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ルノー・メガーヌRS 300トロフィー 英国試乗 選ぶべきはカップシャシー仕様?

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ルノー・メガーヌRS 300トロフィー 英国試乗 選ぶべきはカップシャシー仕様?

もくじ

どんなクルマ?
ー 本物のパフォーマンスハッチ
どんな感じ?
ー 乗り心地は強烈 気になるフィール
ー 刺激が重要 問題はギアボックス
「買い」か?
ー カップシャシー仕様で十分
スペック
ー ルノー・メガーヌRS 300トロフィーのスペック

メガーヌ・ルノー・スポール・カップ、3/22日本発売 6MT搭載で限定100台

どんなクルマ?

本物のパフォーマンスハッチ

ルノー・メガーヌRS 300トロフィーは本物のパフォーマンスハッチであり、ルノーがありきたりな方法ではなく、徹底的なこだわりをもって、このメガーヌ最強のハードコアモデルを創り出したであろうことは、多くにご理解頂けるだろう。

「トロフィーとは毎日乗ることのできるサーキット用モデル」であり、一方「スタンダードなメガーヌRSは驚くほどのスポーツ性を備えた毎日乗ることのできるモデル」だというルノーの説明が、控えめながらも、このクルマの本質を表しているのかも知れない。

いずれにせよ、昨年末、ポルトガルを舞台にテストしたメガーヌRS 300トロフィーが、ようやく英国上陸を果たしたのだ。すでにマット・プライアーのレポートを目にしているかもしれないが、まずは、何がこのクルマをメガーヌRS 300トロフィーにしているのかを見てみることにしよう。


まず、この3万1835ポンド(464万円)のプライスタグを掲げるホットハッチでは、ルノースポール製カップシャシーが標準となる。ダンパーとスプリングはそれぞれ25%と30%締め上げられ、ご想像のとおり、アンチロールバーも10%強化される。さらに、トルセン式リミテッドスリップディフェレンシャルが組み込まれ、ブレーキキャリパーの色は赤だ。

ブレーキに関して、カップシャシー仕様のスタンダードなメガーヌRSではオプション扱いの複合素材ディスクがトロフィーでは標準となり、各輪で1.8kgのバネ下重量削減を可能にするとともに、軽量バッテリーを搭載することで、スタンダードなメガーヌRSに対して、マニュアルギアボックスを積んだトロフィーは18kgの軽量化を果たしている。

さらには、音量調整可能なバルブが仕込まれた抜けの良い新エグゾーストシステムが採用される一方、エンジンレスポンスの向上を図るべく、ターボチャージャーにはセラミックボールベアリングが使われている。その結果、トロフィーのパワーはスタンダードモデルから20psアップの300psに達しており、トルクも40.8kg-mへと引き上げられている。

オプションとして、サポート部分がアルカンターラ張りとなるレカロシートと、ブリヂストン・ポテンザ007が設定されているが、テスト車両にはレカロシートだけが装着されていた。

どんな感じ?

乗り心地は強烈 気になるフィール

すでに、カップシャシー仕様のスタンダードなメガーヌRSでさえ、非常に好戦的なモデルだとされているのだから、トロフィーがさらにその上を行っていたとしても、なんら驚きではないだろう。

乗り心地は、もはやふざけているのかと思うほど強烈で、トロフィーは路面との対話の替わりに、アスファルトをそのまま屈服させることを望んでいるようだ。このホットハッチからわずかでもしなやかさを引き出すには、それなりのスピードが必要であり、油圧式バンプストッパー無しでは、特に英国の路上をこのクルマで走り廻りたいとは思わないだろう。


その断固とした堅さによって、コーナーでメガーヌがロールすることはほとんどないものの、それでも、コーナーが連続するような場面では、最初に抱いた印象を考えれば、このクルマは思わぬ扱い易さを感じさせる。

