自転車による事故はもちろん避けたいものです。クルマやバイクが相手では大けがを負う可能性があり、歩行者に対しては追突や接触などでけがをさせてしまう恐れがあります。そして単独での自転車の転倒も、同様に注意が必要です。
誰のせいでもなく、自分の操作ミスで転ぶのは妙に気恥ずかしく「やっちまった」とバツの悪い気持ちを味わいます。それが軽度の打ち身や軽い擦り傷で済めば良いものの、骨折や打撲、頭部への衝撃など、後遺症が残るような大けがをしてしまう場合もあります。舗装された市街地の道路でも、転倒の危険性が潜んでいる場所があるのです。
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まず気をつけたいのが、道路のいたるところにある3~5cm程度の「小さな段差」です。自転車に乗っている誰もが一度はタイヤを取られて転びかけた、もしくは実際に転んだ経験があるかもしれません。
大きい段差であれば、まず乗り越えようとは考えないと思いますが、小さな段差だと「行ける」と判断するでしょう。その際、段差に対してできるだけ直角になるように進入すれば、タイヤが取られる可能性は低くなります。あるかないかぐらいの微妙な段差でも、角度が浅い状態で進入すると前輪がズルっとあらぬ方向に持って行かれることがあるので、くれぐれも注意が必要です。
いちいち避けていられない「マンホール」も要注意です。丸い鉄板の上を普通に直進する分には問題ありませんが、雨で濡れていなくてもマンホール上でのブレーキングやハンドルを切る動作はタイヤが滑ってしまい、転倒の恐れがあります。
なかでも気をつけたいのが「死角からのマンホール」です。交差点などを曲がろうとした際、カーブの先にそれまで見えていなかったマンホールが急に現れることがあります。安全に避けることができれば良いのですが、コーナリング中にマンホールの上に乗ってしまうとかなり危険です。曲がり角の先には何が待ち構えているか分からないので、右左折は徐行しましょう。
マンホールを上回る凶悪な存在が、道路脇のU字溝や側溝のふたとして使われている「グレーチング」です。格子状の鉄板はタイヤがグリップする面が極端に少なく、少しでも油断すると一瞬で転倒します。そしてグレーチングの恐ろしいところは、設置されている場所が車道の端に多い、という事です。車道で転倒すると後続のクルマに轢かれてしまうという恐ろしい結果を招く可能性があります。可能な限り、グレーチングの上を走行することは避けた方が良いでしょう。
また、歩道などに使用されている幅が広いグレーチングの場合、ロードバイクのような細いタイヤだと隙間にはまってしまう可能性があります。
ただでさえ危険を感じるマンホールやグレーチングですが、雨などで濡れている時は危険度が倍増するので、くれぐれも気をつけましょう。
自転車は基本的に車道を走らなければいけない乗り物ですが、危険を回避するために歩道を走行することが許されています。もちろん歩行者優先で徐行が前提ですが、この低速域での走行で転倒を誘う存在が歩道にはあります。それが、マンションや商業ビルの入り口付近などに敷かれているツルツルの「タイル」です。歩行者を避けるために車両を一時停止させた瞬間や、ブレーキをかけた際にツルンと滑る場合があります。
そして歩道では、点字ブロックも要注意です。メーカーによっては滑りにくい素材を使用していますが、なかにはかなり滑りやすいものもあります。つまり「小さな段差」と「タイル」の合わせ技で転倒を誘うのです。
歩道はほかの歩行者も歩いている場合が多く、混雑している場所で転倒すると巻き込んでしまう恐れがあるので、自転車を降り、押して歩くことをおすすめします。
単独で転倒の恐れがあるいくつかシチュエーションを紹介しましたが、もちろんこれだけではありません。空き缶などのごみ、粒が細かい砂利、うっすら広がる苔などのほか、予想外の状況が突然現れるかもしれません。
自分の転倒だけでなく、ほかの人を巻き込んだ大きな事故に発展する可能性もありますので、たかが自転車の運転と油断せず、常に細心の注意を払って走行したいものです。
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みんなのコメント
ちょっとしたタイミングで前輪が取られる場合があるので要注意。
アレは道路管理者の責任を問えるだろう。