スーパースポーツカー史上極めて重要な1台となるかもしれない
本格的な取り組みが始まったカーボンニュートラルの達成。すでに自動車業界では一般的な乗用車の電動化への移行が進められているが、当然ながらハイエンドカークラスも例外ではない。だが、高性能を主張するスポーツカーブランドにとっては、これまでの謳い文句“パワー値=価値”が通用しなくなるのは、ある意味で死活問題。環境保全に務めるも、商売しにくくなるというのが本音なのかもしれない。
連載【桃田健史の突撃! キャンパーライフ~コンちゃんと一緒】第9回 ~SUBARU里山スタジオで「山の整備」お手伝い~ マキタ電動刈払機で房総のハイキングコースを進む
しかし、過去を遡って歴史を紐解くと、スーパースポーツカーは常に最新技術への挑戦が繰り返されてきたのは事実。時代の先端をいくために最新技術を常に採用し、内燃エンジンの究極を狙い続けてきた。その結果、ついには1000psオーバー、最高速度も400km/hを超える領域に到達してしまったが、その一方で疑問視する声も一部では見られるようになり、“大して使いもしないパワーは本当に必要なのか?”、“もはや最高速の競い合いに意味があるのか?”などと、経営陣とマーケティング、そして開発陣の間で溝が生まれることも少なくなかったと漏れ聞こえてきたほどだ。そうした中で迎えた脱炭素社会への取り組みによるハイブリッド化への移行は、スーパースポーツカー界にとっても、ちょうどいいきっかけ、必然だったのかもしれない。
そんな議論や葛藤が続くなか、フェラーリが着々と開発を進めていたのが、ここで取り上げる「SF90ストラダーレ」である。ミッドシップレイアウトされるV8ツインターボエンジンと8速DCTの間にモーターを1基、フロントアクスル側に2基搭載することで3モーター式ハイブリッドスーパースポーツを完成させた、フェラーリ渾身の1台と言っていいだろう。正式発表された2019年5月、筆者は思わず「これこそ、スーパーカー! 待っていました!」と思わず叫びそうになったのを覚えている。
この時、内燃エンジンを進化させたスーパースポーツの時代が長く続きすぎたようにも感じた瞬間でもあった。とはいえ、3モーターという発想はアメリカ主導で誕生したアキュラ(ホンダ)NSXに先を越されていたのは紛れもない事実だから二番煎じと言われても仕方がないが、フェラーリには裕福で贅沢を望むカスタマーが世界中に多く、しかも自ら経営する立場にある人が多いことから、こうしたハイエンドブランドのイノベーティブな高性能モデルを待ち望んでいたのは間違いない。
実際、SF90ストラダーレに乗ってみると、その“新感覚”に歓びが隠せなかった自分がいた。スタートボタンを押してもエンジンがかかることはなく、かすかにインバーターの音が聞こえる程度。走り始めても無音状態が続き、このままで最大25kmまで走行できるというから近所迷惑にならずに済む。しかもこの時は実質FWD。フロント2基のモーターのみで走行していると思うと久々に新鮮な感覚を覚えた。都内に住んでいる方なら、高速の入口までモーター駆動のみで行けるかもしれない。
SF90ストラダーレには、走行モードのマネッティーノの他に、専用のEマネッティーノが備えられ、ハイブリッド専用セレクターとして、eドライブ、ハイブリッド、パフォーマンス、クオリフィーまで全4モード任意で選択することができるのも新鮮さに拍車を掛ける。解説も含めた詳しい試乗記に関しては本サイトの別記事に委ねたいが、電気モーターに充電しながら走行できるのは当たり前としても、PHEVとしてプラグイン充電できる点も高く評価したい。
無論、スポーツ走行する場合でも功を奏す。SF90ストラダーレはハイブリッド式4WD、リア側は780psを発するV8ツインターボエンジンに、3基合計で220psを出力する電気モーターが上乗せされ、クオリフィーモードでは実に1000psをフルに発揮するが、もっとも注目すべきは、電気モーターによってトラクションをコントロールするeTCやトルクベクタリング、エネルギー回生しながらも制動力まで向上させるというブレーキ・バイ・ワイヤなどを行う、eSS(エレクトリック・サイド・スリップ・コントロール)である。
