1990年代、空前のステーションワゴンブームが巻き起こった。その立役者は、スバル・レガシィ ツーリングワゴンだ。ワゴンの持ち味であるスペースユーティリティの良さは当然ながら、走りはスポーツカー顔負け。まさしく二刀流なレガシィは売れに売れた。それに続けとばかり、各メーカーは競い合うようにステーションワゴンをリリースした。
しかし、いつの間にかSUV、ミニバンが台頭して押され気味に……。そしていつの間にか、国産ステーションワゴンは激減してしまった。
「スイフトクロス」開発中!?? 日産とホンダも参戦!! 超コンパクトSUV戦国時代が到来する!!
しかし、2019年9月にトヨタ・カローラツーリング、2020年10月にはスバル・レヴォーグが登場。この2車種の売り上げが好調に推移していることもあり、ステーションワゴンへの注目度は徐々に増している。
そこで今回は、二刀流どころか、三刀流、四刀流!? の実力を持つ国産ステーションワゴンをピックアップ。この機会に、ステーションワゴンの底力を再認識してほしい!
文/藤原鉄二、写真/スバル、トヨタ、日産、ホンダ、BMW、VW、FavCars.com
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レヴォーグ(2020年10月~)
セールス好調の新型レヴォーグ。ステーションワゴンの先駆者とも言えるスバルの底力を感じさせる上級ステーションワゴンだ
スバルが誇るグランドツーリングのDNAを継承したレヴォーグ。2020年10月のフルモデルチェンジで2代目となる。
生まれ変わったレヴォーグは、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)を受賞。セールス面でもロケットスタートを切り、先行予約台数が8290台、月間販売台数の2200台を大幅に上回る月が続くなど絶好調。2021年4月からは新型コロナ感染拡大の影響もあって多少の落ち込みを見せているが、それでも堅調さは変わらない。
パワーユニットは、新開発1.8リッター直噴ターボ“DIT”エンジンを搭載。低回転域から300Nm(約30kgm)の高トルクを発生し、力強い発進加速を実現。街乗りでの運転のしやすさはもちろんのこと、コーナリング時の立ち上がりもスムーズで、ストレスフリーな走りが楽しめる。
安全装備もスバル独自の最新技術を投入。360度センシングを実現し、安全性を進化させた「新世代アイサイト」が全車に標準装備されている。さらに、3D高精度地図データと、GPSや準天頂衛星「みちびき」などの情報を活用した高度運転支援システム「アイサイトX」を搭載したグレードも新設定されている。
大容量のサブトランクを設置することで荷室スペースを拡張できることも推しポイント。カーゴフロアボード上部のみの容量でも492リッターとかなりのものだが、ここにサブトランクを使用すると69リッター拡張されてトータル容量は561リッターに。先代と比較して40リッターほど容量がアップしている。
税込みで310万2000円~409万2000円。1.8リッタークラスのクルマとしては若干高めの価格設定となっているが、それに見合った八面六臂の働きをしてくれる優等生だ。
ホンダ・シャトル(2015年5月~)
これだけの実力で価格レンジは、税込みで241万560円~277万2000円というのも大きな魅力。二刀流を超えたコスパ抜群の一台だ
昔ながらのステーションワゴンのスタイリングのイメージとは少し異なるが、ステーションワゴンとしてカテゴライズされている。
特筆点のひとつは、最小回転半径。ベースがフィットだけあり、4.9m(HYBRID Z・Honda SENSINGは5.2m)というスペックはお見事! これは、アクアなどのコンパクトカーと同等だ。小回りが利き、Uターンや縦列駐車もストレスフリーで行える。
また、5ナンバーサイズ最大級のラゲッジ容量もウリのひとつ。全長4440mm×全幅1695mmというコンパクトボディながら、570リッターと、マツダ・CX-8やトヨタ・RAV4、日産・エクストレイルほぼ同じだ。
さらに、十分な頭上スペースを確保しながらも全高154.5cm(FF車。4WD車は157cm)。これは、ほとんどの立体駐車場に問題なく入れられる高さだ。
2015年5月のマイナーチェンジでは、内外装デザインの刷新の他に、安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」にオートハイビームも追加されるなど、安全性能のアップしている。
パワートレインは1.5リッター直噴直4DOHCエンジンと1.5リッターアトキンソンDOHC i-VTECエンジン+i-DCDのハイブリッドを用意。さらに、ハイブリッドは7速デュアルクラッチトランスミッションを採用することにより、トルクフルな走りを実現。スポーティハイブリッドというコンセプトに違わぬ走行性能を発揮してくれる。いっぽうのガソリン車のCVT搭載車ならではのスムーズな加速フィールも捨てがたいところだ。
と、これだけの実力を持ちながら、フルモデルチェンジを行わずに生産終了するのでは? という不穏な噂も流れている……。希少となった5ナンバーサイズのステーションワゴンだけに、ぜひとも存続してほしいものだ。
カローラツーリング(2019年9月~)
2021年10月の受注状況はカローラ全体で約2万2000台、そのなかでもカローラ ツーリングが1万3700台。カローラ5400台、カローラ スポーツ3000台と、群を抜いての人気となっている
2019年8月の12代目カローラシリーズのセダンとワゴンのフルモデルチェンジ。現在は、5ナンバーサイズのカローラフィールダーと並行して販売されている。
5ドアハッチバックのスポーツという選択肢もあるが、大容量の荷物を搭載することができるラゲッジスペースの大きさはスポーツを上回ることから、二刀流、三刀流のクルマを求める人にはツーリングをお薦めしたい。
ラゲッジ容量は、325リッター、デッキボードを下げると390リッターまで拡大できる。さらにリアシートを倒すことで802リッターまで拡大することが可能だ。カローラクロスが487リッターということを考えると、このサイズは立派!
