「玉置神社」とは?
江戸時代には熊野三山の奥の院とされ、修験道の霊場として興盛した「玉置神社(たまきじんじゃ)」は、山深い紀伊半島の中央部、標高1000mに位置しています。「神様に呼ばれないとたどり着けない」と言われるパワースポットで、ボリューム満点のヒルクライムを乗り越えた先にありました。
【画像】パワースポットとして賑わう『玉置神社』を画像で見る(12枚)
標高1076mの玉置山に鎮座する古社で、神武天皇が東征の際に立ち寄った地と伝えられています。この際に「玉」を鎮め(置き)、武運を祈ったと伝えられ、玉置神社の名前の由来ともなっています。
神社の創建は紀元前37年とされています。境内には樹齢3000年の神代杉をはじめとした天然記念物の杉の巨木があり、荘厳な雰囲気を漂わせます。
修験道の聖地として、役行者や弘法大師が修行した場所でもあり、行者たちの往来が今も絶えません。また、2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され、現在ではパワースポットとして賑わうようになりました。
紀伊半島屈指の、激坂ヒルクライム!
標高1076mの玉置山の直下、標高1000mの駐車場まで舗装路が延び、自転車で登ることができます。十津川温泉のほど近く、十津川にかかる猿飼橋から山頂駐車場までは、距離にして約11km、標高差は850m、平均勾配は8%に迫る大ボリュームかつ、急勾配のヒルクライムが待ち受けます。
幅1.5車線程度の、全体的に綺麗な路面の道路が続きます。ただ、ところどころ乗用車のすれ違いが難しいような幅員が狭まるところもあります。筆者(才田直人)もヒルクライム中に一度、前でクルマが詰まって10秒ほど立ち往生する場面がありました。
谷側の景色が開け、思わず足を止めたくなるような絶景も現れます。神様に近づくように天に向かって急勾配で標高を上げるヒルクライムを楽しみましょう。
たどり着いた山頂駐車場からは、護摩壇山をはじめとした幾重にも重なる紀伊半島の名峰が一望できます。紀伊半島の山深さを実感できるのも高いところまで登ってきたからこそ。
トイレや食事処、土産屋もあって、観光客で活気があります。玉置神社参拝の拠点と言えるでしょう。
駐車場からは、ちょっとしたハイキング
駐車場からは、よく整備された山道を歩きます。高く天に向かって伸びた立派な杉林の中を、15~20分ほど歩いた先に玉置神社があります。
玉置神社の本社には、国土を守る神である國常立尊(くにのとこたちのみこと)、創世の神々である伊邪那岐尊(いざなぎのみこと)と伊邪那美尊(いざなみのみこと)、太陽の神である天照大神(あまてらすおおみかみ)、そして武運の神である神武天皇こと神日本磐余彦尊(かんやまといわれびこのすめらみこと)が祀られています。これらの神々は、国土の守護や開運、家庭円満をもたらす神々として信仰されています。
お参りのあとは、神社の奥へと進みましょう。今度は急勾配な階段が続きます。5分ほど階段を登った先が、絶景が広がる玉置山の山頂です。
山頂からは5分くらい緩やかに下ると駐車場に帰ってきます。神聖な雰囲気の中、参拝や休憩を含めて、1時間くらいのハイキングになります。
ヒルクライムとハイキングの後は、もちろん腹ごしらえ
そろそろお腹が減る頃です。駐車場に隣接する食事処「栄山」では、カレーや、うどん、めはり寿司など、豊富なメニューが揃います。
筆者のオススメは「しいたけうどん」です。甘く煮付けられた分厚い椎茸が、どっさり入っています。コシのあるうどんは喉越しがよく、どんどん箸が進みます。出汁がしっかり出ている汁まであっという間に完飲してしまいました。
今こそ自転車で訪れたい「玉置神社」
玉置神社は、パワースポットとして近年急激に注目を集めています。筆者が訪れた10月の3連休は、天気も良くマイカーの観光客が殺到していました。
山頂の駐車場はあまり広くないので、なんと最大3時間以上の駐車場待ちが発生していました。自転車であれば渋滞知らずで山頂まで到達することができます。
大ボリュームのヒルクライムを楽しめて、渋滞に関係なくお参りできて、お腹を空かせて食べる「しいたけうどん」はおいしさも倍増。
基本的には、駐車場に停められる車の人数しか神社に参拝ができないため、境内が大混雑ということもありません。
今こそヒルクライムに挑戦する良いタイミングだと思います。
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