近年は個性がないクルマは選ばれない時代に
「日本車はデザインがダメ」というのは、カーマニアの間では昔からの常識みたいなもの。「日本車最大の弱点はデザイン」と言い切ってもよかった。しかし、近年はそうでもない。かつて国内市場では、冒険的デザインはまずコケるというのが定説だったが、近年は逆。ある程度冒険的でないと刺激が薄くて消費意欲を促せなくなっている。
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世界市場でも同様。それが日本車のデザイン的冒険を促し、個性的なデザインを生み出していると言ってよかろう。ということで、2回にわたって、国産現行モデルの個性派デザインベスト10をお送りしたい。ちなみに判定は、不肖・清水草一の完璧な独断。笑って聞き流してくれ。
第10位/ホンダ・シビックタイプR
「あのデザインだけは勘弁してくれ」「いくらなんでも恥ずかしい」と言った声ばかりが聞こえてくるが、逆にここまで行けばアッパレだ。シビックタイプRの超絶ガンダム的デザインは、洗練とは真逆の武骨の極致。迷彩色に塗装すれば、無敵の戦車感が出せることは間違いなかろう。
第9位/トヨタ・クラウンアスリート
間もなくモデルチェンジだが、あの逆クリスマスツリーグリルの採用は、従来のトヨタデザインの殻をバリバリと破る英断だった。こうでなければ新たな道は開けないのである。パネル構成もなかなかに美しい。
第8位/トヨタ・プリウス
これまた「やりすぎ」「オーバーデザイン」と言われ、それが販売不振最大の原因とも言われているが、プリウスもクラウン同様、従来の殻を破っただけ。フォルムもディテールもスポーティかつ未来的で、3代目までの草食イメージを見事に打破している。とくにリヤビューには惚れ惚れする。
第7位/トヨタ・アルファード
「あのグリルはなんだ」「あまりにも威嚇的」との声が聴かれるが、これまたここまでやればスゲエ! と評価している。あの金歯剥き出し顔のインパクトは凄まじく、伸長著しいアジア諸国での訴求力は抜群だ。逆にヴェルファイアの顔は、殻を破れず物足りなくなった。
第6位/日産ジューク
個人的にはどうにも好きになれず、国内での評判も全般にいまひとつ。だが、あの複々眼フロントフェイスをはじめとして、世界に与えた衝撃の大きさを考えて6位とした。ジュークはコンパクトSUVのデザイン常識を確実に変えたのだ。
次回は5位から1位までを発表しよう。
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