全幅が先代型の3代目プリウスと同じ1745mmということで、道幅の狭い所でも難なく運転できることも大きい。ちなみに、カローラクロスの全幅は1825mm。全高もカローラクロスが1620mmであるのに対し、カローラツーリングは1460mmと全体的にコンパクトで、SUVよりも幅広いシチュエーションでストレスなく使えるボディサイズであることも利点だ。
パワーユニットは、ガソリンエンジンが1.2リッター直列4気筒ターボと1.8リッター直列4気筒の2タイプ。それに1.8リッター直4+モーターのハイブリッドが加わる。
最上級グレードで299万7500円、SUVのカローラクロスのハイブリッド車、グレードSと同等の価格ということを考えると、コスパ偏差値もかなりの高さと言えるだろう。
スバル・インプレッサSTI Sport(2020年10月~)
STI Sport専用ボディカラーの設定も。写真は、セラミックホワイト。他にWRブルー・パールが用意されている
フルモデルチェンジ間近という5代目インプレッサ。次期モデルの登場を待つというのもアリだが……。ここであえて推したいのが、10月8日より発売となった、STI Sport。e-BOXER搭載グレード「Advance」「2.0e-L EyeSight」も捨てがたいものの、STIがレースで培った技術を惜しみなく注入したスペシャルな一台だ。
本当はスポーツカーに乗りたいけれど、家族のため、仕事のためといった理由でスペースユーティリティに重きを置いたクルマに乗らなくてはならないという人に一押しの二刀流のステーションワゴンだ。
まずは外観の迫力が違う! エクステリアデザインはブラックトーンでコーディネート。さらに、シリーズで唯一、18インチアルミホイール、225/40R18タイヤを装着。スポーティ感が倍増している。
最大の特徴は、フロントに新開発のメカ式減衰力可変ダンパー、リアに専用チューニングが施されたダンパーを採用している点。これにより、ステアリングを切った時の車体の挙動が安定し、タイトなコーナーでもスムーズで安定したなステアリング操作をすることが可能に。
パワーユニットは、「2.0i-L EyeSight」と同じ2.0リッターDOHC直噴エンジン。最高出力154psと、パワー感にもの足りなさを感じる人もいるかもしれないが、それは前述のSTIの足回りのチューニングの良さで相殺されるはずだ。
レヴォーグのサブボックスやカローラツーリングのようなデッキボードのような容量が拡大できる装備はないものの、ラゲッジ容量は385リッターと、ステーションワゴンとしては合格点。
価格も2WDが270万6000円、AWDが292万6000円と。2リッターのAWDモデルが300万円以下で買えるというコスパの高さも魅力だ。
MAZDA6 ワゴン(2019年8月~)
2019年7月、日本国内市場向けの車名が「アテンザ」から「MAZDA6」へと変更になった。フルモデルチェンジが伴わない名称変更はレアケースだ
マツダのフラッグシッブモデルである「MAZDA6」にもステーションワゴンがあることを忘れてはいけない! 3代目アテンザが2019年7月に行ったマイナーチェンジのタイミングに合わせて名称がMAZDA6と変更されたモデルだ。
パワーユニットは、最高出力156psを発揮する2.0と2.5リッターのガソリンエンジンのSKYACTIV-Gと、2.2リッターのディーゼルターボエンジンのSKYACTIV-D、さらに2.5リッターのガソリンターボエンジン、SKYACTIV-G 2.5T。エンジンの選択肢が広いのが嬉しいポイントだ。
なかでもSKYACTIV-Gシリーズ初の2.5リッターターボエンジンは最高出力230ps、最大トルクが420Nm(約42.8kgm)とかなりの強心臓。「4.0リッター V8自然吸気ガソリンエンジン並みのトルク」とマツダ自身が表現する通り、リニアで力強い加速感を楽しめる。
また、車両姿勢制御技術「Gベクタリングコントロールプラス」を標準装備。車両の挙動が不安定になりやすい、高速走行時の車線変更や、雪道などの滑りやすい路面、ワインディングでのコーナリングなどでも安定走行をサポートしてくれる。他にも安全運転支援システムが標準で搭載されている。
全長4865mm×全幅1840mm×全高1480mmと他のモデルと比較すると少々大ぶりなボディサイズだが、そのぶんラゲッジ容量はリアシートを起こした状態でも506リッター、倒した状態だと1648リッターと大容量!
実用性だけではなく、走る歓び、高級感を求めたいという人に一押しの上級ステーションワゴンだ。
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みんなのコメント
ってわざわざベストカーに言われなくても
国産ステーションワゴンって他にあったっけ?
Cセグメントハッチバックでしょう。