現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 売り物なのにマジか!? クルマを知らないどころか間違えた情報を伝える新車セールスマンが増えた理由

ここから本文です

売り物なのにマジか!? クルマを知らないどころか間違えた情報を伝える新車セールスマンが増えた理由

掲載 72
売り物なのにマジか!? クルマを知らないどころか間違えた情報を伝える新車セールスマンが増えた理由

 この記事をまとめると

■最近の新車販売店では商品知識がない状態で接客しているセールスマンを見かける

たかが飲み物……ともいえない! 多様化する新車販売店の「ドリンク事情」でディーラーの立ち位置がわかる

■タブレットで情報を逐一確認しながら接客している姿が一般化してきた

■「意識の高い」セールスマンに出会う機会が減ってきている

 自社製品の知識も十分にないまま接客するセールスマンが増加

 筆者は仕事柄新車ディーラーへ出入りするのだが、最近気になることがある。セールスマンが自社取り扱い車両ついて十分な商品知識がないなか来店客に接している印象を受けるケースが目立ってきているのだ。

 確かに最近の新型車は、安全運転支援デバイスやコネクティッドシステムなど、装備は複雑化の一途を辿っている。また、メーカーオプションについては、いまや複雑な「セットオプション」も当たり前となっており、現場のベテランセールスマンからも、「新型登場直後ではとてもではないがすべてをマスターすることはできない」という話も聞いている。筆者は何も揚げ足取りをするつもりはない。細かいオプションの組み合わせなどを把握していないから「商品知識は大丈夫なのか?」と感じているわけではない。

 先日、あるメーカーの某車種を見に行く機会があった。3つのグレード構成があり、グレード間には安全運転支援デバイスなどの基本装備に差はなく、アクセサリーの有無でグレード間に差をつけていた。そこで「中間グレードはアルミホイールですが、廉価グレードは確かスチールホイールになりますよね」と聞くと、「いいえ、廉価グレードでもアルミホイールですよ」と、堂々と間違った説明をセールスマンがしてきた。ボディカラーの説明でも、有償色がどれなのかいまひとつ自信のないなか説明していた様子であった。

 聞くところ、新人セールスマンとのことなのだが、値引き交渉などでおぼつかないのは経験不足だから仕方ないともいえるが、商品知識は本人の取り組み方次第となる。新車販売に限らず、サービス業では「生返事」は御法度とされている。「わからないのなら、わかりませんと正直にいって調べる」というのが正しい接客となる。

 様子を見ていると、もち歩いているタブレット端末にライバル車とのスペック比較表などのデータがあるようで、そこに頼り切っている部分もあるようだ(もち歩けるのでその都度タブレットを見せて説明すれば事なきをえる?)。また、若い世代ほど紙ベースでの「カタログを読み込む」といったことも縁がないようで、やはりタブレット端末のデータベースのカタログをその都度見ながら説明するという商売が一般化してきているとも筆者は感じている。

「セールスマンの人事考課は販売台数よりも、『どれだけ利益を上げたか』がより評価されます。つまり薄利多売よりも、台当たり利益をしっかり確保して売るセールスマンがより評価されるのです」とは事情通。値引きをできるだけ抑えて販売するのが優秀なセールスマンとなる。

 ベテランともなれば人間関係を構築した「馴染み客」も多く、それほど難しいことではない。経験の浅い新人でも商品知識さえしっかり把握していれば稼ぎのいい新車販売が可能なはずで、商品知識をマスターし、お客の質問に即座に的確に返答でき、しかも独自にライバル車と比較したような情報まで提供できれば、お客との距離はぐっと短いものとなり、それほど値引き交渉が介在することなく受注することも可能となる。

 優秀なセールスマンにはメカニック出身が多かった

 そもそも、「トップセールスマン」とも呼ばれる優秀なセールスマンはメカニックから新車販売へ転用された人が多かったと聞く(いまは働き手不足なのであまりないようだが)。いまとは異なり、潤沢に新人メカニックを採用できたころは、メカニックとして一定のキャリアを積むと多くの人は新車販売業務へ転用となるケースが目立っていた。メカニックともなれば、商品知識以前に自動車の構造を知り尽くしているので、その語り口に対する信頼度は俄然高まっていき、それほど値引きをしなくても多数の新車を売ることになり、トップセールスマンになることが多かったようだ。

 ただし、これはあくまで傾向としての話となる。セールスマン個々にはそれぞれ独自の販売スタイルがあり、買う側であるわれわれ消費者もセールスマンに求めるものは異なるので、そのマッチングができたときに「新車を買ってもらえる」ということが成立するのである。

