2002年に誕生した「アウディ RS6 アバント」が、2022年で20周年を迎えた。初代となるC5は、2002年にデビュー。モータースポーツシーンに挑み、勝利し、「RS」のブランド価値を高めるために誕生した。
「技術の実験室」から「ブランドイメージのリーダー」へ
21世紀が始まって間もない頃、当時のクワトロGmbH(現在のアウディ・スポーツGmbH)は、モータースポーツがもたらす恩恵に大いなる関心を抱いていた。一面としてあるのはもちろん、創業者アウグスト・ホルヒ博士が信じた「技術の実験室」として、だ。
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そしてもうひとつ。1999年ル・マン24時間レースに初めて参戦し、2000年には早くも初勝利を獲得したことで、「勝つこと」がブランドイメージに与える影響力を、改めて認識することになる。実際、2001年、2002年と連続して勝利をおさめて以降、実に13勝を挙げたことで、アウディというブランドはポルシェに次ぐ史上2番目に成功したチームとして伝説となった。
市販モデルにモータースポーツ由来のハイスペックを与える取り組みはまず、「RS4 アバント」から着手され、成功を収めた。いわゆる「RS」モデルとしては、「RS2」に次ぐ存在だ。さらにアウディはより上級のカテゴリーへの展開を目論み、白羽の矢がたてられたのが2001年に製品力が高められたA6(C5)だった。
クワトロ GmbHとアウディのエンジニアたちは、A6をスポーツカーにするために多大な努力を払った。それは単にエンジン、サスペンション、トランスミッションをハイパフォーマンスモデルとして適応させるだけではない。
開発陣はまた、そのルックスをよりエキサイティングなものにシフトさせた。全長、全幅を拡大するとともに、専用のエロフォルムとスポイラーをまとわせている。RSモデルとしては史上初となるセダンには、独特のエッジ感を加え、左右2本出しのエキゾーストパイプが野心的なスポーティ感を強調していた。ホイールは18インチが標準、オプションで19インチの設定もあったようだ。
最強のアウディであり、RSの正統を受け継ぐ存在となった
開発陣はRS6に、A8シリーズ(D2)が搭載しているV型8気筒を追加することを決めた。エンジンそのものはすでにS6で稼働しており、過給機なしで最高出力340 psを発生していた。だがさらに、ターボチャージャー2基のサポートを受けた4.2Lの強力なエンジンは、当初はA6由来のボディには収まりきらなかった。
そのためクワトロ GmbHはフロントエンドを拡張した。40mmという全長のプラス分は、V8ユニットのためのスペースだったわけだ。チューニングはクワトロ GmbHとともに当時、アウディAGの子会社だった英国のエンジンコンストラクター「コスワース」が担当している。最高出力は450ps、最大トルク560Nm。もちろんその数値は、アッパーミドルセグメントの頂点に達するものだった。
組み合わされるトランスミッションは、ティプトロニック付きの5速ATのみ。あえて言うなら、その強大なスペックを適切に操るためにはもはや、マニュアルトランスミッションでは役不足だった、ということだろうか。0→100km/h加速はわずか4.7秒を実現していた。
圧倒的な絶対性能とは裏腹に、日常のドライブシーンでも快適性とスポーティ性能の理想を追求することがこそが、RS2以来の「伝統」だ。時代に即した感動を演出するために、アウディは新開発のダイナミックライドコントロール(DRC)サスペンションに注目した。
RS6シリーズの開発を担当し、現在はネッカーズルム工場の技術開発責任者を務めるステファン・レイル氏は、「DRCはストレートとカーブの両方で、スポーティなドライビングにおけるロールとピッチの動きを減らすことが可能でした」と、そのメリットを語っている。具体的には、車両の姿勢をより安定させるとともに、ダイナミックなコーナリングにおいては常に俊敏なハンドリングを保証していた。
■アウディ RS6 アバント2002年式 主要諸元
●全長×全幅×全高:4582×1850×1390~1430mm
●ホイールベース:2759mm
●車両重量:1840kg
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●排気量:4172cc
●最高出力:460ps(331kW)/5700-6400rpm
●最大トルク:560Nm/1950-5600rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:5速ティプトロニック
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みんなのコメント
欧州はレジャーが盛んでフルタイム四駆のアウディを富裕層が好んで使ってましたね。
RS6だけはブリスターフェンダーにはなるんだっけかな?
RS7はA7までボディ設計共通ですけど、その分素がwide