現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本車だけのオンリーワン装備! ほんとにこんなのありな唯一の装備7選

ここから本文です

日本車だけのオンリーワン装備! ほんとにこんなのありな唯一の装備7選

掲載 更新 29
日本車だけのオンリーワン装備! ほんとにこんなのありな唯一の装備7選

 新型車の開発にあたり、これまでにない斬新な装備の採用は開発者にとってはやりがいがあり、競合車との差別化となってオンリーワンの存在になる場合もある。

 しかしながら、それらのなかには時代のあだ花に終わったものや失笑を買うようなものも少なくなかった。今回は、日本のおもてなし精神が生み出したユニークな装備をご紹介しよう。

世界に類を見ない謙譲の12気筒――― 2代目センチュリーの魅力と知られざる真実

文/北沢剛司
写真/トヨタ、日産、ホンダ、三菱、スバル、スズキ、ダイハツ、ベストカーweb編集部

■自動で装着できるシートベルト

北米仕様のパッシブシートベルトをそのまま日本に持ち込んだ三菱エクリプスの電動フロントシートベルト。自動装着できるのは肩ベルトだけで、腰ベルトは手動で装着しなければならなかった

 トップバッターは三菱エクリプスの電動フロントシートベルト。1980~1990年代の北米向けモデルには、ドアを閉じると自動的に装着できるパッシブシートベルトが設定されていた。そのため左ハンドルのまま国内販売された初代三菱エクリプスや初代ホンダアコードクーペなどにはこの装備が採用されていた。

 なかでも三菱エクリプスでは電動フロントシートベルトを採用。ドアを閉じてイグニッションをオンにすると、シートベルトがAピラーから電動で運ばれ自動的に装着位置になるギミックだった。

 しかし、自動装着されるのは肩ベルトだけで、2点式の腰ベルトを別途装着しなければならないという根本的な問題があったため、1代限りの装備となった。

 一方のホンダアコードクーペでは、ドア側に肩ベルトと腰ベルトを内蔵し、シート横のバックルで3点式シートベルトの自動装着を実現していた。しかし、ドアを開くとシートベルトが行手を阻むように現れ、乗降性にも難があった。

 パッシブシートベルトは北米でエアバッグ装着が義務化されたことでほぼ姿を消したが、現在もホンダ・フィット e:HEVの福祉車両にはオプション設定されている。

■子どもの成長がわかる身長計

2代目ポルテとスペイドの助手席側Bピラーに装備された身長計。ママ目線で設計された車両ならではの唯一無二のアイテムだが、果たしてどれほど使われたのだろうか?

 トヨタが本格的なトールワゴンとして開発したポルテ。2004年に誕生した初代モデルでは、助手席ドアに大型電動スライドドアを採用。使い勝手の良いファミリーカーとして大いに支持された。

 そして2012年に登場した2代目ポルテと姉妹車のスペイドでは、子育て世代のユーザーに向けた驚きのお役立ちアイデアが実現する。

 それが子どもの身長が測れる身長計。助手席側Bピラーにデザインされた目盛りは80cmから120cmまでの計測が可能。中央に「100」の数字があるほかは線と丸でデザインされ、違和感を感じさせないよう工夫されていた。

 この身長計が実際どれほど役に立ったかは不明だが、自宅の柱で身長を計るよりはるかに手軽だったことは確か。欧米の自動車メーカーにとってはまったくアンビリーバボーなアイデアだったはずだ。

■おせっかいすぎるワイパー

レパード(左)とマークII(右)のサイドミラー。安全な後方視界確保に並々ならぬこだわりを見せた1980年代の日本車メーカー。トヨタは1989年の初代セルシオで超音波雨滴除去ミラーを採用し、さらなる進化を見せた

 雨天時のドライブでいかに安全な後方視界を確保するか。1980年代にはそのテーマに果敢に挑んだ日本車メーカーがあった。1980年に登場した初代日産レパードのフェンダーミラーには、世界初となるワイパー付電動リモコン式フェンダーミラーを装備。

 当時はその着眼点と「世界初」に感動したが、ワイパーがかえって視界を妨げるという本末転倒な状態に。そこで1988年の初代シーマでは、ワイパーがドアミラー上部のカーブに沿って装着するという進化を遂げ、ここにも技術革新の跡が見られた。

 そんな日産のチャレンジに刺激されたのか、トヨタにも驚きの機能が登場する。それが1988年登場の6代目マークII 3兄弟にオプション設定されたサイドウィンドウワイパー。ドアミラーではなくサイドウィンドウをクリアにすることで後方視界を確保しようとしたのは、日産に対する対抗心もあったのか。

