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実は「大本命!?」 SUVに大変身した新型「クラウン」シリーズにあえて「セダン」が残された理由とは

掲載 更新 64
実は「大本命!?」 SUVに大変身した新型「クラウン」シリーズにあえて「セダン」が残された理由とは

■「クラウン」開発を一度白紙に!? その後新たに誕生した4つのラインナップ

 トヨタは2022年7月15日、16代目となる新型「クラウン」を発表しました。フルモデルチェンジを機に大変貌を遂げ、SUVテイストを加えたモデルを中心に4つのバリエーションを用意したことで大きく話題を呼んでいます。
 
 そこには、従来の流れを継承する4ドア・3BOXスタイルの「セダン」もしっかりラインナップされていました。ここでは新型クラウン セダンの位置づけについて紹介します。

【画像】「これぞ正統派!」トヨタ 新型「クラウン セダン」を写真で見る(23枚)

 1955(昭和30)年に誕生した初代以来、トヨタ クラウンといえば4ドアセダンのボディタイプを基本としてきました。

 世界的にもセダンはもっともフォーマルなボディタイプとされ、ドイツやアメリカ、イギリスなどの名だたる高級車メーカーでは、いまも4ドアセダン車を主力のフラッグシップモデルとして位置づけています。

 2018年6月にフルモデルチェンジした先代(15代目)クラウンも、コネクティッド機能の拡充や走行性能の磨き上げなどを通じて、新たな高級セダン像を提案していました。

 そんな15代目クラウンもデビュー後約2年が経過。通例通りのマイナーチェンジモデルを開発チームが提案しています。

 しかし豊田章男社長は「本当にこれでクラウンが進化出来るのか? マイナーチェンジは飛ばしてもよいので、もっと本気で考えてみないか」と伝え、開発が白紙に戻されたといいます。

 これはクラウン開発部門を統括するトヨタの中嶋 裕樹 ミッドサイズ・ビークルカンパニー プレジデントが、7月15日におこなわれた新型クラウン発表披露会の席で明らかにしたエピソードです。

 そして16代目クラウンの第一弾として今回発表されたのは、固定概念にとらわれず新発想で開発されたという、セダンとSUVを融合させた「クラウン クロスオーバー」でした。

 豊田社長はクロスオーバーの承認後、意外な宿題を投げかけて中嶋氏を再び驚かせます。

 ここで改めて新型クラウンの「セダン」も考えてみないかというのです。

 そこで多様性の時代を考慮しながら中嶋氏が提案したのが、全部で4つのラインナップから構成される新型クラウンの姿でした。

 エモーショナルな雰囲気とスポーティな走りを兼ね備えたミドルSUV「クラウン スポーツ」。

 大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なラージSUV「クラウン エステート」。

 そして正統派セダンとして用意されたのが「クラウン セダン」です。

 先代のクラウン(15代目)は全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mm、ホイールベース2920mmだったのに対し、新型(16代目)の新型クラウン セダンは、全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mm、ホイールベースは3000mm。

 全体に余裕が増した堂々たるグローバルサイズへと進化しています。

 先代クラウンでは、従来にない6ライトウィンドウ(Cピラー・乗員後ろの柱部分に窓を備えるスタイル)とし、イメージを刷新しました。

 2018年の発表当時、トヨタは6ライト化の狙いについて「伸びやかで流麗なサイドシルエットの実現を目指した」と説明しています。

 新型クラウン セダンも、この6ライトウィンドウのスタイルを継承しています。

 前出の中嶋氏は発表会の席で「正統派セダンとして、新たなフォーマル表現と共に、上質さ、快適さを追求しました。ショーファーニーズにも十分お応えできるモデルです」と紹介しています。

※ ※ ※

 ショーファーとはフランス語で「お抱え運転手」を指す言葉です。

 日本では近年、政治家や会社役員などのショーファー送迎に、高級ミニバン「アルファード」を用いるケースが増えています。

 とはいえ世界的にはいまも、ショーファーニーズは、フォーマルな高級セダン車が担っています。日米欧の高級車メーカーがフラッグシップセダンをラインナップし続ける大きな理由も、ここにあります。

 トヨタでは新型クラウンを、世界約40の国と地域で販売するグローバルカーにするとしています。

 欧米などにはほとんど輸出されず、グローバル市場ではほとんど知られていないクラウンのブランドですが、日本では高級車として67年に及ぶ長い歴史を有しています。

 トヨタの高級車「レクサス」は1989年に北米でスタートし、30余年の歴史を重ねたプレミアムブランドですが、クラウンはその倍の歴史を持っているということになります。

 欧米の有名高級車ブランドに対抗しうる歴史の長さは、新型クラウン セダンにこそ生きる大きな価値を秘めています。新生クラウン、なかでもセダンの新たな活躍の拡がりに注目が集まります。

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みんなのコメント

64件
  • 買えない人たちの妬み嫉みが酷い。
  • ミライベースFRセダンの全長は発売時には間違いなく5m以内、例えば4995mmに変更されるはず。御曹司がセダン開発をSUV承認の後に提案してきたという、開発責任者の言葉は全く信用できない。このFRセダンを遅れて開発するはめになったのは、日本全国の販社からSUVオンリー化への猛反対が有ったからで、御曹司もさすがにオール販売の意向には従うしかなかったものと思われる。クラウンを崩壊させた話を美談チックにねつ造するなと言いたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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