キックス、日産の世界戦略車の1つ
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】なんといっても2台ガチンコ? キックスvsヤリス・クロス【比較】 全80枚
日産期待の「キックス」、ついに日本上陸。
コンパクトSUVの国内勢力図がまた変化した。
日産は2020年6月24日正午、キックスのオンライン発表会を行い、6月30日に発売すると明らかにした。
星野朝子副社長は「国内向けでのブランニュー登録車導入は10年ぶり」と久々の新車発売に自信を見せた。軽自動車では、昨年に「デイズ」、今年「ルークス」を導入している。
そもそもキックスは、2016年にブラジルや中国などの新興国、追ってアメリカでも発売されている日産の世界戦略車の1つ。
搭載エンジンは販売国別に1.5ガソリンと1.6Lガソリンがあり、加えて今年5月にタイでeパワー搭載車が世界初公開された。
日本仕様はタイ生産による輸入車で、タイ仕様と同じく1.2Lガソリンエンジンを使ったeパワー。日本で発売されている「ノートeパワー」向けと比べて、最大出力を約20%増とし中高速域の力強さを高めた。
また、制御の最適化により発電のためのエンジン始動頻度を減らし静粛性を上げた。
ボディサイズは、全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mm、ホイールベースは2620mm。
燃費はWLTCモードで21.6km/L。駆動方式はFFのみ。
グレードは、X(275万9900円)と、Xツートーンインテリアエディション(286万9900円)の2つのみだ。
SUV激戦区と化した日本マーケット
今回のキックスを含めて、日本では各メーカーがSUV攻勢を仕掛けている。
排気量1Lモデルでは、月販販売ランキングの上位を続けている、トヨタ・ライズ。その原型である、ダイハツ・ロッキー。
軽自動車では、スズキ2代目ハスラー。やや毛色が違うが、基本的にはハスラー対抗馬である、ダイハツ・タフト。
中型モデルでは、上級さが増しても価格抑えめで、すでにバックオーダー多数抱える、トヨタ・ハリアー。その原型であるRAV4ではプラグインハイブリッド車が登場した。
今後は、秋口を目途に、欧州で先行発表された、トヨタ・ヤリスの派生車ヤリス・クロス。マツダ初の量産型EV「MX-30」も市場導入される見込みだ。
年後半から来年にかけての登場が予測されるのが、9月目途にアメリカ先行発売される日産エクストレイルと、その兄弟車である三菱アウトランダー。
そして、日本最上級レベルの本格四駆トヨタ・ランドクルーザーと続く。まさに、SUVラッシュである。
ミニバンからSUVへのシフト、軽でのクロスオーバーSUV市場が拡大、そしてSUVからSUVへの買い替え需要と、SUV市場はまだまだ伸びそうだ。
こうしたSUV激戦区と化した日本市場を、キックスはどのように戦い抜いていくのか?
キックス、ヤリス・クロスと競合する
キックス日本仕様は、eパワーの一本勝負である。
今年5月開催の決算発表および中期経営計画の中で、日産幹部は改めて、日産インテリジェントモビリティこそ「技術の日産」の真骨頂であると強調している。
そして、ルノー日産三菱アライアンスの中で、中型車の電動化技術と、自動運転技術の活用については、日産がリーダー、他2メーカーがフォロワーとなる体制を確立するとしている。
そう明言した後、初めての日本導入車であるキックスが、電動化では日本での販売実績があるeパワー、高度な運転支援システムにはプロパイロット2.0を標準装備するのは、当然である。
その上で、想定ライバルを考えると、かなり間口が広いように思える。
まず、価格とボディサイズでのガチンコライバルになるのが、ヤリス・クロスだ。
1.2L eパワー vs 1.5Lハイブリッドの戦い。単に、燃費競争だけではなく、商品の性格上、走り味競争になるのではないか。つまり、「フィット」と「ヤリス」との対抗図式に近いのでは?
ヤリス・クロス登場が夏後半と予想されるため、ユーザーにとっては、もう少し待ってから、実際にキックスと乗り比べて購入を考えたいところだ。
その他のキックス対抗になるクルマは何か?
ホンダやマツダ、日産にもライバル?
トヨタでは当然、「C-HR」も対抗となる。世界戦略車キックスそのものとしてみれば、車格はC-HRが上だが、eパワー化したことにより、同格での戦いとなる。
ハイブリッド対抗では、ホンダ「ヴェゼル」があるが、モデル末期ということもあり、値引き期待の販売価格重視での選択肢となろう。
スバルについては、キックスに四駆がないことから、価格は近いが「XV」eボクサーとはすみ分けができるはずだ。
マツダの場合、販売戦略として「SUV商品群」という考え方がある。CX-5購入希望での来店者のライフスタイルについて詳しく聞くことでCX-30やCX-3の購入を進めることもある。
つまり、キックスとの対抗は単体モデルではなく、事実上のマツダSUV商品群となる。
気になるのは、エクストレイル2WDからのダウンサイジングだ。アメリカでは、北米エクストレイルである「ローグ」からキックスへの買い替え需要がある。
新型エクストレイルが日本では来年発売の可能性が高く、既存のエクストレイル2WDからキックスへという流れはかなり多いのではないだろうか。
キックスの月販目標台数については、ウィズコロナという世の中の状況を鑑み未発表という異例の対応だ。
なお、日産は日本国内で2023年までに、新規にEVを2モデル、eパワーを4モデル導入することを明らかにしている。
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みんなのコメント
まぁもう海外で4年以上販売後たってる車を『新型!新型!』と騒ぐ結果かもしれんが。
日本人ユーザーを完全にバカにした車だからな~。
・コスト削減のため、タイで生産します!
・コスト削減のため、1グレード展開です!
・コスト削減のため、積雪地域のユーザーは切り捨てて、FFのみです!
(メイン市場は東南アジア、南米なので、日本の積雪地域なんて考慮しません)
・コスト削減のため、内装は貧相です! シートレールすら剥き出しです!
なのに、ライバル車よりも割高です!
もう、開発関係者、コレを承認した経営陣含め、全員切れよ・・・