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なぜトヨタ「カローラ」人気再燃? 新型モデルのヒットの裏に脱オジサン車

掲載 更新 11
なぜトヨタ「カローラ」人気再燃? 新型モデルのヒットの裏に脱オジサン車

■久しぶりに「プリウス」を抑えた「カローラ」

 2019年9月17日に発売したトヨタ新型「カローラ/カローラツーリング」の販売が好調です。かつてトヨタをけん引していた「カローラシリーズ」が、同社「プリウス」を抜いて2か月連続で首位になっています。

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 なぜ、新型カローラシリーズの人気が再燃しているのでしょうか。

 カローラの初代モデルは、1966年に誕生しています。その後、国内登録車販売台数ランキングにおいて1969年から33年連続で1位を獲得。その後も、2003年から2007年に1位になるなど、トヨタブランドをけん引する存在でした。

 しかし、2009年に登場した3代目「プリウス」は、2010年(31万5669台)、2012年(31万7675台)と過去にもあまり例がない年間の販売台数が30万台を超える記録を2度も達成し、「トヨタ=プリウス」「プリウス=ハイブリッド車」といえるほど、世界的に人気なモデルとなったのです。

 その間、日本などでカローラは、「カローラアクシオ(セダン)」と「カローラフィールダー(ワゴン)」として販売されていましたが、前述の2019年9月にカローラ(セダン)/カローラツーリング(ワゴン)に車名を変更して、新たに発売されました。

 新型カローラシリーズは、初期受注にあたる2019年9月17日から10月16日の1か月で、カローラが約5400台(月販目標台数1700台)、カローラツーリングが約1万3700台(月販目標台数5400台)を受注しています。

 また、同時に一部改良がおこなわれたハッチバックタイプの新型「カローラスポーツ」は同期間で約3000台(月販目標台数2300台)を受注し、カローラシリーズ全体で約2万2000台の受注を記録。いずれのボディタイプも月販目標台数を上回る結果となりました。

 さらに、登録車販売台数ランキングにおいて、10月(1万1190台)、11月(1万705台)の2か月連続で首位に輝くとともに、2008年11月以来の11年ぶりに月間ランキングで首位になったのです。

 なお、プリウスは、同10月は4位(6898台)、同11月は3位(8375台)と、好調な販売台数を保ってはいますが、久しぶりにカローラに軍配があがった形となります。

 トヨタは新型カローラシリーズが好評となっている理由について、次のように話します。

「スポーティな外装や上質な走りと乗り心地が好評点となっています。装備面では、ディスプレイオーディオを搭載した、スマートフォンとの連携でより身近になったコネクティッドサービス、そして自転車や夜間の歩行者検知が可能な最新の『Toyota Safety Sense』(全車標準装備)も好評です」

※ ※ ※

 初期段階のグレード別受注実績では、カローラでは「S」グレードが約4割、カローラツーリングでは、上級グレードの「W×B」が約5割を占めています。

 また、カローラシリーズの販売状況について、トヨタの販売店は次のように話します。

「新型カローラシリーズは、従来の40代から50代はもちろんのこと、20代後半から30代のお客さまにもご購入頂いております。

 新型車ということもあり、質感・乗り心地・装備・燃費など総合的に高評価を頂いているほか、新型カローラシリーズのデザインが良いという声もあるようです。

 また、最近はステーションワゴンタイプの人気が低迷していたといわれていますが、カローラツーリングは、スポーティなスタイル、ワゴンならではの積載性、プリウス並の燃費ということもあり、アクティブなニーズを持つお客さまから支持されています。

 なお、2019年12月時点での納期時期は、グレードや色にもよりますが1か月から2か月です。」

※ ※ ※

 なお、前述の登録車販売台数ランキングの統計方法は、「国産メーカーの同一車名を合算したもの」です。

 カローラでは「カローラ+カローラツーリング+カローラスポーツ+カローラアクシオ+カローラフィールダー」、プリウスは「プリウス+プリウスPHV+プリウスα」となります。

 そのため、新型カローラシリーズ(一部旧型モデル)がランキングの統計上で優位ではありますが、低迷気味だったカローラブランドが復活したことは事実だといえます。

■新旧「カローラシリーズ」はどれだけ進化した?

