クルマを所有するにはお金がかかる。だから、マイカーを我慢している。そんな話を聞くことも少なくありません。では、実際にどのくらいの年収があればクルマを所有することができるのでしょうか。
ここでは、いま日本でもっとも売れているトヨタ・ヤリスをサンプルにどのくらいの年収が必要なのか計算してみたいと思います。
まずはクルマを持つことの負担額をわかりやすくまとめるものとしてトヨタのサブスクリプション「KINTO」の支払額を参考にしてみましょう。このサブスクサービスには車両代に加えて保険・車検・メンテナンス・税金が含まれるため車両価格だけは見えてこない維持費を含めた金額がわかるからです。
というわけで、KINTOでヤリス(1.5Lガソリン車・Xグレード)を5年契約した場合の月々の支払額は3万9490円となります(ボーナス払いなし)。つまりヤリスを乗るには、年間でいうと47万3880円が必要になるという計算です。さらに、実際には駐車場代、ガソリン代もかかりますし、場合によっては高速代も必要になります。
では、そうした運用にかかわる予算感も計算してみましょう。
ヤリスGグレード(ガソリン車)のカタログ燃費は21.4km/Lですが、これをそのまま再現できるドライバーは少数派でしょう。おおよそのイメージとしてカタログ燃費を7掛けすると燃費は15km/Lとなります。毎月600kmを走ったとして使うガソリンは40Lです。リッターあたり170円で計算すると、月々のガソリン代は6800円となります。
駐車場代については住んでいるエリアによって大きく変わります。自宅の敷地内に停めるところがあるという人もいれば、都市部であれば最低5万円から必要というケースもあるでしょう。ここでは全国平均値に近い8000円を想定してみます。
ひとまず高速道路は日常的には使用しないという前提で、ここまでの金額を合計すると、5万4290円です。これがヤリスのガソリン車を利用するのに毎月必要なお金ということになります。
あらためて年間の負担額を数字にすると65万1480円です。
一人暮らしで、家賃・生活費のほかに65万円を捻出しようとすると、かなり厳しいというのが実感できるのではないでしょうか。
一般論として家賃は手取りの25%にしておくのが身の丈に合っているといいます。食費ついても同様で25%程度を目安にすべきといいます。残り50%の中からスマートフォンなどの通信費、交際費、医療費、衣服代などを出すことを考えると、クルマ代に当てられるのは10~20%といったところではないでしょうか。
仮にクルマ関係の支出割合を10%で計算すると、年間の手取りは650万円が必要で、これは年収にすると900万円相当になります。実情を考えると、10%というのは抑えすぎかもしれませんが、十分な貯蓄をしようと思ったら、このくらいの比率がいいのかもしれません。
クルマ関係の支出割合を20%で計算すると、どうなるでしょう。この場合の手取りは325万円。こちらは年収ベースでいうと400万円をちょっと超えるくらいのイメージです。年収400万円でヤリスを持つのは、余裕はないかもしれませんが、無理せず維持できるという感覚になるといえそうです。
今回はヤリスを新車で手に入れるということを前提に計算してみましたが、中古車を安く買ってきて、駐車場代が不要でなどと条件を変えていけば、クルマ関係の支出をもっと安く抑えることはできます。いずれにしても、無理をせず身の丈にあったカーライフを意識することで、長くクルマを楽しんでいってほしいと思います。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
それにしてもヤリスのような大衆車すら買えない層がいることは問題だよなぁ。
ヤリスを買うのに年収400万も要らんだろ。
KINTOで買わなければ良いだけ。
銀行ローンで2%ちょっと、KINTOは約5%。
毎月支払っても最後には車を返却しないと行けないので結局無駄。
銀行ローンで買えば良い。その前にヤリス位一括で買えないのか?