MR2、NSX、スタリオン、180SX、RX-7、アルシオーネ
今でこそ、その機会は少なくなってしまったが、日本では1980年代から1990年代にかけて国産スポーツカー、スペシャルティカーを中心にリトラクタブル・ヘッドライト(格納式前照灯)を採用したクルマが多数存在しており、よく見かけたものだ。
【画像】リトラクタブル・ヘッドライトを採用したクルマたち! 全35枚
代表例を挙げる。トヨタがMR2(AW11/SW20)、スプリンター・トレノ(AE86/AE92)、セリカXX(A60)、スープラ(A70)、ホンダがNSX(NA1/フェイスリフト前NA2)、プレリュード(AB/BA1/BA4/BA5/BA7)、三菱がスタリオン(A182/A183/187A)、GTO(Z15A/前期型Z16A)、日産がフェアレディZ(Z31)、180SX(RS13/RPS13他)、マツダがユーノス・ロードスター(NA6CE/NA8C)、RX-7(SA22C/FC3S/FD3S)、そしてスバル・アルシオーネ(AX4/AX7/AX9)などがそうだ。
それではこれらのクルマが、リトラクタブル・ヘッドライトを採用した理由はなんだろう。
ひとつめは高さが低く、空力的に優れた形状のノーズを採用するためだ。ふたつめは当時アメリカのカリフォルニア州で存在したヘッドライトの高さ制限に関する法律(ヘッドライトの中心軸が地上約61cm以上必要とされた)をクリアするため。このふたつの事情によって生み出された。
ネガティブ案件としては、ライト点灯時に空気抵抗が悪くなってしまうのと、フロント先端の重量がかさみやすくなり、ハンドリングに影響が出てしまうこと。また車種によって異なるが、いったんヘッドライトを上昇させてからでないとパッシングができないこと。そして当然ながら製造コストは高くなることだ。
スーパーカーブームでは子どもたちのヒーロー
時を少し遡り、日本でリトラクタブル・ヘッドライトが大注目を浴びたのは1970年代後半のスーパーカーブームで、ランボルギーニ・カウンタックLP400やフェラーリBBなどが子どもたちのヒーローになった。1967年にはトヨタ2000GTが発売されているが、本来、フロントグリル両サイドの補助灯がヘッドライトとなるべく開発されていたものの、前述のアメリカの法規によって、開発途中でリトラクタブル・ヘッドライトを搭載することになったという話がある。
アメリカは日本車のマーケットとして絶大だ。だから実用車でリトラクタブル・ヘッドライトを搭載したクルマもあり、”流行に乗っているな”と思った方もおられるだろう。ホンダ・アコード(CA型)や、トヨタ・カローラIIリトラ(L3♯)、日産パルサー・エクサ(N12)、エクサ(KN13)、マツダ・ファミリア・アスティナなど。どれもスタイリッシュなクルマだが、デザイナーはさぞ苦労したことだろう。
リトラクタブル・ヘッドライトは構造上、いくつかに分類することができる。
主流はライトユニットの前端を持ち上げる構造のものだが、ランボルギーニ・ミウラのように消灯時はライトユニットが寝ていて点灯時に起き上がるタイプもある。またホンダ・バラード・スポーツCR-X(初代/前期型)のようにライトユニット上端のカバーが開閉するセミ・リトラクタブル・ヘッドライトとでも呼ぶべき構造や、シボレー・コルベット(2/3/4代目)のようにライトユニットが回転するものもあった。
2代目プレリュードを所有していた想い出
個人的な話で恐縮だが、これまで筆者は輸入車、国産車合わせて約50台の愛車と暮らしてきた。その中にリトラクタブル・ヘッドライトである、新車で購入したホンダ2代目プレリュード(AB)の5速マニュアル車が含まれている。
プレリュードを選んだ理由はもちろんリトラクタブル・ヘッドライトであることもあるが、そもそもエクステリアデザインが気に入った。FF車とは思えない極端に低いノーズ。端正な3ボックスの優雅なシルエット。1本ワイパー、それに低い着座位置や充実した装備類、走りもスポーツカーと呼んでいいほど洗練されていた。低いノーズに収まる足まわりはなんとダブルウィッシュボーン式サスペンションだ。
納車されてからは毎日のようにプレリュードで走り回った。1980年代当時は同車種のクルマとすれ違うときにパッシングする風習があったが、私の記憶が確かであれば、2代目プレリュードの前期型はヘッドライト開閉ボタンでライトを上昇させてからでないとパッシングが出来なかったが、それは不便でもあり楽しい儀式でもあった。またヘッドライトを上昇させていると、高速域での加速が遅くなった記憶もある。おそらく最高速度にも変化があったに違いない。
このようにリトラクタブル・ヘッドライトは良いことだけではなかったが、衝突時の歩行者保護の観点から姿を消してしまったのは寂しい。現代の安全技術を導入して新たなリトラクタブル・ヘッドライト車が生まれることに期待しよう。
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みんなのコメント
リトラクタブル・ヘッドライトが動くのを自慢したくて、
対向車線に右折車を見つけると「お先にどうぞパッシング」をよくしたよw
間違いではないが誤解を招く表現、
実際はアメリカの州によってはヘッドライトは常時点灯が義務付けられたため、
リトラクタブル・ヘッドライトは無用なものとして姿を消しました
(逆に昔は昼間点灯が禁止されていた時代には好まれていた、なんて事実もある)
筆者は情報収集すらしておらず、後半は本人の思い出ばなしをつづっているだけ、
記事にすらなっていません