8月17日、2024年MotoGP第11戦オーストリアGPのMotoGPクラスのスプリントがレッドブル・リンクで行われ、レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは17位、ジョアン・ミルは19位となっている。
ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は15位、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は16位で終えている。また、ワイルドカード参戦のステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)はリタイアとなった。
中上貴晶、初日から一転マシンの改善を確認「ブレーキングに自信が持てた」/第11戦オーストリアGP スプリント
新アイテムが持ち込まれた今週末、初日はFP1でミルが9番手、プラクティスではザルコが14番手、マリーニが16番手を記録。初日終了後、各ライダーは「フィーリングが改善した」など新アイテムをポジティブに評価するコメントを残していた。
2日目最初のフリー走行2回目では、ホンダライダーはセッションを通して、全員フロントにユーズドのミディアムタイヤ、リヤにユーズドのソフトタイヤという組み合わせを選択。ミルが1分30秒113で15番手、ザルコが1分30秒114と0.001秒差の14番手につけた。
予選Q1ではフロントにミディアム、リヤにソフトの組み合わせでほとんどのメーカーと同じタイヤ選択。1回目の走行を終えた時点でのオーダーはミルが9番手、マリーニが7番手、中上が8番手、ザルコが5番手、ブラドルが12番手となりピットに戻る。
リヤタイヤのみ新品に履き替え臨んだ2回目の走行、各車自己ベストを出していくなか、マリーニとミルは約0.5秒と大きく更新。ザルコも1分29秒165と更新するが、Q2進出を争う1分28秒台には届かなかった。ホンダ最速となったのは、1分29秒165で17番グリッドを獲得したザルコ。18番手にマリーニ、19番手にミルと続き、22番手に中上、23番手にブラドルというグリッドになった。
午後のスプリントは14周で争われた。タイヤ戦略は全車フロントにミディアム、リヤにソフトの組み合わせ。序盤は混戦となり、マリーニはスタートがうまくいかず、オープニングラップで18番グリッドから21番手へとポジションを落とし、ミルは好スタートを切るもラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)との接触で順位を落としてしまう。
また、ザルコは好スタートを切りオープニングラップで15番手に浮上。中上も一時17番手につけることができたが、2周目には19番手に落としてしまう。ブラドルはマシンの感触が良くなかったようで23番手を維持していたが、5周目でピットインしリタイアを選択した。
ザルコは終始安定した走りをみせ1分30秒~31秒前半のラップタイムを刻み、15位でチェッカーを受けホンダの最上位となった。中上も終盤に1分30秒台のタイムを出し、9周目にロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)を抜き、17番手に浮上。上位のライダーの転倒もあり、16位となった。
マリーニはサバドーリとのポジション争いで1分31秒後半までペースが落ちるも、オーバーテイク後の最後2周は1分31秒前半に戻して17位に。ミルは、中盤にトラックリミットの違反でロングラップのペナルティーを科され、8周目に22番手までポジションを落としてしまうが、ラストラップまで追い上げを見せ、19位でコントロールラインを迎えた。
オーストリアGPでの新アイテムの中には新しい仕様のエンジンも含まれており、そのセットアップに多くの時間を割いているようだ。日曜の決勝は28周で、土曜日と同じくタイヤに厳しいコンディションになりそうだが、スプリントの結果も踏まえポイント獲得への準備を整えていく。
■ルカ・マリーニ(予選:18番手、スプリント:17位)
「正直に言うと、スプリントはもっと上のポジションを狙っていたんだ。だけど、スタートがうまくいかず、暑さのためにカーボンブレーキのフィーリングをつかむのも難しく、厳しい走りを強いられたよ。ポジティブなことは、日曜日の決勝と今後の開発のために多くを学べたこと。レース中は追い上げながらまずまずのペースで走ることができたけど、オープニングラップで遅れたことが最後まで影響してしまったね」
■ジョアン・ミル(予選:19番手、スプリント:19位)
「今日はいいスタートを切ってポジションを大きく上げることができたけど、その後ラウル・フェルナンデスと接触して、順位を4ポジション下げてしまったよ。その後、ロングラップペナルティーを受けて、さらにポジションを下げることになった。ペースはよかっただけに本当に残念だ。明日も今日のようなコンディションとなれば、グリッドに並ぶ全ライダーにとって厳しいレースになると思うよ」
■ヨハン・ザルコ(予選:17番手、スプリント:15位)
「今日はフィーリングが改善し一歩前進できたと思っていたから、スプリントの結果はちょっと残念だった。序盤にミスをして、タイムロスしたことが影響したね。だけど、レース中のペースはよく、前を走る選手との差を縮めることができた。 順位を上げることはできなかったけど、前進できたと思う。明日の決勝は長くて厳しい戦いになると思うから、朝のウォームアップで最後の調整を行いベストを尽くしたいね 」
■中上貴晶(予選:22番手、スプリント:16位)
「マシンのフィーリングは昨日よりよくなりました。バランスを少し変えただけなのですが、ブレーキングにも自信が持てるようになりました。 スプリントでは序盤に順位を上げることができましたし、ラップタイムも安定していました。明日の決勝は28周の長い戦いになります。タイヤの選択が重要なので、コンディションを見ながら判断したいです」
■ステファン・ブラドル(予選:23番手、スプリント:リタイア)
「いつもと同じように忙しい週末を過ごし、自分たちのやるべき仕事に集中している。スプリントでは、スタートからフィーリングがあまりよくなかったのでピットに戻ることにした。今日はHRCのエンジニアのためにいろいろなことを試していたけど、早々にレースを終えてしまうことになった。でも、スプリントをフルに走らなくても必要なことは理解できたと思う。明日の決勝では、完走を目指すよ」
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