一部改良を受けた新しいトヨタ「カローラ」の特徴を、世良耕太が解説する!
4代目プリウス譲りのハイブリッド
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トヨタは「カローラ」、「カローラ・ツーリング」、「カローラ・スポーツ」を一部改良して発売した。最大のトピックは、ハイブリッド車の電動モジュールをすべて刷新した点だ。
現行カローラは、2018年6月にハッチバックのカローラ・スポーツが国内に導入され、翌2019年9月にはセダンのカローラと、ステーションワゴンのカローラ・ツーリングが導入された。ハイブリッド車は、トヨタの新世代プラットフォームであるTNGAを採用した第1弾として2015年12月に発売された4代目「プリウス」が搭載するシステムを搭載していた。
トヨタはアトキンソンサイクルと呼ばれる高膨張比サイクル(NAミラーサイクル)を採用して熱効率を高めた2ZR-FXE型、1.8リッター直列4気筒自然吸気ガソリン・エンジンに、発電用と走行用の2つのモーターを備えた2モーター式ハイブリッドシステムの最新版を4代目プリウスに適用。
発電用モーターと駆動用モーターを動力分割機構でつなぎ、走行状況に応じてエンジン、発電用モーター、駆動用モーターを最適に制御する仕組みで、システムの基本的な考え方は3代目プリウスとおなじだ。
だが、4代目プリウスが搭載する第4世代のトヨタシリーズパラレルハイブリッドは、2つのモーターと動力分割機構の配置を大きき変更してコンパクトにしたのにくわえ、燃焼室形状の変更など約8割の部品を新設計とすることで機械損失を大幅に低減した。
モーターを駆動するインバーターや、電圧をコントロールする昇圧コンバーターなどで構成されるパワーコントロールユニット(PCU)は、小型化と半導体素子の材料見直しなどで、損失低減を果たした。
このプリウス譲りのシステムを搭載したカローラ(セダン)のハイブリッド車は、WLTCモード燃費は29.0km/Lを実現した。
ガソリン・エンジンも大きく変わった!今回、一部改良を受けたカローラ・シリーズのハイブリッド・システムは、第5世代に進化した。72psの最高出力と142Nmの最大トルクを発生する2ZR-FXE型1.8リッター直4エンジンは変わらない。それ以外の構成要素である2つのモーターと動力分割機構を収めたハイブリッドトランスアクスル、PCU、リチウムイオンバッテリーが新しくなった。
これは2022年1月にモデルチェンジしたミニバンの「ノア」と「ヴォクシー」に搭載された最新ユニットで、ハイブリッドトランスアクスルは走行用モーターの出力を引き上げたのが特徴だ。改良前のカローラ・シリーズが搭載した第4世代の走行用モーターは1NM型で最高出力は53ps、最大トルクは163Nmだった。
新しいカローラ・シリーズが搭載する走行用モーターは1VM型となり、最高出力70ps、最大トルク185Nmを発生する。出力/トルクが大きくなったぶん、力強い走りが期待出来る。
モーターが高出力に伴いバッテリーも改良。リチウムイオンバッテリーの出力を従来比で15%向上させた(同時に、新型セルと新たなアッセンブリー構造の採用で従来比30%もの小型化と軽量化を実現している)。
ノアとヴォクシーの取材時に技術者から聞いたコメントを元に記せば、モーターとバッテリーの進化は、普段あまり使わない全開加速よりも、30km/hや80km/hでジワッとアクセルを踏んだときの応答の良さに効くという。
ハイブリッドトランスアクスルは、モーターを小型化すると同時に軽量化。走行中の“キーン”という高周波のノイズも低減されたという。さらに燃費は、カローラ(セダン)で30.2km/L(WLTCモード燃費)と、4%も向上した。
ハイブリッドのアップデートにあわせ、ガソリン・エンジンも変更された。一部改良前のガソリン車のラインナップは8NR-FTS型1.2リッター直列4気筒ターボと2ZR-FAE型1.8リッター直列4気筒自然吸気(セダン/ワゴンのみ)だったが、一部改良後はM15A-FKS型1.5リッター直列3気筒自然吸気(セダン/ワゴン)と、M20A-FKS型2.0リッター直列4気筒自然吸気(ハッチバック)になっている。
前者は「ヤリス」や「ヤリス・クロス」などとおなじエンジン。後者はノア、ヴォクシーや「RAV4」などが搭載する。いずれも、効率とドライバビリティの両立を図ったトヨタの最新ガソリン・エンジンだ。
パワートレーンがまるっきり最新に入れ替わっているのだから、カローラの走りは大きく変わっているに違いない。一部改良でここまで手がくわえられるのは珍しい。
新しいカローラは、トヨタの技術に対する“本気”と“気合”を具現化した1台だった。
文・世良耕太
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みんなのコメント
実は先代が大した事無かっただけでやっと他と評価出来るレベルになっただけw
サニーは?
どこ?