この記事をまとめると
■GRヤリスに「RC Light Package」なるものが設定された
3~400万円のクルマに載るシロモノじゃない! 量産だけど高精度なGRヤリスの「エンジン」の生産に迫る
■レースベース用のマシンとなっており未塗装ボディで納車される
■未塗装ながら100万円以上高いほか、専用パーツも装着される
レースに出る人のために捧げる特別な1台が設定された
トヨタが生み出した4WDスポーツカー「GRヤリス」。2022年に話題を集めているのは年始に発表されたGRMNかもしれないが、モータースポーツを前提にするならば、もっと注目したいのは2022年に追加された「RC Light Package」で決まりだ。
そもそもGRヤリスに設定されている「RC」グレードは、国内ラリーなどモータースポーツへの参戦を前提としたもので、あえて16インチサイズのブレーキシステムとするなどラリー仕様を意識した仕様となっている。
モータースポーツベースゆえにエアコンやオーディオといった快適装備はすっぱり外され、ダート用タイヤを前提に15インチホイールが使えるようなステアリングナックルを採用していることも特徴。ダート用のトラクション重視のトランスファーもメーカーオプションで設定するなど、徹底してモータースポーツのことだけを考えたグレードというわけだ。
未塗装のまま届けられ、ガラスまでも軽量化!
そんなGRヤリスRCのメーカー希望小売価格は330万円となっている。快適装備はなくともGRヤリスの「G16E-GTS」エンジンと4WDシステムによるトヨタの伝統を感じさせるスポーツドライビングを味わえる最廉価グレードという見方もあった。
そして、そのRCグレードにLight Packageなる新仕様が登場しているのはご存じだろうか。ライトパッケージという名前の通り、軽量化バージョンで、スペック上の車両重量は標準のRCが1250kgなのに対して、RC Light Packageは1170kgと80kgも軽くなっている。
人間でもダイエットするにはトレーニングや食事管理などにコストがかかるものだが、競技ベース車において80kgと、”人ひとり分以上”の軽量化を実現するにはさらに特別なコストがかかる。そのためRC Light Packageのメーカー希望小売価格は442万円と、ベースグレード比で112万円も高くなっているのだ。
はたして、軽量化のポイントはどこにあるのだろうか。仕様違いとして公表されている内容をピックアップして紹介しよう。 塗装レスボディ 軽量リヤスポイラーガーニッシュ 軽量バックドアガーニッシュ 軽量リヤクォーターガラス 軽量バックドアガラス サイレンサレスパッケージ 軽量フロントシート リヤシートレス バックドアダンパーレス 液式軽量バッテリー エンジンルーム用冷却ダクト追加 大きなところでいえば、ボディが塗装レスで、後席も取り外された仕様となっていることがわかる。
ラリー仕様などに仕上げるのであればボディはスポンサーカラーにするだろうし、コクピットにしてもロールケージも組むわけで、最初から後席を持たない2名乗車仕様というのはまったく問題ないどころか、ユーザーとしてはむしろウェルカムだろう。
また、バックドアまわりもガーニッシュ類やガラスの軽量化が施されているのは目立ったポイントだ。
フロントシートについては軽量タイプを備えているが、こちらはフルバケットタイプに交換することが前提だろう。いずれにしても、ガラス類の軽量化というのはレギュレーションに沿った範囲で改造するのは難しい部分であり、メーカー純正の軽量ガラスというのは非常に意味のある仕様といえる。
唯一、軽量化に反してパーツを追加しているのがエンジンルーム用冷却ダクトだ。こちらはレギュレーションで同様のパーツを後付けするのが難しいカテゴリーでは有効な専用装備となりそうだ。
なお、ライトパッケージのこだわりはメーカーオプションにもある。RCグレードにはRZ用サスペンションや225/40R18タイヤにする「18インチパッケージ」が用意されているが、その内容も、RCとRC Light Packageでは異なっている。
RZ用サスペンション、ダンロップの18インチタイヤは共通だが、RCの18インチパッケージではエンケイ製の鋳造アルミホイールになるのに対して、Light PackageにはBBSの鍛造アルミホイールが設定されている。そうした違いにより、パッケージ価格はRCが4万6200円なのに対して、RC Light Packageのオプション価格は39万9300円と大幅に高くなっているのだった。
ともかく徹底して軽量化にこだわったRC Light Packageは、本気のモータースポーツ勢が競技車両を製作するために選ぶグレードであり、一般ユーザーが購入することはオススメしないが、メーカーサイドでなければできない部分をこうした特別なグレードとして用意するあたり、トヨタGRの強い思いを感じさせるのは間違いない。
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もしかしたら、外装や内装がGRMNに近づけるパーツのリリースとなるのかな?