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充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!

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充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!

ワイドシャシーにエアロフェンダー

20年前に登場したセブン CSRは、ケータハムにとって次代の幕開けを象徴する存在といえた。従来のセブンよりボディが広がり、フロントのダンパーはプッシュロッドで伸縮。サスペンションは独立懸架式で、乗り心地に優れ速かった。

【画像】充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20 ピュアな2シーター・ロードスターたち 全151枚

ところが、グレートブリテン島のケータハム・ファンは、「シリーズ」3と呼ばれる、クラシックでベーシックなモデルを好んだ。欧州市場での提供は続いていたが、英国市場での販売は停止していた。

しかしセブン CSRは、世界的に生産が終了する。これを記念し、特別な英国仕様として、セブン CSRトゥエンティ(20)の提供が決まった。20台限定で。凍える12月は、このクルマの試乗に適した季節ではないが、実力を探らずにはいられない。

通常のセブンは、全長が3180mmで、全幅は1470mmと小さい。オプションのワイドシャシーを選ぶと、CSRと同等の大きさになる。全長3360mm、全幅1700mmへ拡大し、あまり見慣れないサイズ感といえる。

CSRの場合、空力特性へ配慮されたフロントフェンダーが与えられ、フロントノーズにはエアインテークが追加される。プッシュロッドで動く、フロントのコイルオーバーダンパーは、その内側に隠れている。

サスペンションアームも、空力的な断面を得る。滑らかなボディはまとっていないが、多少は効果があるのだろう。

リアサスはダブルウイッシュボーン

CSRの大きな特徴となるのが、ダブルウイッシュボーン式のリアサスペンションを採用すること。乗り心地だけでなく、グリップとトラクションにも効果的に機能する。タイヤはウエットが得意ではない、トーヨー・プロクセスR888Rだったが。

エンジンは、2.0L 4気筒のフォード・デュラテックユニット。自然吸気で、最高出力は213ps、最大トルクは20.7kg-mがうたわれる。トランスミッションは、マツダMX-5(ロードスター)用の5速マニュアルが組まれる。

リミテッドスリップ・デフは、オプションで指定可能。試乗車には付いていなかった。ケータハムによると、この方がバランスが良いという。

気になるお値段は、7万9995ポンド(約1560万円)から。エンジンなど、仕様はだいぶ変化しているが、20年前の倍以上になっている。そのかわり、中古車になっても値落ちしにくいはず。

シリアスなキャビン とても低い着座位置

キャビンは、特別仕様としてゴージャスに仕立てたと主張されるが、相対的なもの。シリアスな雰囲気は変わりない。シートは柔らかく、座り心地が良い。フロアにはカーペットが敷かれ、センターコンソールはソフトレザーで包まれている。

ダッシュボードはカーボンファイバー。アルカンターラが各所に用いられ、シリアルナンバーの入ったプレートが光る。荷室は、モヘアの内張りで仕立ててある。

ワイドシャシーだから、身長が高めの筆者でもコクピットは快適。ペダルボックスにも充分な空間がある。ペダルの間隔が離れていて、小ぶりなスニーカーを履いて挑んだのだが、ヒール&トウはしにくかった。

ステアリングホイールはモモ社製のレザー巻き。シフトレバーのストロークは、量産車最短といえるかも。正面には必要なアナログメーターと、ヒーターのスイッチ、12Vのソケットが整然と並ぶ。

ソフトトップは、指が痛くなる止め金具で固定する。これは、筆者が子どもの頃から変わらないが、新しいだけあって張りが強く雨漏りはしにくい。

フロントガラスの付け根には、曇らないように送風口がある。サイドミラーはドアに固定され、走行中の調整は難しい。4点ハーネスが標準装備で、着座位置はとても低く、対向車がロービームでもかなり眩しい。

0-100km/h加速3.9秒 気持ちの良い5速MT

というわけで、雨で濡れた12月の公道へ。2.0Lエンジンは、セブン 420と同じチューニングだという。車重は620kgしかなく、5速MTは極めてスムーズ。0-100km/h加速を3.9秒でこなせる。最高速度は、218km/hに届くそうだ。

パワーバンドは高域側にある。回転を引っ張ってシフトアップすると、とても速い。

低域でもレスポンスに優れ、リニアに速度は上昇するが、高速道路での追い越しは3速の方が妥当。ただし、サスペンションはしなやかに動くのだが、ウェットではトラクションが抜けやすい。回し過ぎには注意が必要だ。

この時代に、気持ちの良い5速MTを操れることがうれしい。マツダの技術者は、素早く滑らかに変速できることに関して、相当な知見を有している。きっと、愛車のセブンで早朝の峠道を流している人物が、日本にいるに違いない。

指摘するなら、低速域ではギアの遊びが大きいように感じられた。ワーンという唸りも聞こえる。

3枚のペダルの重さは、一貫していて理想的。ブレーキは頼もしく、足を支える支点にもなる。アクセルペダルの位置を、見誤らなければ。

駐車時などは、小さなステアリングホイールがかなり重い。ロックトゥロックが2回転もないから、仕方ないといえるが。速度が増すと軽く転じ、反応は極めて正確。直進性にも優れている。

乗り心地は素晴らしい。バネ下重量が軽く、路面との追従性にも不満はない。

充分に濃いセブンの旨味 過去1の快適性

ナローボディのセブンほど、運転体験はピュアではないといえるが、僅かな違いでしかなく、セブンの旨味は充分に濃い。恐らく、この敏捷さには誰もが驚くはず。最高のドライバーズカーだ。

ABSもトラクション・コントロールも備わらない。今回は濡れた路面がキンキンに冷えていたから、悪ふざけは抑えておいた。ガソリンタンクの容量は30L。丸2日間思いのままに走らせて、12.4km/Lの燃費を得られた。

ケータハムとして考えると、英国価格は驚くほど高いといえる。この特別仕様の反響が、今後のモデル展開と価格に影響するのではないかと筆者は想像している。半キット状態のセブン 170は、2万9490ポンド(約575万円)と安すぎるのかもしれない。

従来のセブンより高級感は高く、乗り心地は快適で、ほぼすべての個性を継承している。長距離移動の安楽さでは、ケータハムの過去1番といっていい。この特別仕様でなくても、セブンなら多くのスポーツカー以上の運転体験を享受できるけれど。

◯:比較的快適な乗り心地 最高の運転体験
△:セブンとしては高すぎる 閉めるのが難しいソフトトップ

ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)のスペック

価格:7万9995ポンド(約1560万円)
全長:3360mm
全幅:1700mm
全高:−mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:12.4km/L(試乗時)
CO2排出量:−g/km
車両重量:620kg
パワートレイン:直列4気筒1999cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:213ps/7600rpm
最大トルク:20.7kg-m/6300rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

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みんなのコメント

2件
  • ねこざめ
    乗ってみたーーい。💛 でも、バイク乗る覚悟がないと、難しいです~
  • hir********
    今更ながらですが、MAZDAのMTは昔から「熱したナイフでバターを切る」フィーリングと高評価されていました。この記者は若いのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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