。ジープブランドのスモールSUV「レネゲード」とミッドサイズSUVの「チェロキー」の中間にあたるサイズで、プラットフォームも刷新。新世代のスモールワイド4×4アーキテクチャーに変更され、初代コンパスから大きく変貌してデビューした。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

■SUV専門ブランドのジープ

今マツダに何が起きているのか? ブランド価値を大きくアップグレードするのは間違いない

ジープブランドはSUV専門ブランドで、米国のみならずグローバルで販売される世界戦略車に位置づけされている。そのため生産工場も4か所あり、ブラジルのペルナンブーコ工場は中南米向けが生産され、メキシコ・トルーカ工場は北米および左ハンドル地域向けが生産されている。そして中国・広州工場は中国専用として生産され、日本にはインドのランジャンガアン工場で生産されたモデルが輸入される。これら4工場から出荷されるコンパスは100か国の国と地域で販売され、パワートレーンの組み合わせも各国の事情に合わせ17通りものセットアップが可能だという。

また、FCAのインド工場は、最先端の設備を持つ工場で150億円の投資が行なわれている。そして、この4工場で生産されるコンパスのうち、もっとも生産クオリティが高いのがインド工場製だという。

国内に導入される2代目ジープ コンパスは、FFと4WDでエンジンは2.4Lのガソリンエンジンのみ。トランスミッションはFFにはアイシン製の6速ATを搭載。4WDにはZF製の9速ATが組み合わされる。ボディサイズは、全長4400mm×全幅1810mm×全高1640mmでホイールベースは2635mmだ。

グレード展開ではFFがエントリーグレードで「スポーツ」。その上級グレードに位置するのが「Longitude」。そしてトップグレードのみ4WDで「Limited」の3グレードが設定されている。また、中間グレードのロンギチュードにはルーフをブラックアウトしたツートーンカラーを採用し、洗練されたアーバンライクな印象の設定にしている。

FCAジャパンの商品企画担当渡辺氏によると、ジープ コンパスはハードなタフネスさも持ちながら都会的な洗練さを持ち合わせているのが2代目の特徴であり、そのため、アメリカではこのツートーン仕様はトップグレードのリミテッドのオプションとして設定されているものだという。国内では、戦略的な価格設定をし、そしてFFということもあり、国産車からの乗り換えユーザー、初の輸入車購入層もターゲットとしている。そのため、このロンギチュードは洗練された印象となるオシャレなエクステリアとして設定したと説明している。

また、トップグレードのリミテッドは4WDだが、オンデマンド式で路面状況によってFFにもなる駆動配分を可能としている。こちらはレネゲードと共通の4WDシステムで、セレクテレインシステムで、auto 、snow、sand、 mudの4つの走行モードが選択できる。そしてオートモードを選択したときに、FFと4WDが自動で切り替わる仕組みとなっている。

■市場概況

国内でのSUV人気は毎年上昇し、販売台数も各セグメントで伸びを示している。特に2013年あたりからコンパスがポジションするコンパクトセグメントが最もボリュームがあり、その傾向は今後も続くと予測している。そしてFCAジャパンとしては2009年に対し10倍の販売台数の伸びをしている成長著しい企業でもある。その手法のひとつは、販売店の整理で、フィアット、アルファ・ロメオ、アバルト、ジープとブランドを整理し、そして販売店もブランド専門店化する方向で調整している。

このジープの販売店も新しいCIを採用し、順次変更していくとしている。そしてなによりも大きいのは販売店数の拡大だ。2010年の国内52店舗から、1.7倍になる76店舗にまで増え、さらに拡大は進行中だという。こうしたFCAジャパンの努力もあり、これまで大都市でしか買えないブランドだったものが、全国規模での販売が可能になったとみてもいいだろう。

そして、国内でもっとも競争の激しいコンパクトセグメント、Cセグメントを中心としたマーケットにこのコンパスを投入するにあたり、前述したように、国産車からの初輸入車購入組が手を出しやすい価格設定にして投入したわけだ。

車両価格をみると、エントリーグレードのスポーツが323万円、中間のロンギチュードが351万円、そしてトップグレードのリミテッドが419万円という価格。ちなみに、国内導入を記念したローンチエディションとしてリミテッドをベースに、パノラミックサンルーフとパワーテールゲートを標準装備したモデルをリミテッドに+10万円の429万円で限定100台販売する。これらの装備は+27万円ということで、お買い得感のある限定車だ。これが2017年12月2日から発売される。

■試乗レポート

この新型コンパスは、ドイツ・プレミアムとは一線を画し、それでいてプレミアム感のあるというポジションだ。都会派のアーバンスタイルから、アプローチアングル17度、デパーチャーアングル32度というクロカン性能も持ち合わせている新しい価値観としてのニューコンパスという位置づけだ。

試乗モデルはリミテッドとロンギチュードで4WDとFF。エクステリアは、ジープの伝統的な7スロット・グリルを現代風にアレンジし、ヘッドライトデザインも含めカッコいいと思う。特にバンパー下部がブラックアウトされていて引き締まった印象を受ける。

ホイールアーチはジープ伝統の台形デザインをモチーフにし、フェンダーアーチが黒く、クロカンの印象も残したデザインになっている。

走り出すと、まず驚くのはアメ車感が全くないことだ。これは、かつてのファンからすれば期待外れになるかもしれない。が、しかし、冒頭で触れたようにグローバル戦略車という位置づけからすると、当然の性能方向転換だと言えるだろう。

その乗り味、ハンドル操舵のフィーリングなど、まんま欧州車だ。試乗車の走行距離がどちらのグレードも300km程度だったので、ダンパーの動きが渋く、まだフリクションが残っている状態のため、コメントしづらい。特に微低速でのダンパーの動きはフリクションが強く、このあたりは馴染んできた状態とは大きくかわるのではないか?と想像できる。だが、サスペンションは引き締まった方向で、しっかり感のあるサスペンションなのは間違いない。

リミテッドはレザーシートで、このフリクションの強いダンパーのため、乗り心地が硬い。このあと乗る中間グレードのロンギチュードはファブリックだったが、こちらのほうが乗り心地はよかった。つまりシート座面表皮のハリの影響もあったと思う。それほど、ラインオフしたばかりのでき立てほやほやを試乗したということだ。

インテリアは高級感があり、やはり欧州車の雰囲気がある。従来、樹脂、プラスティックを多用していた部位にもソフトタッチの素材に変更されていて、高級と感じる。ステアリングはやや太めでレザーを採用し、随所にピアノブラックを使うなど演出も好ましい。

ひとつ気になったのは、ドライビングポジションだ。コンパスはキャビンフォワードしている設計のため、ペダル位置が手前に感じる。シートポジションは悪くないが、足の角度がややつくので、若干の違和感を持つかもしれない。が、マイカーとなればすぐに慣れてしまうものなので、取り立てて気にするレベルでもないのかもしれない。

最後に、ちょっとマニアな視点かもしれないが、組み立て精度の高さが好印象だったことを伝えたい。冒頭でもインド工場での生産クオリティが高いと書いたが、例えば、パネルとパネルの隙間が狭いことや、チリの合わせもバッチリと揃っている点、インテリアのダッシュッボードの組み付けにおける隙間の少なさなど、セグメントトップの精度の高さだと思う。

■価格

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