■アルファ ロメオ創業100周年記念限定9台の激レアモデル
コロナ・ウイルスによる世界的な混乱も一息ついたのか、世界のオークション・シーンも、再びそのビジネスを再開する傾向にあるようだ。
【画像】ザガートとのコラボで実現した! アルファ ロメオ「Z3ストラダーレ」の全容(34枚)
2020年は残念ながら、毎年夏に開催されるモントレー・ウィークのプログラムが、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスを始め、ほとんど中止されてしまったため、オークションのファンとしては寂しい夏になってしまうのは残念だが、メジャー・カンパニーの多くは、早くも秋から冬にかけてのオークションを企画。素晴らしい内容で期待を高めている。
そのなかでもまず注目したいのは、RMサザビーズが、10月22日から24日までの3日間にかけて、アメリカのジョージア州エルクハートで開催する、「ザ・エルクハート・コレクション」だ。
このオークションも、一度はキャンセルされ、新たな日程での再開催となったものだが、ペブルビーチ・オークションなどとは異なり、見逃すと二度とそれを見るチャンスはないオークションだ。
なぜならこのイベントは、エルクハートにある、自動車やモーターサイクルのコレクション、エルクハート・ミュージアムの収蔵物を一気にオークションで販売してしまおうという圧倒的な規模を誇るイベントだからだ。
参考までに、自動車やモーターサイクルはトータルで240台ほど。そのほかにオートモービリア(自動車関連の蒐集物)も、同数近くはオークションにかけられる予定だ。
実際に見るザ・エルクハート・コレクションのカタログは、本当に見飽きることがない。気分としては全車を紹介したいところなのだが、ここではそのなかでも特に興味を引かれた一台を紹介しよう。
2010年式のアルファロメオ「TZ3ストラダーレ・ザガート」がそれだ。わずか9台という限定生産台数で、TZ3ストラダーレ・ザガートは2010年に生産を開始した。
このモデルは、アルファロメオとカロッツェリア・ザガートのコラボレーションによるモデルで、そもそもの目的はアルファロメオの創業100周年を祝うためのレースカー、「TZ3コルサ」のストラダーレ(ロードカー)を9台のみ生産しようというアイデアから始まっている。
■なんと、ベースはダッジ・バイパーだった!
アルファロメオのファンにとって、Tubolare Zagatoを意味するザガート製の軽量なアルミニウム製ボディを持つ「ジュリアTZ」、そして「ジュリアTZ2」は、特別な存在ともいえるアルファロメオのコレクターズアイテムであるはずだが、創立100周年を記念してTZ3を企画するあたりのセンスは、やはり趣味性に優れている。
ワンオフモデルのTZ3コルサは、マセラティ用のシャシと、同社の4.2リッター版V型8気筒エンジンを使用したモデルだが、TZ3ストラダーレはさらにオンロードでの快適な使用と圧倒的なパフォーマンスを期待して、ベースに当時のダッジ・バイパー「SRT-10ACR」を選択することになった。
ボディデザインはもちろんカロッツェリア・ザガートの原田則彦氏。一方インテリアデザインは、CoSTUME NATIONALの創始者であるエンニョ・カバサ氏が自らそれをおこなうという豪華なコラボだった。
長いボンネットフードにテールを垂直に切り落とした、いわゆるコーダトロンカのスタイルは、かつてサーキットで戦ったデイトナ・コブラの姿をも彷彿させるし、そのデザインはいつの時代も魅力的な姿に映るだろう。
今回のオークションは、ノー・リザーブ。すなわち最低落札価格がないオークションだから、このTZ3ストラダーレも意外にリーズナブルに落札できるかもしれない。
最高出力で640psを発揮するまさに毒蛇を、操る自信のあるカスタマーは、はたして世界からどれだけ手をあげるだろうか。
ちなみに現在までの走行距離はわずかに210マイル(約336km)。ドキュメントやボディカバーなどのオプションもすべて揃っているが、ミュージアム所有だっただけに、雨天走行はほとんどなかったと考えるのが自然なところではないだろうか。
米国では、新車時の実質的な取引価格は70万ドル(当時のレートで約7000万円)だったとされている。
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みんなのコメント
デザインは癖が強くて俺好み。格好善い。
でも、俺等アルフィスタにとっては"ソコ"が良いんだよね♪
変態だしね(笑)