これこそSF90ストラダーレの真骨頂。今回は公道のみ、走行モードも制限付きという条件がつけられたため、その効果は分かりかねるが、サーキットで試せた場合、このeSSにフェラーリの真価を見いだせるのは確かだろう。ワインディングで攻めてみても、ハンドリング自体はこれまでのミッドシップ・フェラーリとほぼ同等の動きを示すから尚さらである。おそらく、コーナリング時においては相当な効果を期待できるだけに、これまで長年に渡ってフェラーリを乗り継いできたカスタマーを唸らせるはずだし、他ブランドからの乗り換えてきた人も虜にする可能性を秘めていると思う。
それに、SF90ストラダーレが加えられたことで驚くのは、これがレギュラーラインアップされているということ。即ち、5000~6000万円台のマーケットがこれから主流になることも示している。さらに今後フェラーリは、先ごろ発表されたV6ツインターボに1モーターを加えたハイブリッドモデルの296GTBを皮切りに、驚くべきスピードでハイブリッドに置き換えていく予定だ(2022年までに全体の60%はハイブリッド化させると公表済み)。
もっとも、マクラーレンやランボルギーニなど他ブランドも同じようにハイブリッド化が進められていくのも確定されているが、先進性もウリにするフェラーリだから、次の一手にも期待大。いずれは、フェラーリも含め100%電動スーパースポーツモデルが用意される可能性が高いことから、もしかしたらこのSF90ストラダーレ及びSF90スパイダーはこの先、過渡期を語る上で欠かせないスーパースポーツカー史上、極めて重要な1台となるかもしれない。
【Specification】フェラーリSF90ストラダーレ
■全長×全幅×全高=4710×1972×1186mm
■ホイールベース=2650mm
■トレッド(前/後)=1679/1652mm
■車両重量=1570kg
■エンジン種類=V8DOHC32V+ツインターボ
■総排気量=3990cc
■最高出力=780ps(574kW)/7500rpm
■最大トルク=800Nm(81.6kg-m)/6000rpm
■モーター最高出力=220ps(162kW)
■バッテリー容量=7.9kWh
■トランスミッション=8速DCT
■サスペンション=前:Wウイッシュボーン/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前 255/35ZR20(9.5J)、後315/30ZR20(11. 5J)
■車両本体価格(税込)=53,400,000円
公式ページ https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/sf90-stradale
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「自転車でしか行けない飲み屋が、悪法のせいで潰れそうです。凄い迷惑ですよね?」質問に回答殺到!「驚きです」「そんな店は潰れていい」の声も…「自転車の罰則強化」何がどう変わったのか
新型ハリアーは1.5LターボのHEVとPHEV! あっと言わせる超カッコいいクーペSUVが2026年に登場か!?
ミニバン買ったら5人乗りという悲劇……元中古車定員が語る本当にあった失敗談
日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」に反響多数! 「ちょうどイイサイズ」「いや大きすぎる」と反応分かれる「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデル「日本導入」の可能性に賛否両論!?
国道417号「板垣坂バイパス」が11月24日に開通! 冠山峠道路の利用で中京圏・但南地域のアクセスがさらに便利に。【道路のニュース】
「自転車でしか行けない飲み屋が、悪法のせいで潰れそうです。凄い迷惑ですよね?」質問に回答殺到!「驚きです」「そんな店は潰れていい」の声も…「自転車の罰則強化」何がどう変わったのか
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
トヨタが「凄いクラウン」実車公開! 斬新「マットメタル×赤キャリパー」採用! 普通のマットじゃない!? 特別な「スポーツ」とは
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
ミニバン買ったら5人乗りという悲劇……元中古車定員が語る本当にあった失敗談
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
買っておくか
クソ真面目に生きてたら金稼いでも使い道無いじゃん
それじゃ経済回さないダメな金持ちだね。