様々な背景や意味があって決められるクルマの名前。その由来は英語やラテン語など、海外の言葉から由来された造語だったり、頭文字を並べたりと様々。そんな中、ホンダの車種名を見てみると「フィット」や「レジェンド」など、我々日本人でも日常生活で使いそうな直球な名前が多い。今回はそんな直球なホンダ車の言葉の由来や意味を紹介していく。
文/西川昇吾、写真/ホンダ
フィットにシティそれにレジェンドて……ぱっと見安直!? でも分かりやすくて人気に!! ド直球な車名のホンダ車5選
■フィット
日本のコンパクトカーを代表する存在であるフィット。4世代目となるまでブランドが成長したのも多くのユーザーの生活に「フィット」したからだろう
まず現行ラインアップで馴染み深いところからいくとフィットだろう。
「○○にフィットする」といったように、何かにピッタリ合うそんな意味で日常生活において「フィット」という言葉を使う人も多いはずだ。実はフィットの名前の由来はそれと同じなのだ。
英語で「ピッタリの」という意味を持つフィットは、使用するユーザーみんなの生活のあらゆるシーンに「ピッタリフィットする」そんな気持ちが命名に込められているのだ。
■レジェンド
ホンダの挑戦が詰まったのがレジェンド。5代目では自動運転レベル3の「ホンダセンシングエリート」を搭載したモデルを(リースで)発売した
英語で伝説という意味を持つレジェンド。初代は1985年に登場した訳だが、ホンダ初3ナンバー仕様で、ホンダ初の2.0Lオーバーのエンジンが採用されたのだ。
そんなレジェンドはホンダ創業以来初めてとなる大型高級車であった。ホンダにとってレジェンドを世に送り出すことは一つの大きな挑戦であったのだ。
そんなクルマにレジェンドと名付けたのは、その後のホンダ車の伝説として、そのクオリティやクルマ造りの思想が語り継がれていくようにという願いが込められているからだ。
■シティ
都会派の若者向けに誕生した初代シティ。ターボやカブリオレなど個性的な派生モデルも生み出された
街を意味する英語であるシティ。当時の若者をターゲットにした、当たな理想的なシティカーを造ろうというところから意味が由来している。
発表会は新宿スーパーシティ(当時)で行われ、当時の河島社長を始め、役員全員が堅苦しいスーツではなく、ラフなジャケットで出席するという当時としては斬新で若者向けであることを全面に押し出した発表会であった。
そのほかにもラジオの特別番組が放送されたりと、今までにないマーケティングを展開し、シティボーイ/シティガールたちに向けた新しいシティカーであることを全面に押し出した新時代のクルマであることを感じさせるモデルであった。
■ライフ
Nシリーズが誕生するまではホンダ軽自動車の中心的存在を担っていたライフ。ライフが持った想いはN-WGNに受け継がれている
現在は日本市場で展開されていないが、かつてホンダの軽自動車と言えばライフが代表的な時代があった。現在は中国市場で販売されているモデルに用いられている名称だ(日本市場ではフィットで展開)。
ライフは元々1970年代に初代モデルが存在していた。世間的に広く知られている2代目以降のライフの名前はコンセプトこそ違うが、この初代ライフから影響されているところもある。2代目以降のライフは新しいライフスタイルにピッタリ合ったクルマでありたいという思いが込められているのだ。
■パートナー
初代はオルティアをベース、写真の2代目はエアウェイブをベースに仕立てられていたホンダのライトバン「パートナー」。仕事の仲間としてド直球のネーミングだ
そして、ホンダは商用モデルにも直球なネーミングをする。それがかつてラインアップされていたホンダのライトバン「パートナー」だ。
英語で「相手、仲間」を意味する言葉だが、ビジネスでの心強い仲間、そして良き相棒として末永く付き合ってほしいという願いを込めてこのパートナーという名前が付けられている。まさに仕事で使う商用モデルにふさわしいネーミングと言えるだろう。
■型式より名称のが多くない?
比較的ネーミングで愛されている車種が多い印象(あくまでも筆者の肌感覚)
そのほかにもトゥディやビートなど、日本人でもスグに意味が頭に浮かびそうな車種名がホンダには多い。それはホンダがクルマの名前とクルマのコンセプトやイメージを、世間一般に強く結び付けたいという気持ちの表れなのではないだろうか?
これはあくまでも筆者の肌感覚での意見だが、クルマ好きの中でもホンダ車は比較的車種名で呼ばれることが多い気がする。
クルマ好きは何かと一定の車種のことを型式で呼びがちだが、ホンダ車はそんな例が少ない印象だ。これはホンダのマーケティングが一つ成功した例ではないだろうか?
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みんなのコメント
既に商標登録されている名前を避けて、変な造語を作るよりも潔くて良いと思います。