レクサスのエントリーモデルとして2023年11月に発表されたクロスオーバー5ドアモデル「LBX」。2022年11月で販売が終了した「CT200」に代わるモデルだ。
しかし、ボディサイズは全長こそ4190mm(CT200は4355mm)と「CT200」より短いが、全幅1825mm(1765mm)、全高1545mm(1480mm)と大きくなった。
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FFの「Cool」を中心に「Relax」の4WDにも試乗
5ドアのグレードは「Cool」と「Relax」でFFと4WDがある。駆動はフロントに直3、1.5Lのガソリンエンジン(91PS、120Nm)とモーター(94PS、185Nm)。4WDは、1.5Lガソリンとモーターにプラスして、リアモーター(6PS、52Nm)を組み合わせている。「Cool」と「Relax」の違いは、主に内装材とホイールの違いなどで車両重量は同じ。
FF車と4WD車では、電池+モーターの重量差があり、FF車は1310kg、4WDは1390kgと80kgの差がある。FF車と4WDの違いは他にもある。サスペンション形式だ。フロントはストラットで、共通だが、リアはFF車がトーションビーム式なのに対し、4WDはダブルウィッシュボーンが用いられている。リアサスの違いによる両車の差は試乗してみてよくわかった。
グレードと駆動方式の組み合わせから、FFの「Cool」を中心に「Relax」の4WDにも試乗した。車両本体価格は460万円。ちなみに4WDは両グレード共に486万円となっている。「Cool」のFF車でスタートした。室内はアルカンターラを用いたシックな印象だ。
コンパクトなクロスオーバーカーとして無難に造られたモデルだが…
ハイブリッドのスタートはモーター走行なので静かだ。しばらく走ると直列3気筒1.5Lのガソリンエンジンが始動する。低速でエンジンが始動すると、音の高まりが室内に侵入してくる。ややノイジーな音質だ。しかし、この音は車速を高めていくと、走行音にかき消されてしまう。
100km/hの巡航は6速2000回転なので、エンジン音は気にならない。エンジン音自体は3000回転以上で音が高まる。モーターでのスタートは軽く感じられ、加速もスムーズだったが、0→100km/hの加速は9秒台前半。約80kg重い4WD=eFourも9秒台後半で走り切ったので、コンパクトで実用的な5ドアモデルとしては平均的な動力性能を与えられている。両車の性能的な違いが体感できるのはハンドリングと乗り心地だ。
FF車はフロントにストラット式、リアはトレーリングアーム式を組み合わせている。直進時はやや重めの操舵力で、切りこむと抵抗がある。切り込んだ時の抵抗感は、コーナーでも同じ。路面状況がよければ、フラット感のあるコーナリングを楽しめるが、このクルマでサーキット走行を行う人は少ないので、このよさを体感できる人は少ない。
これが4WDになると、低速域から高速域まで、直進性の強さを感じる。コーナーでも直進性の強さを感じながら走ることになる。好みの問題だが、FF車のハンドリングのほうが自然な感じで、ワインディングを走行することができた。ただし、タイトコーナーで車速が速い時の後輪の安定感は、4WDのほうが安心感があった。
乗り心地はFFと4WDで違いが明確だ。FF車は低速でのゴツゴツ感や目地の乗り越えでのドンッという突き上げを発生する。60km/h前後の中速では、路面からの細かい上下動が侵入してくる。高速では路面のザラつきが伝わってくる。乗り心地は、全体に荒さが気になる。4WDは、低速での路面からのザラザラした乗り心地はあるが、速度が高まり、目地の乗り越えのショックやゴツゴツ感は、かなりマイルドになる。高速での突き上げも、カドのない、フラットな乗り心地なのだ。タイヤは、両車ともヨコハマの「アドバンV61」で225/55R18を履いていた。
乗り心地のしっとり感は4WDのほうがある。室内は、全幅がレクサス車の中で、一番狭かった「CT200」より60mm大きくなったので、左右幅に余裕は生まれた。「Cool」「Relax」ともに、内装は落ち着いた雰囲気を演出している。後席はやや高めの着座位置で、足元は狭め。ヘッドスペースも身長170cmまでなら快適に座れる。床面は中央のトンネルがやや高めなので、快適定員は左右1名ずつ。背もたれは4対6で前倒し、やや斜めの荷台になる。
細かいことだが、後席ドアのウインドウは全開にしても約1/8ぐらい降り切らなかった。後部の荷室は手前のくぼみを生かせば、ゴルフバッグ1セットは収納できそうだ。床下は、FF車ではほぼ全面、深さ30mmほどの空間が設けられているが、4WDは手前に3角板収納スペースがあるだけだった。
「LBX」はコンパクトなクロスオーバーカーとしては、無難に造られたモデル。しかし、問題はレクサスブランドというところだ。1989年、日本でレクサスがスタートした時、レクサスはユーザーファーストのクルマ造りと、おもてなしを揚げ、そこに魅力を感じた人たちが購入した。ユーザーとレクサスを販売するディーラーの人たちは、今もその精神に共感し、購入している。
ところが「LBX」に乗ってみて、肝心の作り手にレクサスの精神が薄れてしまったように感じた。このクルマにはいくつかのレクサスらしくないところが見受けられた。フロントグリルのスピンドルが形状を変えたことから始まり、助手席にはオプションでも電動シートを選べないとか、初期の生産ミスとか、「これがレクサスのクルマ?」と思った点があった。現場のセールスも困惑しているのではないだろうか。レクサスらしくないクルマ造りが、この「LBX」だけであることを願いたい。
• 関連情報
https://lexus.jp/models/lbx/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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所詮ヤリスクロスやん