ホンダ・オデッセイの一部改良モデルにサトータケシが試乗した。“低床ミニバン”の実力とは?
内外装のデザインを変更
マイナーチェンジが施されたホンダ・オデッセイに試乗すると、春風を顔に受けたかのように新鮮に感じた。というのもオデッセイは、“エバる”ことや“盛る”ことをウリにするのではなく、省燃費やスペース効率などを重んじる理知的なミニバンだったからだ。
ミニバンって、もともとはこういう合理的な乗り物だったよなぁ、としみじみ感じた。
Hiromitsu Yasui試乗したのは、駆動用と発電用の2つのモーターを備えるハイブリッドのオデッセイe: HEV アブソリュート・EX。今回のマイチェンを機に標準仕様はラインナップから外れ、オデッセイはスポーティ仕様のアブソリュート1本で勝負することになった。また、ハイブリッド車の駆動方式はFWD(前輪駆動)のみで、4WDはガソリンエンジン車でしか選ぶことができない。
オデッセイは1994年にデビューした初代から床が低いことが特徴で、5代目となる現行モデルも低床、低重心の設計コンセプトを継承している。だから押し出しが弱い、という意見がある一方で、乗り降りは容易で、すんなりと運転席に収まることができた。
Hiromitsu Yasuiマイチェンの眼目のひとつは、内外装のデザインに手を入れたこと。まず外観は、フロントグリルが大きくなり、リアのコンビネーションランプも立体的な造形に変更して、全体にキリッとした。力強さをアピールしつつも、大型ミニバンの“コワい顔競争”には乗っていないから威圧感はない。
インテリアの変更点は、大きくふたつ。メーターパネル内の液晶パネルを大きくして視認性がよくなったことと、樹脂パーツの質感の向上だ。
Hiromitsu Yasui運転席からの眺めは実にすっきりとしている。装飾の少ないシンプルな造形のダッシュボードが、水平方向にシュッと伸びている。それでも寂しいと感じさせないのは、樹脂パーツやレザーの色艶や手触りが上質だから。決してゴージャズではないけれど清潔かつ機能的で、無印良品のインテリア売り場を思い出す。
といったデザイン上の変更点を確認してから、パワーユニットの始動スイッチを押す。
Hiromitsu Yasui運転好きな人が大型ミニバンを選ぶなら
アクセルペダルを踏み込むと、オデッセイe: HEV アブソリュート・EXはふわーっと軽やかに発進する。トルキーなエンジンを積むクルマの力強い発進加速と違って浮遊感のようなものを感じるけれど、これはe: HEVというホンダのハイブリッド・システムの特性によるものだ。
発電用と駆動用のふたつのモーターを持つこのシステムでは、市街地を走るくらいのスピードでは、エンジンは発電に専念して、駆動には関わらない。エンジンと発電用モーターで発電した電気で、モーターを駆動して走るのだ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiある程度、回転をあげないと力を発揮しないエンジンと異なり、モーターは電流が流れた瞬間に最大の力を発揮する。音も振動も高まることがないのに、アクセルペダルを踏んだ刹那にかなりの勢いで前に出るから、これが浮遊感を感じることにつながるのだ。
オデッセイのe: HEVシステムには「EVドライブモード」「ハイブリッドモード」「エンジンドライブモード」の3つのモードがあり、「EVドライブモード」を選ぶとエンジンは完全に停止して、バッテリー残量がある限りはピュアなEVとして走る。
Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui高速道路に入ると、今度はエンジンの出番だ。「エンジンドライブモード」ではモーターは休憩に入り、スムーズかつ伸びやかに回転を上げる2.0リッター直列4気筒エンジンの力で走る。
それぞれのモードはカチッと切り替わるわけではなく、シームレスに切り替わる。注意深く観察しない限り、モードが変わったことには気づかない。ドライバーは無意識のうちに、タウンスピードでは軽快な加速で快適に走り、高速ではホンダらしいさわやかなエンジンの回転感覚を味わいながら気持ちよく走る。
Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui高速道路やワインディングロードで感じるのは、なんのかんの言っても重心が低いほうが運転は楽しいし快適だということだ。
最近は背の高いミニバンでもグラっと傾いたり横風に煽られたりすることはなくなったけれど、それでも安定した姿勢ですいすいと走る低重心のオデッセイe: HEV アブソリュート・EXのハンドルを握っていると、素性のよさが伝わってくる。
Hiromitsu Yasuiタイトなコーナーでも「どっこらしょ」のコーナリングにはならず、素直に曲がってくれるから、運転好きな人が大型ミニバンを選ぶなら、オデッセイが最右翼だと改めて感じた。
路面からの突き上げを柳のように受け流してくれるのも、重心が低いことで無理やりにアシを固めなくても車体の傾きを抑え込めるからだろう。
室内も広々
後席を試す。オデッセイの全高は1695mmで、同クラスのライバルと比べて10cm以上低い。じゃあ頭上空間が足りないかというとそんなことはなく、フロアを低くした設計のおかげで広々としている。
フロアを低くできたのは、燃料タンクを極力薄くするとか、ハイブリッド用のバッテリーをコンパクトにして前席の下に積むとか、さまざまな工夫の賜物だ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui背が高くてドライバーが高い位置に座るミニバンより、フロアを低くしたミニバンのほうが運転は楽しいし、乗り降りも容易だ。
快活なパワートレーンと素直なハンドリングのおかげで運転が楽しいから、ドライバーは“運転手さん”にならずに済む。乗り降りが容易なうえに後席は広々、乗り心地もいいから後席に座る人も快適だ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiそう考えたところで、ホンダの「M・M思想」という言葉が浮かんだ。ご存知の方も多いように、これは「マン・マキシマム、メカ・ミニマム」の頭文字から生まれた言葉。つまり人間のためのスペースは最大に、機械が占める空間は最低限にしたクルマをつくろうというホンダの考え方だ。
“オラオラ”感やゴージャスな飾りはないけれど、ミニバンを必要とする人の期待にはきちんと応えてくれる。オデッセイは、そんなクルマだった。
Hiromitsu Yasui文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
これが新型オデッセイの
一番のウリなんですねわかりました。
何回繰り返すねんw
ミニバンって、もともとはこういう合理的な乗り物だったよなぁ、としみじみ感じた。
しらけるほど、クサい冒頭まとめ文章でこっちが恥ずかしくなる。 春風を顔に受けたようなって(笑) 比喩もヘタ打ちで、よくライティングを生業とできるなと。
代わりに、自動車評論家の肩書きぽいのがあるからOKとも? 大したレベルではないよ。多くがヒョーロンカもどき。
もしくは偏った審美眼とクルマ趣味感をズラズラ述べてるだけ。
で、とどめはシンプルにこれだよな。
”Hiromitsu Yasui”の連打。これは編集が校正、校閲すらせずにザルで流しているだけ。その証拠が露呈されている
酷い仕事のオペレーションだ。その証拠がそのまま反映されている。