 先代モデルとなるカローラアクシオとカローラフィールダーは、引き続き販売されるといいます。新型モデルと併売する理由について、トヨタは次のように話します。

「法人のお客さまを含めた幅広いニーズに対応するため、先代モデルのカローラアクシオとカローラフィールダーは、設定グレードや一部の装備を見直して、引き続き販売します」

 では、法人向けに残される先代モデルから新型モデルでは、どのような進化しているのでしょうか。

 ボディサイズでは、セダンのカローラアクシオが全長4400mm×全幅1695mm×全高1460mm-1485mm。新型カローラは全長4495mm×全幅1745mm×全高1435mmです。

 ワゴンのカローラフィールダーは、全長4400mm×全幅1695mm×全高1470mm-1500mm。新型カローラツーリングは全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmとなり、セダンとワゴンは5ナンバーサイズから3ナンバーサイズに大型化しています。

 また、ボディサイズは大きくなりつつも、最小回転半径は、従来モデルと同等の5mを実現しています(16インチ、17インチタイヤ装着車は5.3m)。

 パワートレインは、先代カローラシリーズがガソリン車(2WD/4WD・1.5リッター)、ハイブリッド車(2WD・1.5リッター+モーター)の2種類を設定し、ガソリン車にはMT仕様もラインナップされていました。

 新型カローラシリーズのパワートレインは、先代モデル(ガソリン車/ハイブリッド車)に設定されていた1.5リッターエンジンから1.8リッターエンジンに変更。また、ハイブリッド車には、「E-Four(電気式4WDシステム)」を設定することで、加速時や雪道などの滑りやすい場面で走行安定性と低燃費に貢献しています。

 さらに、カローラスポーツに設定されている1.2リッターガソリンターボエンジン(6速MT)の設定もあり、全3種類のパワートレインが用意されています。

 安全・快適装備などにおいては、最新の安全装備「Toyota Safety Sense」を全車標準装備するほか、トヨタの国内モデル初となるディスプレイオーディオの標準搭載とスマートフォンとの連動などコネクティッドサービスを充実させました。

 内装デザインでは、基本的な部分をカローラ/ツーリングで共通化していますが、より積載性を重要視するツーリングの荷室部分に、リバーシブルデッキを設定して荷室床面の高さを2段階に調整することが可能です(仕様によって1段階の設定もある)。

 価格差(消費税込み)では、セダンのカローラアクシオが154万6600円から212万3000円、新型カローラは193万6000円から275万円です。

 ワゴンのカローラフィールダーは、169万8400円から228万1400円、新型カローラツーリングは201万3000円から 279万9500円となっています。

 先代カローラシリーズについて、販売店は次のように話します。

「メーカーからのアナウスがあったように、新旧モデルで併売はされているものの、ほとんどは法人が社用車として使うというケースです。

 しかし、新旧を比較検討されているお客さまは一定数いらっしゃいます。家の駐車スペースの関係で5ナンバーサイズに限られる場合や、年配者であればシンプルな操作性の方が良いといわれる人もおります」

※ ※ ※

 新型カローラは、基本性能や安全・快適装備の向上など、さまざまな部分が進化しています。しかし、年々巨大化しているクルマのボディサイズにおいては、小さいサイズを好むユーザーも多いほか、多機能過ぎて使い切れていないのも事実です。

 そのようなニーズのためにも、意外に先代カローラシリーズは重宝されているのかもしれません。

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みんなのコメント

11件
  • 色んな方々が言われてる様に最初は試乗車やレンタカーでの登録が多いので本当の実力としての販売台数は3ヵ月過ぎてからでしょ
  • プリウスがおっさん車になりつつあるので、ハイブリッド買うならコッチの方がいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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