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新型ルノー・カングー日本上陸──日本の声がフランスを変えた!

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新型ルノー・カングー日本上陸──日本の声がフランスを変えた!

10月16日におこなわれた「ルノー カングー ジャンボリー2022」で、新型カングーの日本仕様が披露された。実車を見た自動車評論家、今尾直樹のレポートを綴る。

新型はちゃんとカングーだった

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「ルノー カングー ジャンボリー2022」がさる10月16日(日)、富士山の麓、山梨県の「山中湖交流プラザ きらら」で3年ぶりに開かれた。2009年の第1回からオンライン開催を含めて数えると14回目、リアルだけだと12回目となる、世界一カングーが集まるお祭りである。主催者のルノー・ジャポンによると、今回は日本全国からカングーが1783台、5000人以上のファンが参加した。ステージでMCをつとめた竹岡圭さんのことを借りると、日本全国から集まったカングーを「ただ見てまわるだけでのゆる~いイベント」で、そこがとってもいいのだそうだ。

実際、2100台が入る広い駐車場が、初代の通称「小カングー」と2代目の「デカングー」で埋め尽くされた様は壮観で、それらはどれもオーナーの好みでモディファイされているから、ただ見てまわるだけで楽しいし、「集まる」ことで生まれるパワーというのはスゴイ! と記者はあらためて思った。

おまけに今回はカングーのファンにとって大きなサプライズが用意されていた。すでに参加者はみんな知っていたという説もあるけれど、昨年本国で発売された新型カングーの日本仕様が初公開されたのだ。以下は、ステージ上でのルノー・ジャポンの小川隼平社長と、カングー・オーナーでもある安田大サーカス 団長安田さんとのやりとりである。ま、YouTubeで見られますけど。

社長:詳しくしゃべるより、見ていただいたほうがいいと思いますので。

会場:パチパチ(拍手)。

レモン・イエローの新型カングーがゆっくり舞台に現れ、運転席から安田大サーカスの団長が降りてくる。

団長:安心しました。ちゃんとカングーだった。

会場:パチパチ(拍手)。

団長:いま、マニュアルのカングーに乗っているんですけど、新型は非常に静かですね。滑らかな感じ。インテリアは豪華になりました。視界がさらによくなった感じがしました。でも、乗ってる感じはカングーです。いままでと極端に変わることはないです。僕、ディーゼルなんで、音はすごく静かになった気はしますけど、ちゃんとカングーじゃないですか。

会場:パチパチ(拍手)。

団長:正直、前評判はよくなかった。社長の前ですけど。でも実際見たら、意外とかわいい。

社長:黄色は日本専用。ブラック・バンパーも日本専用です。

団長:みんながネットにいろいろ書き込んだおかげです。みんなの力です。

会場:パチパチ(拍手)。

社長:ちょっと後ろを向けたいけど、いいですか。

団長:カングーといえば、バック、大事です。

社長:本国の画像を見ると、カングーじゃないだろ。といわれてますけど、日本はこうなってます。

後ろ向きになった新型カングーは、フランス本国の乗用車版の、上ヒンジでガバチョと開く1枚ドアとは異なり、観音開きになっている。

社長:観音タイプで、センター・ピラー付きは日本だけです。

団長:観音開き、よかった~!

会場:パチパチ(拍手)。

団長:いやあ、(後ろ姿は)かわいい。大きくなりました?

社長:だいぶ、広くなりました。幅は1919mmと本国で発表されていますけど、それは測り方の違いで、ミラー込みの数値なんです。日本仕様は1860mm。現行モデルより3cm大きいだけです。

団長:いやぁ、よかった。社長、だいぶがんばりましたね。日本のメーカーでマネしたのがあるけど、どこはいいません、そっちに流れるというネットの声があるけど、絶対こっちのほうがいい。(中略)。うわ~。オレ、買ったばかりやのに。

社長:ぜひ、このカングーも、カングーの仲間入りさせていただきたいと思います。

会場:パチパチ(拍手)。

世界を変えるイベント新型カングーの3サイズ(全長×全幅×全高)は、4490×1860×1810mm。現行モデルと較べると、210mm長く、30mm幅広くなっている。高さは変わっておらず、ホイールベースは15mmだけ長くなっている。つまり、長くなった分は主に荷室空間の拡大に使われている。

エンジンは1.3リッターのガソリン・ターボ(130ps、240Nm)と、1.5リッターのディーゼル・ターボ(116ps、270Nm)の2種類があり、ともに7速ATと組み合わせられている。じつは団長がほんの数メートル、ステージ上で運転した明るい黄色のカングーは1.5リッターのディーゼル仕様で、新型は現行モデルのディーゼル・オーナーが間違えるほど静粛性が増しているらしい。

日本での発売は、半導体不足もあって、来春とされている。

団長も語っていたように、新型カングーは、日産NV250やメルセデス・ベンツTクラスの姉妹車となることもあってか、これまでのカングーの持っていた丸みが消えてスクウェアなデザインに変身、サイズは大きくなり、全幅が1919mmにもなる(!)と伝えられていた。

ニッポンのカングー・ファンの最大の懸念は、前述したように観音開きのバック・ドアが乗用車版、フランスでいうところの「ルドスパス(Ludospace:レジャー・アクティヴィティ・ヴィークルの意」には設定がないことだった。

観音開きは、LCV(ライト・コマーシャル・ヴィークル)版の「カングー・バン」にのみ設定がある。ただし、バンには後席がなく、2シーター+広大な荷室になっており、さらに荷物の出し入れに便利なようにセンター・ピラーが取り払われている。これは後ろにひとが乗らない、ということで、衝突安全の基準が異なるから可能なのだそうだ。

ということで、ルノー・ジャポンは本社と交渉して、少しでもかわいく見える専用色と専用のブラック・バンパー、さらに観音開きのバック・ドアを持つルドスパスをつくってもらったのである(黄色以外にはボディと同色バンパーの仕様もある)。

年間2000台ほどの販売台数しか見込めないマーケットの要望をルノー本社が聞いてくれたのは、カングージャンボリーをフランスから見学にやってきた担当者がニッポンのカングー愛に感動したからだという。フランス人もビックリ! カングージャンボリーは「みんなの力」で世界を変えるイベントなのだ。

文・今尾直樹

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みんなのコメント

9件
  • 黒バンパーじゃないグレード希望
  • 最初っからディーゼルモデルを投入は正解だと思う。
    先代モデル末期にあったようなディーゼルモデルの中古価格の不当な価格上昇も無くなるだろうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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