29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことから再び新しいクルマを購入することに。はたして、“跳ね馬”の次はいかに?
フェラーリのない暮らし
自宅マンション購入のため、わがフェラーリ「カリフォルニア」を売却した。理由は住宅ローンの融資条件に”オートローン完済“が課せられたためだった。
結果、無事に住宅ローンは融資実行となり、引っ越しが完了。以前住んでいた築50年超のヴィンテージマンションから、新耐震基準のマンション(と言っても築30年近い)にアップグレードした。その分、月々の住宅ローン返済額もアップ。
個人的には、「この広さで、この値段!?」と、驚きしかないものの、東京23区の新築マンション1戸当たりの平均価格が1億円464万円(2023年度・不動産経済研究所調べ)では、致し方ない。購入物件も、15年前の売買価格から約2倍に上昇していた。
というわけで、ますます生活に余裕がなくなった。未練はあるものの、多額の維持費を要するフェラーリを再び購入する気には、さすがになれなかった。
フェラーリを2台所有してわかったのは、何かあった時に多額の維持費を要すること。「フェラーリはリセールバリューがいいから、買っても損はしない」と、話す人もいるが、個人的な感想として、これはケース・バイ・ケース。鵜呑みにしてはならないと確信した。
たとえば最新のカリフォルニアも、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が壊れるリスクがあるそうで、その場合、200~300万円の修理費用となる。今回、大きな故障こそなかったものの、もし壊れていたら……と、考えるだけでゾッとする。新車のフェラーリを購入すれば7年間のメンテナンス保証が付帯されるため安心感はグッと高まるものの、3000万円~の新車を購入出来るほどのゆとりはないし、そもそもオーダーしたところで大量のバックオーダーを抱えているため納車まで数年は要する。
よって3台目のフェラーリ購入は当面ナシ。いつか懐に余裕が出たら、購入したい。
人生初の○○○○○では、新しいクルマは何を購入すべきか? と、自問自答した。仕事柄、最新のクルマに乗りまくるものの、今、心に響くモデルがあるかと言われると、特にない。ちょい乗りして「これはスゴい!」と、唸ることは多々あるが、自腹を切ってまで欲しくなったモデルは皆無。思うに電子制御や運転支援装置が盛りだくさんとなった現代のクルマに、強烈な個性と魅力を感じないのかもしれない。
だからといって“安心・楽チン”の真逆となる旧車は、維持に苦労するのが目に見えるのでパス。1台しかない自家用車なので生活の足にならないと困る。これは1987年型のシボレー「コルベット」所有時、身に染みた。
ノスタルジーを感じつつやや“安心・楽チン”で、価格もこなれたクルマは何か……と、行き着いたのはメルセデスの“ゲレンデ”だった。ちなみに、ゲレンデとは「ゲレンデヴァーゲン」の略称で、ドイツ語のオフロード車を意味し、当初(初代)は車名として使われていた。94年モデル以降はGクラスの名称に統一されたが、以降も巷では“ゲレンデ”と呼ばれ、親しまれている。
初代から変わらぬ無骨なエクステリアデザイン、初代からラダーフレームを継承し続ける堅牢さ、そして本格的なオフロード性能……まさに自信が欲している“古くて新しい”クルマなのだ。しかも、信頼のメルセデス・ブランド。フェラーリより維持費は安価となる、はずだ。
くわえて、サイズ感がイイ! 現行モデルでも全長は4690mmと、5ナンバーサイズに抑えられている。
さらに、ディーゼルエンジン搭載車両なら経済性も悪くないし、最新モデルなら衝突被害軽減ブレーキといった先進安全装備も搭載する。
もっとも、東京都心部ではGクラスが山ほど走っているのが気になる点だ。ゆえに、嫌悪感を抱く人も少なからずいる。しかし僕としては、それほど人気なら、その理由を知りたい。
加えて、リセールバリューがバツグンに良い点も見逃せない。たとえば現行「G400d」の中古車のほぼすべては、¥12,980,000の新車価格を上回って取引されている。これなら、すぐ飽きたとしても大損は回避できそう。
自分にとってメルセデスを購入するのは人生初。いまさらながらワクワクしている。
次回は購入車両について綴る。
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
あれれ?イナガキさん。
新車でローマを注文するって豪語してましたよね?
そんで納車まで時間がかかるから、認定中古車を買ってつなぐとも言ってましたよね?
自分が記事でどんな事書いたのか忘れてるの?