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タフギアなのに上質な日産新型「エクストレイル」、ついに日本上陸。このSUVは「ヨンク」のイメージを覆す

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タフギアなのに上質な日産新型「エクストレイル」、ついに日本上陸。このSUVは「ヨンク」のイメージを覆す

およそ9年ぶりに、日産エクストレイルがフルモデルチェンジを果たした。内外装のデザイン、走行性能に関わるメカニズムなど、4代目の進化はすべてに「上質感」が追求されている。たとえ定番と言われた人気SUVでも、タフで先進的なだけでは生き残れない時代がやってきた。

ユーザーのコアは40代へ。ライフスタイルへのこだわりも「大人に」
2022年7月21日、日産は4代目となる新型エクストレイルを日本市場向けに発表した。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

2000年に誕生した初代T30以来、エクストレイルは「タフギア」「No Limit」といった刺激的なキャッチコピーで、若者から注目された。2007年登場の2代目T31もそのコンセプトを受け継ぎ、定番アクティブビークルとしての地位を不動のものとしてきた。

2013年デビューの3代目T32では「Advanced TECH.」という謳い文句を掲げ、インテリジェント4WDシステムや1モーター2クラッチ・パラレル方式のハイブリッド、プロパイロットに代表される先進技術などを積極的に導入。ワイルドでありながらインテリジェンスに溢れた、新世代SUVへと生まれ変わる。

そして4代目T33は、そこからさらなる高みを目指すことになった。メインテーマはずばり、「Refined:上質」だ。

単純に価格帯で比較してみると、全体的に上級レンジにシフトしていることは明らか。先代の最終型が2WDモデルで316万1400円~391万4900円だったのに対し、新型は319万8800円~484万6600円。4WDモデルでは248万2700円~412万5000円だったものが、347万9300円~504万6800円と、総じて100万円近く高価になっている。

とはいえ、MR20DD型を核としたコンベンショナルなガソリンモデルやハイブリッドがラインナップから消滅し、全車が最新のe-POWERにスイッチしたこと、4WD車に革新的な4WDシステム「e-4ORCE」や3列シート7人乗り車が設定されたことなど、中身の進化ぶりを考えれば十分納得がいくことだろう。

日産のマーケティングによれば、昨今のL/MクラスのSUV市場は40代以上のユーザー比率が急上昇しているという。購買層の収入レベルが上がるにつれて、購入されるクルマの価格帯も10年前に比べると、明らかに高級志向に変化しているようだ。

新型エクストレイルはそうしたトレンドに、味わいとしての「上質・感」だけではなく「リアルな上質さ」で応えようとしている。そのためにデザイン、メカニズムが徹底的にブラッシュアップされたのだった。

コンパクトなのにゆとりたっぷりの新プラットフォーム
上質でありながらアウトドアも楽しめる本格SUVを目指した新型エクストレイルの開発に当たって、日産は「ヨンクのイメージを変える」という野望を掲げてきた。

そのため新型エクストレイルでは、「上質で広々とした室内」「SUVの常識を変える俊敏かつ上質な走り」「SUVの走破性に意のままの走りをプラス」「ドライブをより快適にする先進装備」という4つのポイントにこだわりながら、煮詰められていったという。

キーとなるテクノロジーは3つ。新プラットフォームと日本初導入となるVCターボと組み合わされたシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」、そして4WDそのもののイメージを覆す「e-4ORCE」が挙げられている。

新プラットフォームの特徴はコンパクト化された全長だ。ホイールベースは2705mmで先代と変わらないが、全長は30mm短い4660mmとされた。これにより最小回転半径は5.4m(先代比マイナス0.2m)に改善している。全高は20mm低い1720mmで、ワイド&ロー感が強いフォルムだ。

一方で室内空間の広々感は、大きくゆとりを増している。とくに後席は薄型シートの採用などとあいまって膝まわりの広さが拡大、前後スライド量は従来比+20mmの260mmが確保された。リアドアは開口部が広く90度開くので、お年寄りなどの乗り降りもラクになっているようだ。

静粛性とドライバビリティにこだわった新開発e-POWER
日産が世界に先駆けて開発した量産型可変圧縮比(VC)ターボエンジンと、新開発e-POWERのコンビネーションは、より力強く、静粛性に富んだ走りを実現している。

