ホンダは最上級ミニバン「オデッセイ」を2021年12月いっぱいで生産中止したが、この3月上旬現在ではまだ買える状況にあるというのだ。
生産終了から3ヵ月も経っても売れ残っているのは珍しいという。なぜオデッセイは売れ残っているのだろうか? さらに今後生産終了予定のシャトル、CR-V、インサイトも合わせて紹介していきたい。
3.11の救援・復旧を支えた働くクルマとサムライ達の知られざる物語【救援ルート啓開編】
文/遠藤徹
写真/ホンダ、ベストカー編集部
■新型ステップワゴン人気に押され・・・?
ハイブリッドのアブソルートEX7人乗り仕様が、多く在庫として残っているという
とは言えマイナーチェンジ後は月間1000台超えの販売台数を確保していたから、生産中止はもったいない気もする
ホンダの目論見としては2021年12月いっぱいまで、2月くらいまでの需要を見込んで多めに生産していた。これを1月いっぱいで売り切り、2月からは新型ステップワゴンの最上級グレードである「スパーダプレミアムライン」にバトンタッチする予定だった。
ところがこのオデッセイはメーカーやディーラー在庫として残っており、完全に売り切るのは3月いっぱいかかる見通しになっている。
当て込んでいた売れ行きが思ったより伸び悩んだことと、半導体を中心としたサプライヤーからの部品供給が滞りがちで、納期が先送りになったことが影響しているようだ。3月上旬現在、メーカーのモータープールとディーラーに存在するオデッセイの在庫は合わせて700台あまりとなっている。
グレード別だと大半がハイブリッドのアブソルートEX7人乗りで、売れ筋のアブソルートハイブリッドや2.4L車はほとんど売り切った状況にある。ボディカラーも売れ筋のホワイトパール、ブラック、シルバーに限定されつつある。
オデッセイのこれまでの登録台数は2021年12月が1686台、2022年1月1382台、2月1039台となっている。2月実績だとホンダの登録車ではフリード、ヴェゼル、フィット、ステップワゴンに次いで5位であるから、生産中止をするのは惜しいような気もする。
生産中止は2021年12月だったが、ステップワゴンの販売開始までの繋ぎとして多めに生産台数が確保された。それが在庫車がまだある理由だという
2021年12月いっぱいで生産中止したわけだが、新型ステップワゴンの先行予約開始までのつなぎが必要とみて、かなりの生産枠を確保した。このことがメーカーのモータープールやディーラー各社の在庫が多く残った背景にもなっている。
首都圏にあるホンダカーズ店で在庫の「アブソルートEXハイブリッド7人乗り」(車両本体価格 462万4000円)にオプション&付属品のナビ、ETC、ドライブレコーダー、ボディコーティング、フロアマット、ドアバイザー、ガラス撥水など70万円強を装着してひいてもらうと法定、法定外費用を含めて、総額555万円弱となった。納期は4月中旬と提示された。値引き額は下取り車なしで初回の提示額が40万円としている。
新型ステップワゴンは2月上旬から先行予約をスタートさせており、シリーズ全体としては好調な出足となっている。発表、発売の5月26、27日までに先行予約目標を2万台に設定したのに対して、1ヵ月後の3月上旬現在ではすでに、その目標を達成したようだ。
半分以上が2リッターハイブリッドの「スパーダ」で占められる。3月上旬現在の納期は半年待ちの9月となっている。しかしながらオデッセイの受け皿として見込んでいた最上級グレードの「スパーダプレミアムライン」は先行予約トータルの10%以下にとどまっている。
■これから行われるホンダの生産終了車
今年6月のシビックハイブリッド発売に合わせて、インサイトはその役目を終える
インサイトは1.5Lのクラスのハイブリッドだが、シビックは2Lクラスのハイブリッドを搭載するという
ホンダの車種削減はオデッセイのほか今後も続く見通しとなっている。今年分としてホンダカーズ店各社に伝えているのはインサイト、シャトル、CR-Vの3車種である。その時期は明らかになっていないがインサイトが6月、シャトルが8月、CR-Vが11月あたりと予想される。
