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“2段階”性能調整ルールの早期導入を望むトヨタ。劣勢に回ったGR010ハイブリッドへの後押しに期待

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“2段階”性能調整ルールの早期導入を望むトヨタ。劣勢に回ったGR010ハイブリッドへの後押しに期待

 TOYOTA GAZOO Racingのチームディレクターであるロブ・ロイペンは、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに、2段階のバランス・オブ・パフォーマンス(=BoP/性能調整)が導入されることを待ち望んでいると語った。

 3月初旬に行われた2024年シーズン開幕戦『カタール1812km』を前に、WECの主催者であるFIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブが、ハイパーカーが210km/hを超えると一定のパワーを得たり失ったりする、いわゆる“パワーゲイン”ルールの導入に取り組んでいることが明らかになった。

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 今季より新設されたLMGT3クラスではすでに採用されているこのシステム(ただし、しきい値は200km/h)は、2月の終わりにカタールで行われたプロローグテストで複数のメーカーによってテストされ、イモラ以降のレースにおいて「使用される可能性がある」とするBoPブルテンが発行された。

 しかし、ルールメーカーは最終的にイモラへの制度導入を見送ることを決定し、導入の確たる目標は示されていない。

 ロイペンはSportscar365に対し、トヨタGR010ハイブリッドが土曜日の予選/ハイパポールでも苦戦を強いられるなか、ACOとFIAが“パワーゲイン”ルールをすぐに導入することを望んでいると述べた。

「待ち焦がれない理由はない。昨年、私たちは(力強い)クルマの性能を見せたが、今日のクルマの状態を見ると優勝争いに加わっていないことが少し不安になる」

「我々はカタールで完全にゲームから外れており、2023年をとおして見たことと2024年の最初のレースで見たことを考えると、他のチームがあれほど成長したとは信じがたい」

「(フィールドのバランスを取る)仕事をしている人たちには、その仕事を続けるよう求めるべきだ。問題を解決するのは彼らの仕事であって私たちの仕事ではない。テーブルには多くのパラメータがあるが、彼らが適切なパラメータを使用することを願っている」

 2段階の性能調整は6月のル・マン24時間レースまでに導入される可能性が示唆されており、来月スパで試運転が行われる可能性もあった。しかし、このシステムのレースデビューはそれ以降にずれ込むか、2024年にはまったく使われなくなる可能性もあると理解されている。

 ル・マンでのシステム導入を望むかどうかについて、ロイペンは次のように語った。「憶測はしたくないが、彼らが自分たちが何をしているのかを理解し、適切な方法でそれが行われることを願うだけだ」

「(システムを)改善することはすべて私たちの助けになる。様子を見ることにしよう」

■フェラーリはカタールでテスト済み

 フェラーリのレース兼テストチームマネージャーを務めるジュリアーノ・サルヴィは、イタリアのマニュファクチャラーが“パワーゲイン”ルールの導入に対してよりリラックスしたアプローチを取っていることを示唆した。

「我々はカタールでテストを行い、FIAと協力した。私たちの側ではそれが機能した」と同氏は語った。

「しかし、いつ適用するかはFIAが決めることであり、彼らからのフィードバックは何もなかった」

「(第3戦スパでの使用は)可能だが、我々にとっては外部からの制約でしかない。我々は彼らの指示に従うだけだ。彼らはそれについて何も教えてくれなかったよ」

「私たちにはコントロールできないことだから、これには焦点を当てていない」

 ポルシェのモータースポーツ担当責任者であるトーマス・ローデンバッハは、Sportscar365からこの話題について質問された際、同様の意見を述べている。

「一般的に言って、FIAとACOは性能調整システムを正しくするために懸命に努力している。これは非常に難しいことだ」とローデンバッハ。

「これまでのところ、彼らはよくやっていると思う」

「我々は彼らとつねに緊密に連絡を取り合っているが、今のところは彼らに仕事を任せるだけで、彼らを信頼している」

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