 ただし、お客が「売り子」という認識をもてば商品知識や自動車の知識はそれほど重要視されることなく、商談は値引き交渉に終始するだろう。一方で、「新車販売のプロフェッショナル」という印象を与えることができれば、「この人から買いたいなあ」という意識も高まり、それほど値引き要求もタイトなものとならないケースが多いようだ。つまり、セルフプロデュースという面でも、商品知識が中途半端もしくはタブレット端末頼みというよりは完璧に自分の「もの」にしていたほうがいいものと筆者は感じている。

 新車購入は納車後も法定点検などで担当セールスマンとのつきあいは続く。その意味では「頼れるセールスマン」を求める人も多いのだが、販売現場ではそのような意識を高くもったセールスマンに出会う機会が減ってきているように感じている。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
ヤリス・クロスの韓製ライバルの実力は? ヒョンデ・バイヨンに試乗 6速MTで軽快な走り!
AUTOCAR JAPAN
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
メルセデスAMG本社へはドイツ版新幹線「ICE」の1等車で! 優雅な旅を堪能できるかと思いきや、元気なオバサマたちに邪魔をされ…【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
ホンダ「0シリーズ」SUVが来月初公開へ 米CES 2025でプロトタイプ2車種を出展
AUTOCAR JAPAN
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
大人好みに進化したアウトランダーPHEV【九島辰也】
グーネット
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
“トヨタのなかでトップレベルで戦えるドライバー”平川亮のF1テストは「コースをはみ出すことすらなかった」と中嶋TGR-E副会長が評価
AUTOSPORT web
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
2025年始動、世界初の水素燃料ワンメイク競技『エクストリームH』がFIAのワールドカップ格式を取得へ
AUTOSPORT web
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
【ドイツ】プリウス顔な新型「ハイパークーペ」がスゴイ! 5リッター「V8」搭載のナラン・オートモーティブの新モデルとは
くるまのニュース
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
上海汽車傘下のMG、「半固体電池」搭載EVを2025年発売 コスパ強調
AUTOCAR JAPAN
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
国産最高級ミニバン『アルファード』『ヴェルファイア』に初のPHEVが登場。1065万円から
AUTOSPORT web
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
新SUV時代に挑むトヨタ、ミツビシ、シボレーの全15チームに対し異例の“ドラフト制”で布陣が確定/SCB
AUTOSPORT web
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
日本の道路事情にピッタンコ!? 旧型「ミニ」生産終了から四半世紀 なぜ高値安定なのか?
乗りものニュース
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
【メキシコ】日産の新型「キックス」が人気スギ!? 8年ぶり全面刷新で“大胆顔”に!全長4.3m級ボディ&「クラス超え上質内装」の「小さな高級車」が売れてる
くるまのニュース
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
ホンダが大型スクーターの「X-ADV」をアップデート! 新型ヘッドライトや先進装備の採用で「カッコよさ&快適性」が大幅アップ
VAGUE
輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた
輪留めは物理的なブレーキであると共に気もちのブレーキとしても重要! 輪留めがプロドライバーの意識を高めていた
WEB CARTOP
グーマガ 今週のダイジェスト【12/14~12/20】池田直渡氏、吼える!
グーマガ 今週のダイジェスト【12/14~12/20】池田直渡氏、吼える!
グーネット
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
[DSP大全]「イコライザー」をプロ並みに使いこなすスペシャル・テクを紹介!
レスポンス
ホンダウエルカムプラザ青山が本社ビル建て替えのため2025年3月31日で休館。最後のイベントを開催へ
ホンダウエルカムプラザ青山が本社ビル建て替えのため2025年3月31日で休館。最後のイベントを開催へ
AUTOSPORT web
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
F1タイヤの34%が未使用で”ムダ”に。ピレリのデータから浮き彫りになる対策の必要性
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

72件
  • lan********
    今乗ってる車、指名買いのようなものだったんだが、最寄りのディーラーの小僧店員は『欲しい人は他にもいますよ。見積もり?出す位はしますよ』ってな感じでもちろん0円値引き。
    冷やかしではなく、ちゃんと欲しい理由、買う気も伝えたんだけどね。
    何より買い替えざるを得ない状況だったのでその旨も伝えて。
    アイツ営業向いてないわ。
    カモがネギ背負って来たのにあんな対応しかできないんだもん。

    違う店舗に行って買いました。
  • uky********
    自分も某ディーラーで営業しているが、今の二十代の若い後輩を見ていて思うのは、車を売ると言う事だけに一生懸命過ぎて、会社がスキルアップの機会を用意しても全く勉強しようとしないし、何よりユーザーのニーズを理解しようとしないから、お客さんとの会話が成り立っていないのが解るし、それを注意しても全く気にしない。正直言って営業マンとしてと言う前に、人としてどうなん?と感じる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村