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マツダ初となるピュアEV「MX-30」を発売! 出そろった市販EV どのメーカーが抜け出すか!?

掲載 更新 41
マツダ初となるピュアEV「MX-30」を発売! 出そろった市販EV どのメーカーが抜け出すか!?

 環境規制が厳しくなり、世界的に電動化の流れができたことで、自動車メーカー各社もぞくぞくと新型EVを登場させてきている。国内メーカーでも日産『アリア』、ホンダ『ホンダe』、レクサス『UX300e』、そしてマツダが発売した『MX-30 EV』がある。

 海外メーカーも今後日本にEVを投入することが決まっており、群雄割拠の時代へと突入すると予想されるが、そんなメーカー各社の中でどこが頭ひとつ抜け出すことができるのか? 各社の現在地と期待値を考察していきたい。

トヨタの「ウーブンシティ」ついに2021年2月着工! 未来都市が抱く期待と課題とは!?

文/国沢光宏
写真/VW、MAZDA、NISSAN、SUBARU

【画像ギャラリー】自動車の未来を予見させるピュアEV。世界の最新事情を写真でチェックしよう!!

■ヨーロッパは普及に本腰! EVはゲームチェンジャーになり得る

 ヨーロッパは相当の勢いで電気自動車の普及が始まったように思う。2020年12月におけるEU27カ国の販売台数を見るとVWの電気自動車『iD.3』が総合で2位にランクされている。3位はテスラ『モデル3』です。

フォルクスワーゲンのピュアEV化戦略モデルの『ID.3』。日本での発売は2022年以降を予定している

 調べたところ、日本の通勤手当に相当する「カンパニーカー」(会社が社員に通勤用のクルマを貸与する社会システム)に採用されてます。

 ヨーロッパでは電気自動車に対し各種の補助金が出る。加えて電気自動車をカンパニーカーとして使うことも推奨されているし、そのほうが企業イメージだってよい。カーボンフリーを訴えるグレタさんにも怒られないですから。そんなこんなでイッキに電気自動車が売れ筋になってきた。ヨーロッパを見ているとゲームチェンジ感が強い。

 翻って我が国を俯瞰すると、電気自動車に行こうとするエネルギーは少ないように思う。そればかりか、メディアも「電気自動車が増えると電力不足になる」に代表される忌避論が主流。加えて車両価格が高く、燃費の良いハイブリッド車に勝てていない。電気自動車の市販で先行した日本ながら、今や完全に後進国となりつつあります。

 そんな状況ながら、国産車でも少しずつ電気自動車のラインアップが増えてきた。2020年秋に発売となった『ホンダe』を始め、レクサス『UX300e』、そしてマツダ『MX-30 EV』。夏前には日産『ARIYA(アリア)』といった具合。スバルもトヨタと組んで本格的な量販を狙うCセグメントの電気自動車をスタンバイ中。以下、直近の国内の動きをまとめてみよう。

■電動化社会をどう勝ち抜く!? 国産メーカーのEV戦略の行方

●トヨタ
 あまり話題になっていないけれど、日本勢で最も入念な準備を行っていると思う。そもそも「電池価格や電池寿命でユーザーに迷惑を掛けない」ということを大前提にしているため、外野から見ればナニもやってないように見えるんだと思う。今年、やっと動き出すようだ。最初はトヨタ本体と言うよりスバルとの協業です。

レクサス初のピュアEV市販モデル『UX300e』。2020年度は限定販売135台のみだった

 まだ詳細不明ながら、早ければ2021年4月の上海モーターショーでスバル開発のCセグメント電気自動車をワールドプレミアさせるようだ。デザインはすでにスバルがコンセプトカーを発表しており極めて近いと考えていい。海外勢とガチで戦える50kWh以上の電池を積み、価格もコストダウンが進む海外勢の競合車と同等に抑えるらしい。

●日産
 スバル/トヨタ開発の電気自動車に先駆け、年内に『アリア』を発売する。電池搭載量はベースモデルで60kWhと十分! リーフからハッキリ1世代進んだシステムになっているとのこと。Dセグメントのため500万円を切れればハイブリッド車と価格で勝負できるようになります。2021年は補助金も増額されるというウワサ。

日産インテリジェントモビリティを究極に体現する『アリア』。リーフで養ったEV技術を昇華し、ワンランク上の新たなピュアEV

 注目なのが軽EV。これまた2021年から補助金の増額も期待されるため、実質的な支払金額で160万円くらいになってくると(補助金総額70万円とすれば230万円ですね)、ランニングコストを含めガソリンエンジンの軽自動車と勝負できる。これまた価格設定次第。日産の電気自動車が売れるかどうかは価格戦略で決まってくるでしょう。

●ホンダ
 国内販売モデルという点では今のところ『ホンダe』に続く”二の矢”は存在しない。ニーズのあるところで作りニーズのあるところで売る、という割り切った戦略だ。

 アメリカはGMと協業。中国も東風汽車などと協業して中国の電池積んだモデルを現地で勝負できる価格で売る。国内向けはしばらく改良する予定のないホンダeのみ。

ホンダの夢が創ったワクワクする車『ホンダe』。初代シビックを意識したデザインは、円と長円を基調にした普遍的な美しさをもつ

●マツダ
 MX-30 EVのハンドルを握ると「ハイブリッドを含むエンジン技術で決定的な遅れを取ってしまったマツダながら電気自動車でリスタートすればTOPクラスに出られますね!」と思った。もう少し大きい容量の電池を積み、200馬力くらいのモーターにすれば現在販売している電気自動車の中で最もバランスいいかもしれません。

マツダ初の量産電気自動車『MX-30EV』。ピュアEVになっても低重心、高剛性骨格で、人馬一体はさらに深化した

 新興勢力だけでなく、既存の自動車メーカーにとっても電気自動車作りは素晴らしいチャンスになる。MX-30 EVの開発担当者も電池容量を増やしていきたいと考えているようなので、ポテンシャルを感じます。

 ただマツダという企業全体が硬直化しているため、電気自動車に注力するかどうか大いに疑問。やればできるのに……と思う。

●その他
 電気自動車で先行した三菱自動車ながら、ここにきて進化していない。インフォメーションすらなし。 アウトランダーPHEVのエンジンを降ろして電池を積めばいいと思うのだけれど。ダイハツとスズキはトヨタ頼み。安価な電池を調達できるようになったらいつでも良質の電気自動車を作れる。ただ中国から安価な小型電気自動車が入ってくると防戦に苦労する?

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みんなのコメント

41件
  • >>MX-30 EVの開発担当者も電池容量を増やしていきたいと考えているようなので

    地球環境のために敢えてあのスペックのバッテリーを選んだんじゃなかったけ?
  • 「マツダという企業全体が硬直化しているため、電気自動車に注力するかどうか大いに疑問。やればできるのに……と思う。・・・」
    マツダの経営は過去にいくつもの大きな失敗をしているのに、あまり学べていない。
    技術のマツダとして、今も、ロータリーエンジンをはじめ、いろいろと頑張っていると思うが、
    それらが商売に直結しているとは言いがたい。
    今後の業界再編成のことまで考えたら、マツダの開発陣に主導権を残しつつ、
    経営等ではトヨタにしっかりと学び、欧米/中国自動車業界に潰されないよう、
    「日の丸」自動車の一員として、トヨタ傘下にいることはとても重要なことだと思う。
    とにかく記者氏が気にしているマツダの経営下手は、過去に何度もマツダの会社存亡の危機を招いたのだから、
    つまらぬメンツを経営陣は捨ててもらいたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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