フロントモーターはノート比で出力は76%、トルクは18%向上した最高出力150kW/最大トルク330Nmを発生、さらに4WDモデルのリアモーターもノートで搭載されたものに対してほぼ2倍に近い100kW/195Nmというパフォーマンスを発揮する。

発電を担う1.5L 直43VCターボは、圧縮比を8~14まで自在に変化させることで、走行状況に合わせて排気量換算で1.5L~2.8Lに相当する最適化を行う。同時にエンジンの回転数変化と加速感をスムーズにフィットさせる「リニアチューン」(欧州仕様での技術名)などによって、美味しいところを常に気持ちよく使い切ることのできる、スマートなパワートレーンが実現した。

路面検知による発電制御などエネルギーマネジメントが最適化されているため、エンジンの作動頻度を低減。新プラットフォームによる優れた遮音性が、室内への音の侵入を徹底的に抑制している。

操ることが楽しくなるe-4ORCEと、ワンペダルドライブ
「まったく新しい4WD」を標榜する「e-4ORCE」は、市街地を中心とする日常生活から、時にワインディングでのスポーティな走り、あるいは雪道やオフロードといった非日常的シーンでも、あらゆる走行性能をレベルアップしてくれる。

システムは、各駆動輪のグリップ限界を算出すると、前後モーターと左右ブレーキを最適に統合制御するもの。4輪を制御するため、たとえば減速時には姿勢変化を抑制することも可能だという。フラットな姿勢でのブレーキングはパッセンジャーの快適性にもつながる。クルマ酔いの防止効果も期待できる優れものだ。

新型エクストレイルのe-POWERは、「AUTO」「SPORT」「ECO」「Snow」「Off-road」の4つのドライブモードを設定。電気モーターによるドライブ体験に、新鮮な歓びを感じさせてくれる。ワンペダルコントロールシステム「e-Pedal Step」を積極的に活用することで、さまざまな走り方を楽しむことができそうだ。

採用される「プロパイロット」の豊富な機能も、見逃せない。ナビリンク機能、SOSコール機能付き緊急停止支援システム、プロパイロットパーキングなど、さまざまな意味でドライバーコンシャスな先進機能で、安心のドライブをサポートしてくれる。「ハローニッサン」で使いこなす対話型インターフェイスも、使いこなすのが楽しみな新装備のひとつだ。

スタンダードモデル以外に、タフギアイメージを強めた「エクストリーマー」や「AUTECH」もラインナップ。NISMOからもさまざまなパーツがリリースされる。7人乗り仕様の設定も合わせて、新型エクストレイルのグレードチョイスは、なかなかに悩ましいものになりそうだ。

■新型エクストレイル ラインナップ&プライス
◎2WD KR15DDT×フロント電気モーター/2列シート ※発売は2022年秋
S 319万8800円 
X 349万9100円 
G 429万8800円 
AUTECH 420万5300円 
AUTECH AdvancedPackage 484万6600円

◎4WD KR15DDT×前後電気モーター(e-4ORCE)/2列シート【3列シート】
S e-4ORCE 347万9300円 
X e-4ORCE 379万9400円【393万0300円】 
X e-4ORCE エクストリーマーX e-4OURCE 412万9400円【426万0300円】 
G e-4ORCE 449万9000円 
AUTECH e-4ORCE 446万7100円【459万8000円】 
AUTECH Adanced Package e-4ORCE 504万6800円

■新型エクストレイル G e-4ORCE 主要諸元
●全長×全幅×全高:4640×1840×1720mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1880kg
●パワートレーン:直3 DOHCターボ+電気モーター×2
●エンジン総排気量:1497cc
●最高出力:106kW(94ps)/4400-5500rpm
●最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
●モーター(前)最高出力:150kW(49ps)/4501-7422rpm
●モーター(前)最大トルク:330Nm/0-3505rpm
●モーター(後)最高出力:100kW(20ps)/4897-9504rpm
●モーター(後)最大トルク:195Nm/0-4897rpm
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:18.3km/L
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込):379万9400円

[ アルバム : 日産新型エクストレイル はオリジナルサイトでご覧ください ]

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