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BMWのフラグシップは、なぜスポーティ?──ディーゼルでもBMWらしさ健在! 740d試乗記

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BMWのフラグシップは、なぜスポーティ?──ディーゼルでもBMWらしさ健在! 740d試乗記

「ビッグセダンは、走りがいい」

そういうセオリーを聞いたことはあまりないかもしれないが、事実としては正鵠を射ているように思う。なぜなら、BMWセダンのトップ・オブ・ザ・レンジに位置する「7シリーズ」はその好例であるからだ。

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試乗した「740d xDrive」は、全長5m超のボディに、パワフルなディーゼル・エンジンを搭載する。“ディーゼル”と聞くと、スポーツ・セダンを好むひとは、食指が動かないかもしれない。ところが、ほれぼれするような走りが味わえる。

心臓部は2992cc直列6気筒ディーゼル・ターボ・エンジンである。BMWの直列6気筒エンジンといえばガソリン・エンジンが有名だけれど、たとえディーゼルでも、スポーティカーづくりが企業のDNAに組み込まれているBMWの底力を味わえる。

680Nmもの最大トルクを1750rpmから発生する設定だけあって、たとえ2tを超える車両車重だろうと、重さを感じさせない。見えない巨人の大きな手で、ていねいに、そして力強く、うしろから押されているような加速感は、ちょっと味わえない感覚だ。

740dにはじめて乗ったのは2017年の秋だったと思う。そのとき、ディーゼルらしからぬ繊細な回転マナーと、同時にガソリン・エンジンとは異なる太い低速トルクという、いいとこどりの組み合わせに感心した記憶がある。あらためて試乗した740dは、その記憶よりさらに磨きがかかった印象だ。

市街地ではウルトラ・スムーズな発進をみせるし、高速ではすこぶる快適だ。そしてもうひとつ、740dが能力を発揮するのがワインディングロードである。ステアリングホイールに軽く手を添えて操舵するだけで、タイトコーナーが連続する道でも、じつに身軽な動きで走り抜けるのだ。

姿勢変化は適度に抑えられている。フロントの外側はじわっと沈むが、それがまたいいかんじだ。姿勢変化を最小限に抑えるのも頼もしい。

ステアリングは正確で、右へ、左へ、そしてまた右へ、と、コーナーをこなしていくのを経験すると、3070mのホイールベースを持ち、かつぜいたくなリアシートが魅力ではあっても、特等席はドライバーズシートである、と確信する。

思えば7シリーズは、1977年に登場した第1世代から特等席はドライバーズ・シートであった。走りのよさが金看板なのは変わらないのである。

メルセデス・ベンツにも全長5125mmのボディに、3.0リッター直列6気筒ディーゼル・ターボ・エンジンを搭載する「S400d」という、すばらしい出来のセダンが存在する。740dの好敵手だ。

価格は、S400d 4MATICが1183万円であるのに対して、740d xDriveは1306万円と、100万円以上高い。価格差は主に装備差である。

2019年6月現在、日本における7シリーズのラインナップは、“エンジン・メーカー”ともいわれるBMWの、みごとなショーケースのようだ。2.0リッター直列4気筒ターボエンジン+モーターのハイブリッド仕様「740e」にはじまり、直列6気筒のガソリンターボとディーゼルターボ(今回の740d)、4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジン搭載の「750i」、それに6.6リッターV型12気筒ツインターボエンジン搭載の「M760i」が並ぶ。

私はこのなかで、ハイブリッド車以外はどれも運転した経験がある。それぞれ個性があり、12気筒のほうが6気筒より優れている…、といった階層のようなものは感じない。したがって、ディーゼルはディーゼルの良さがあり、ガソリン・エンジンに劣るとは思わない。

740dの武器は、ノーズの軽さによる操舵性の高さと、たっぷりしたトルク、それにメーカー発表でリッターあたり15kmを超える好燃費だ。とくに、距離を走るユーザーにはオススメしたい。

高級な大型セダンで、しかも楽しい。そうそう類のあるクルマではない。しかも、燃費にまで優れるなんて、740dのみかもしれないと、運転しながら思うのであった。

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