2010年1月、スバルのモータースポーツ部門「STI」から400台限定のコンプリートカー「インプレッサR205」が登場した。STIはインプレッサWRXをどう仕立て直したのか。ここでは伊豆サイクルスポーツセンターのクローズドコースを使って開催された国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年3月号より)
STIによってスペックCの走りにさらに磨きがかけられた
R205の「R」とは何を意味するのだろうか。これまでSTIのコンプリートカーは、S203、S204と続いてきたのに、今回R205となる理由とはなんなのか。
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これについてSTIの商品企画部大和正明部長は「これまでのSを車名に持つクルマは、走りの部分はもちろんですが、ドアトリムにアルカンタラを使用するなど、インテリアの質感も高めたモデルでした。R205はそうした贅沢な加飾を抑え、走りの性能を磨き上げることに集中したモデルということもあって”ロードスポーツ“を意味するRを車名に採り入れたんです」と教えてくれた。
R205のベースとなったのは、インプレッサWRX STIスペックC。エクステリアはフロントアンダースポイラーや新開発のリアアンダースポイラー、ブラック塗装の大型ルーフスポイラー、専用フロントグリル、18インチホイールを装備するなど、STIのコンプリートカーらしくスポーティなもの。
エンジン性能は専用チューニングのECUや専用ボールベアリングターボ、専用低排圧スポーツマフラーなどの採用により、最高出320ps(ベース比+12ps)、最大トルク431Nm(+9Nm)まで高められ、足まわりにはフレキシブルタワーバー、フレキシブルサポート、新開発のフレキシブルドロースティフナー、専用チューニングのポテンザRE070タイヤなどを採用、スペックCの走りにさらに磨きがかけられているという。
こう聞くと、かなりピーキーな特性を想像してしまうが、試乗してすぐに、乗り心地がすこぶるいいことに驚いた。サーキット走行にも耐えうるほど足まわりが硬められているはずなのに、段差でもゴツゴツしないしロードノイズも気にならない。それに濡れた路面でもリアが安定しているのだ。
どうやら、これにはインプレッサのコンプリートカーに初採用となるフレキシブルサポートリアが効いているようだ。このパーツはサブフレームとボディをとめるブラケットにしなやかさを持たせたもの。S204から継続採用されているフレキシブルタワーバーフロントやハンドルの操舵感を向上するフレキシブルドロースティフナーも、同様にしなやかさを生み出すものだ。
ブレーキセッティングも安心感のあるものだった。フロント6ポッド、リアを2ポッドから4ポッドキャリバーに強化されたブレンボブレーキは、絶大な制動力を発揮するだけでなく、ブレーキペダルで効きを自在に調整できる扱いやすいものだった。
試乗コースを数周しているうちに、R205のスムーズな動きに楽しさを感じていた。まるで自分の運転が上手くなったかのようにさえ思えたのだ。
試乗後、STI車両実験部の辰己英治部長に話を聞くことができた。「STIが造るクルマは、ユーザーから速さや気持ち良さを求められています。私はその声に応えたいと思っています。でも、その速さは誰にでも引き出せるものでないといけないと思っています。だからR205は20km/hでも200km/hでもちゃんと走れるクルマを目指しました。つまり、家族を乗せて買い物に行く時にも使えて、サーキットでのスポーツ走行も楽しめるクルマです」。それを聞いて、あらためて乗り心地の良さのことを思い出した。安心感がありながら、スポーティさを忘れていないのだ。
R205の「R」はレーシングではなく、ロード。R205はSTIの理想に、また一歩近づいたクルマだったのだ。ちなみにR205は400台限定販売となっている。(文:MotorMagazine編集部/写真:安西英樹)
スバル インプレッサ R205 主要諸元
●全長×全幅×全高:4415×1795×1465mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量:1470kg
●エンジン:水平対向4DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:235kW(320ps)/6400rpm
●最大トルク:431Nm(44.0kgm)/4000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
●車両価格:473万5500円(2010年当時)
[ アルバム : スバル インプレッサ R205 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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