6月はシビックに2リッターハイブリッドモデルが追加設定される。インサイトとコンセプトが重なるので、シビックの2Lハイブリッドの発売と同時にインサイトが生産中止になるはずである。
インサイトとシビックの両ハイブリッドはインサイトが1.5リッター、シビックが2リッターでシビックはスポーツハイブリッドの味付けで格上のコンセプトだが、インサイトのニーズはさらに存在感がなくなると予想している。今年1月の登録台数はわずか181台、2月228台で一般にはほとんど売れていない状況にある。
現行フィットクロスターのラインナップ強化に合わせて、旧世代ベースのシャトルはついに引退か
シャトルの生産中止時期は8月が予想される。この時期はフィットがマイナーチェンジする。このマイナーチェンジはクロスターにルーフレール、リアアンダーガードの装備、合皮コンビシートの採用などで、SUVテイストを一段と強化した仕立てをする。
現行シャトルはフィットベースのステーションワゴンであるが、このクロスターのラインナップ強化でシャトル廃止によるオープンポイントをカバーする狙いがある。
シャトルの最新の登録推移は今年1月963台、2月1291台でホンダの登録車ではステップワゴンに次いで5番目でシビックよりも多いから、モデル廃止はもったいない気もする。
一度絶版になった後復活したCR-Vだが、再び国内市場で絶版になる!? 新型SUVに期待だ
CR-Vは今秋の11月に投入する新型SUVに代わり生産中止になる。ホンダ関係者の説明によると、この新型SUVは「ヴェゼルとCR-Vの間の位置づけで1.5リッターターボと2リッターハイブリッドユニットを搭載。
ボディサイズは全長4570mm、全幅1800mm、全高1600mm。本革シートの選択可能など上質感が高い。やや全高が低く比較的丸みを帯びたフォルムでマセラティのような楕円グリルを採用、ヴェゼルのようなコクピットを差起用しているとしている。
ただし、国内向けのCR-Vは廃止になるが、海外向けのグローバルモデルは従来通り継続となる。CR-Vの最新の登録推移は1月827台、2月682台で同クラスライバル車に比べると、大きく引き離されている。新型SUVによって失地回復を目指すものと思われる。
■証言1:メーカー資本系首都圏ホンダカーズ営業担当者
パールホワイト、シルバー、ブラックのいわゆる売れ筋カラーが残っているという。安く新車を手に入れられるチャンスかも
「昨年末で生産中止したオデッセイの在庫は現在まだかなり残っています。ただ多くはハイブリッドで最上級のアブソルートEXでボディカラーはパールホワイト、シルバー、ブラックで後のガソリン2.4リッターはほとんどないですね。メーカーのモータープールにある分は約500台でディーラー在庫は各ホンダカーズが持っており、こちらの分は各社で差があります。いずれにしても3月いっぱいですべて売り切ると予想しています。メーカーとしては1月いっぱいで売り切り、2月からは新型ステップワゴンの先行予約に取り掛かる計画だったようでしたが、コロナ禍の影響もあり、予定に多少狂いが生じているようです」。
■証言2:地場資本系首都圏ホンダカーズ営業担当者
エリシオンしかり、オデッセイしかり、ホンダのミニバンは段々と上級クラスが退場して行っている。この領域のニーズをカバーできる車種は今後出るのだろうか
「オデッセイの生産中止は残念だ。ステップワゴンにはないニーズがあるので、いずれ時期が来たら復活を望んでいる。インサイトはまったく売れていないのでシビックハイブリッドでカバーするのはプラスになると期待している。
ただシャトルの生産中止は残念だ。フルモデルチェンジすれば人気復活の可能性はあるとみている。CR-Vは全くの販売不振状態であるから、後継モデルに引き継ぐのは順当だろう」。
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みんなのコメント
っていうけど、あと何車種あったっけ?どっちにしろ下位だよね。へんな言葉マジック使わないで。