テスラ・モデル3に対抗
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】BMW 3シリーズ、ジャガーXE、アウディA4、メルセデス・ベンツCクラス、ボルボS60、アルファ・ロメオ・ジュリア【ライバル比較】 全112枚
BMWの現行型3シリーズ(G50)とほぼ同じ外観を持ち、カモフラージュを施されたテスト車両が、初めて撮影された。
2023年までの投入が噂されている、3シリーズのEVバージョンで、開発初期のプロトタイプだと予想される。
ボディに貼られた「electric test vehicle」のシールと、微調整されたフロントとリアエンドから、ゼロエミッション仕様のテスト車の可能性が高いと見られている。
プラグインハイブリッドの場合も、シールを貼る必要があるが、リアにエグゾーストがないため、完全な電動モデルとなるだろう。
まもなく発売となる530psを発揮するEV「i4」は、BMW初の電動サルーンとなるが、3シリーズの電動計画は、まだ公式には明らかにされていない。
BMWのスポークスマンは、今回の写真についてコメントを拒否したものの、これまでの声明の中で「2023年までに、BMWグループのラインナップには、25の電動モデルが含まれ、その半分はフルEVとなります」と述べている。
同社は、今年後半にEVの新型SUV「iX3」を発売し、2021年半ばには、4シリーズ・グランクーペベースの「i4」を投入する。
BMWのデザインチーフであるドマゴジ・デュケツは、最近AUTOCARに対し、電動3シリーズではなく、i4の投入を決定したことについて「電動モデルを買うべきかどうか迷っている人々が多く、価格もまだ少し高いからです」
「電気自動車はもっとエモーショナルになる必要がありますし、EVのi4なら、3シリーズのEV版よりも受け入れられやすいと考えています」と述べている。
一方、電気自動車の販売は急速に増加しており、コストが下がる可能性が高いため、2023年までにEV版3シリーズの需要が高まる可能性もある。
iX3とパワートレイン共有か
現時点では、EV版3シリーズのパワートレインに関する情報は、明らかにされていない。
3シリーズの実用的でエグゼクティブなポジショニングを考えると、i4の530psを発揮するパフォーマンス志向の四輪駆動パッケージが共有される可能性は、低いだろう。
より現実的なのは、iX3で使用されるシステムであるが、同社は量産用パワートレインの詳細を明らかにしていない。
2018年のiX3コンセプトは、274psの電気モーターと、容量70kWh以上のバッテリーを搭載し、航続距離は約400kmを提供するとされている。
また、i4とEV版3シリーズは、テスラの「モデル3パフォーマンス」を意識した、デュアルモーター、四輪駆動を採用することも予想されている。
i4には、標準の3シリーズ、新型4シリーズに使用されているCLARアーキテクチャの改良バージョンが採用される。
内燃エンジンと電気パワートレインの両方に対応可能となっているため、まったく新しいEVサルーン向けのアーキテクチャを開発するよりも、はるかに安価となる。
新しいモデルの名前についても、まだ明らかになっていない。
「i3」となる可能性もあると言われているが、同社にとっての顔である3シリーズと、2013年から販売されている独特なスタイルのEVをリンクさせるとは考えにくいだろう。
3シリーズでは、2016年からガソリンエンジンと電気モーターを組み合せた、プラグインハイブリッドが提供されている。
なお現行型3シリーズの330 eは、システム最高出力で253psを出力し、電動のみの航続距離は60km、四輪駆動を選択することが可能となっている。
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