 しかもワイパーだけでなくウォッシャー液も噴射できる高い機能性を備えていた。残念ながらバブル絶頂期をもってしても後方視界にそこまでこだわるユーザーは少なく、1代限りで終わってしまった。

■スペアタイヤの空気圧もチェック

4輪のタイヤ空気圧を警告する装備は一般的になったが、回転中のタイヤではなく、スペアタイヤの空気圧を警告する装備は珍しい。ある意味、究極の予防安全装備だ

 1981年に登場した6代目のR30型スカイラインには、スペアタイヤの空気圧低下を表示するスペアタイヤ警告灯が装備されていた。これはトランク内のスペアタイヤのタイヤバルブに空気圧モニターを接続し、エンジンがかかっているときに空気圧を測定するもの。

 標準タイヤでは空気圧が約2kg/cm2以下になったとき、R30の5ドアHBで日本初採用となった応急用スペアタイヤでは約4.2kg/cm2以下になったときにルーフコンソールの警告灯が点灯するしくみだった。

 まさに「転ばぬ先の杖」を体現する装備だが、そもそもスペアタイヤを使う機会自体がレアなので、ほぼ無用の長物だった。

■おしぼり冷温機

 1980年代のハイソカーを代表する装備のひとつが、キャバレーのソファを彷彿とさせるワインレッドのフカフカなシート。それまでの日本車にはなかったゴージャスなインテリアはバブル時代を予見する雰囲気だった。

 そんな良き時代の1987年に登場したY31型の日産セドリック/グロリアには、テレビ/ビデオデッキをはじめとするディーラーオプションが豊富に用意されていた。

 なかでも全モデルに用意されたユニークなオプション品が「おしぼり冷温器」。これはシガーライターのDC12V電源を使ったボックス型の温冷蔵庫。リアのハットトレイには飲料向けのクールボックスが別途装備できたので、完全におしぼり用に特化した装備だった。

後席にボディコン姿の女性が座っていて、クルマに乗り込むと女性からおしぼりが手渡されるという使い方をイメージしていたのだろうか? まさにオトナの空間をさらにイケイケにさせる装備だ

■車内の乾燥を防ぐ加湿器

後席乗員の乾燥を防ぐために開発された日産の「モイスチャーコントロール」。その高い設計思想とは裏腹に、ホテルの部屋とは根本的に異なるクルマでの使用状況は考慮されなかったようだ

 1980年代の日産の高級車には、後席のホスピタリティを充実させるオプション装備が豊富だった。なかでも特筆すべき装備が「モイスチャーコントロール」。

 Y31型のセドリック/グロリアとシーマにメーカーオプションとして設定されていた後席向けの加湿器だ。

 センターコンソール後端にピッタリ合うように設計されたこの装備は、内蔵された発振器により蒸気を発生させ、室内の乾燥を防ぐというもの。ガラスの曇りを防ぐために除湿するのが当たり前の車内空間において、真逆の価値観を提案するものだった。

■後席は天国、運転手は地獄のオットマンシート

 後席に大切な方を乗せる機会の多いショーファーカーでは、後席乗員の快適性を第一に考えた設計が行われる。

 日本を代表するショーファーカーのトヨタセンチュリーでは、後席左側に乗車する方のために、助手席のシートバック中央部を開いて足を伸ばすことができるオットマン機能付助手席シートが標準装備されていた。

 同社のクラウンや日産のセドリック/グロリアにも見られたこの装備は、限られた室内空間で足を最大限に伸ばすことができるため、後席左側の乗員にとっては素晴らしい装備だった。

 反面、運転手にとっては左側から足の臭いがプ~ンと臭ってくる状況だったのも事実。いくら仕事とはいえ、かなりブラックな環境だったことは想像に難くない。

助手席のシートバック中央部を開いて後席から足を伸ばせるつくりは、からくり技術のような素晴らしいアイデア。しかし、運転手のホスピタリティはまったく考慮されなかった

現行センチュリーのオットマン機能は、助手席が前方に移動してシートバックがオットマンになる方式に。シートバックが貫通しなくなったことは、運転手にとっても大きな朗報だったはずだ

 このような日本ならではのおもてなしを体現したユニークな装備は、結果的に時代のあだ花となって姿を消してしまった。しかし、設計者の前のめりな思いが伝わるそれらの存在は、われわれのハートをいまだに熱くさせてくれる存在だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
Auto Messe Web
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
AUTOSPORT web
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
くるまのニュース
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
VAGUE
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
WEB CARTOP

みんなのコメント

29件
  • こうしてみると、トヨタってなんのアイデアもないんだよな。パクるばっかりで。
  • シートベルトなんて アメリカの規則で着けただけですよ。
    この2台もアメリカへの輸出用ですから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村