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日産「GT-R」やマツダ「ロードスター」 平成元年生まれのクルマが海外で絶大な人気を誇る理由とは

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日産「GT-R」やマツダ「ロードスター」 平成元年生まれのクルマが海外で絶大な人気を誇る理由とは

■「GT-R(R32型)」に「ロードスター(NA型)」、いずれも登場は平成元年

 平成元年(1989年)は日本車のヴィンテージイヤーと呼ばれています。それは世界の自動車メーカーに多大なる影響を与えた、革新的な車種を多数輩出した年だからです。

わずか197台… 幻の2代目「スカイラインGT-R」とは

 日産「スカイライン GT-R(R32型)」は、16年ぶりに伝説の「GT-R」が復活するという話題だけでなく、レースに勝つことを前提に設計された2.6リッター直6ツインターボエンジン「RB26DETT」、速く走るための電子制御トルクスプリット四輪駆動システム「アテーサE-TS」などの技術を惜しげもなく投入。

 市販車に近い姿で戦うGr.Aレースでは無敵の強さを誇りました。ハイテクで乗りやすく、しかもめっぽう速いという考え方は世界中が衝撃を受け、現在のスーパースポーツカー「GT-R(R35型)」が生まれる基礎も作りました。

 同じくマツダの初代「ロードスター(NA型))」は、1.6リッターを軽量な車体に積みFRレイアウトを採用した「2シーターライトウエイトオープンスポーツの原点」に帰ったクルマとして、世界中に大きなインパクトを与えました。

 その影響は、スポーツカーの名門・ロータスにフォロワーとして「エラン」を送り出させ、ポルシェは「ボクスター」を、メルセデス・ベンツでは「SLK」を、BMWも「Z3」といった小さめのオープンスポーツカーを次々と開発したほどです。

 一方、高級車のジャンルでは、トヨタが「セルシオ(初代)」を送り出しています。それまでの国産高級車は国内ターゲットが主で、5ナンバーサイズの枠ありき、内外装も日本人好みの意匠が取り入れられる傾向にありました。

 しかし、「セルシオ」は、トヨタが北米で新たに立ち上げた高級車ブランド「レクサス」のクルマ「LS400」として開発されたこともあって、世界の高級車に負けない操縦性や性能、さらにそれらを超える静粛性や快適性を目指して登場しました。

 このほか平成元年には、日産「フェアレディZ(Z32型)」、スバル「レガシィ(初代)」など後世に名を残す名モデルが誕生しています。

「ロードスター」、「スカイライン GT-R」、そして「セルシオ」の登場で、それまで海外のクルマを追いかけていたような印象があった日本車が、一気に世界の流行を仕掛ける中心的存在に。

 そして、海外のメーカーが日本のクルマを目標とするほどになりました。平成元年は、その意味でも記憶されるべき年なのです。

■海外への輸出で国内市場の価格も高騰中

 平成元年生まれ車種では、「ロードスター(NA型)」や「スカイライン GT-R(R32型)」は現在でも人気が高く、中古市場で活発に取引が行われています。

 初代「ロードスター」は、最近大きく価格が高騰しており、これらのクルマの人気は国内にとどまりません。なかでも「スカイライン GT-R(R32型)」は、北米への輸出が多くなっているのです。

 アメリカでは、輸入車に対して厳しく、正規で輸入されなかった車種は一定期間の間上陸が許されないという決まりが連邦自動車安全基準(通称:FMVSS)にあります。

 FMVSSでは、右ハンドル車も許可されません。それがいわゆる「25年ルール」で、2019年の場合では1994年式のクルマがようやく北米で走ることができるのです。

 そのため、「スカイライン GT-R(R32型)」は2014年夏に輸入が解禁となりました。2019年で製造から25年を迎える1994年は、R32型の最末期。程度も良く走行距離が少なめの個体が、北米にわたることも多くなっていくでしょう。

 なぜ、これほどまでに北米で「GT-R」の人気が高いのでしょうか。それは、「GT-R」が出演する映画の影響もさることながら、長きにわたって日本に『未知のモンスターみたいな市販車がいる』のを知っていたのに、25年ルールのため走らせることすらできなかったなど、ファンの間で半ば神格化していたことなどが理由にあげられます。

 そもそも北米には、「燃費がいい」「故障が少ない」「価格が安い」などの理由から日本車を好む文化が背景にあることや、さらに北米に正規輸入されていない「性能が高い日本車」に憧れる傾向や、北米仕様の日本車を日本仕様に改造・日本製のチューニングパーツでカスタムする「JDM(Japanese domestic market)」というジャンルが存在。

 そのため、今回取り上げた平成元年生まれのクルマ以外にも、80年から90年代の日本車が多数北米に輸出されています。ホンダ「シビック」「CR-X」、「シルビア(S13型)」など、走り屋やドリフトの影響を受けたクルマのほか、25年ルールが除外された1994年式の日産「セドリック・グロリア(Y32型)」までもが北米の地を踏み、北米流カスタムが施されることも。

 JDMの究極は「右ハンドル」なので、日本仕様そのものを買って乗ることは、北米の日本車趣味人には最高の到達点の一つといえます。

 日本車ブームは、北米だけにとどまりません。欧州でもJDMカスタムや日本で走っていたクルマの輸入が盛んです。代表例は、日産「フィガロ」で、英国を中心に欧州各国に数多くのファンがおり、オーナーズクラブまで存在します。フィガロは日本専売車ですので、もちろん全車が海を渡って欧州に向かいました。

 今後も、引き続き海外に続々と日本車が輸出されていくはずです。それによって、すでに少なくなっている国内市場での個体数がさらに減って、一層の価格高騰を招くことが予想されます。

 今回、取り上げた平成元年生まれのクルマたちだけでなく、90年代日本車の価格動向に注目です。「欲しい!」と思ったら手が届かない、ということが起きるかもしれません。

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