驚くほどクイックなステアリング(ロック・トゥ・ロックはわずか2.25回転しかない)だけでなく、リアにも舵角を与える四輪操舵システムによって、コーナーでのトロフィーは、まるでショッピングカートのように車体中心を軸に旋回してみせる。レースモードを選択していれば、時速100km/hまでの範囲で、後輪には前輪と逆位相の舵角が与えられる。

だが、つねにやや人工的なフィールを感じない訳にはいかない。エキサイティングなモデルであり、メガーヌRSトロフィー(と、カップシャシー仕様のスタンダードモデル)は、現行ホットハッチのなかではもっとも辛口で、もっともシャープなハンドリングを持つ1台ではあるものの、その独特なドライビングフィールには慣れが必要だとして、積極的にこのクルマを選ぶ気にはならないかも知れない。

刺激が重要 問題はギアボックス

一方、ホンダ・シビック・タイプRであれば、慣れる必要などない。このクルマは、ドライバーの操作に対してはるかに忠実であり、その結果、すぐにドライバーは自信を持って、このクルマを思う存分走り廻らせることができる。さらに、中速コーナーでのアクセルオフに対しても、その挙動はよりマイルドであり、より幅広い領域でニュートラルステアを容易に味わうこともできる。

では、シビック・タイプRはメガーヌRS 300トロフィーと同じくらい刺激的なモデルだろうか? ルノーの容赦ない乗り心地に耐えることができるのであれば(タイプRにはアダプティブダンパーが採用されているのをご記憶だろうか?)、選ぶべきはメガーヌのほうだ。


メガーヌRS 300トロフィーはストレートでの速さにも不満はない。フロント駆動のメガーヌでは、同じようなパワーとトルクを持つゴルフRほどのダッシュは期待できないが、5.7秒という0-100km/h加速は、公道上では十分に速いモデルだと言うことができる。

同様に、より排気量の小さいハイパワーターボモデルの宿命として、ゴルフほどのレスポンスは見せてはくれないが、それでも、アクセルを踏み込んだときのターボラグなど一瞬のことだ。わずかにトルクステアも感じられるものの、問題になるほどではなかった。

だが、より大きな問題はその6速マニュアルギアボックスだろう。正確性は十分だが、そのシフトフィールは滑らかとは言えず、まず1度ニュートラルポジションへと動かしてから、シフトレバーを次のギアへと押し込む必要がある。この点に関してはシビック・タイプRのほうが上だと言えるが、タイプRのマニュアルギアボックスは、現在購入することのできるなかでは最高の出来を誇っているのだ。

「買い」か?

カップシャシー仕様で十分

メガーヌRS 300トロフィーは、エキサイティングな本物のホットハッチと呼べる存在だが、カップシャシー仕様のスタンダードモデルであってもそれは変わらない。さらに、サーキットで交互に乗り比べでもしない限り、トロフィーの軽量化の効果を感じることは難しく、それは強化されたパフォーマンスについても言える。


もちろん、メガーヌのトップに君臨するトロフィーが人気を集めるのは当然かも知れない。それでも、トロフィーとカップシャシー仕様のスタンダードなメガーヌ280 RSとの下取り価格の差が、それほど大きくはならないだろうことは付け加えておこう。

すべてを考慮したうえで、われわれの出した結論は、選ぶべきはカップシャシー仕様のスタンダードモデルというものだ。節約した2500ポンド(36万円)で、その分サーキット走行を楽しんでいただきたい。

ルノー・メガーヌRS 300トロフィーのスペック

■価格 3万1835ポンド(464万円)
■全長×全幅×全高 
■最高速度 261km/h
0-100km/h加速 5.7秒
■燃費 12.2km/ℓ(WLTP複合)
■CO2排出量 未公表
■乾燥重量 1419kg
■パワートレイン 1798cc 4気筒ターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 300ps/6000rpm
■最大トルク 40.8kg-m/3200rpm
■ギアボックス 6速マニュアル

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