「ボ、ボ、ボクらは少年探偵団・ヤングタイマー探訪記第2部」のはじまりです。1980年代、1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は自動車評論家の小川フミオ(少年O)とGQ JAPAN編集部のイナガキ(少年I)のふたり。取り上げるのは、先週に続き探偵あこがれの1台、フォード「エスコート」(マーク1)だ。
フツウのセダンだけど高性能
少年I もし楽しめなければ、やる価値ない。それが私の哲学だ。
少年O 今日は金髪のカツラに、日焼けで登場ですか。洗いざらしのTシャツにジーンズで男っぽいですね。
少年I ポール・ウォーカーのマネです。
少年O 『ワイルドスピード Fast & Furious』でブライアン・オコナーに扮した米国出身の俳優ですね。惜しくも、2013年に他界しています。そのときは、世界的に大きなニュースになりました。7作まで作られたこのシリーズは、ドリフトブームを巻き起こし、一部のクルマ好きから熱狂的に歓迎されました。
探偵 私も好きです。で、それが今回のクルマとどう関係あるんでしょうか。
少年I 今回紹介するフォード「エスコート(マークI)」は、シリーズ第6作(2013年)に登場しているんです。
【前話:フォードRS200】
少年O あの映画で“このクルマ、古そうだけれどカッコいい”と思った若めのひとは少なくなかったそうですよ。
探偵 私にとっても、憧れの1台です。いま乗っているフォード「フォーカスRS500」のご先祖さまみたいなクルマですし。当時はラリーのホモロゲーションモデルとして開発され、向かうところ敵なしってかんじで速かったんですよね。
少年O フツウのセダンなのに、F1で知られたロータスが手がけたエンジンを載せていたし、分割式のフロントバンパーや、太いタイヤなど、レーシーという表現にぴったり。いまみてもカッコいいですねぇ。最高速が185km/hというのも当時はすごかったですよね。だって、トヨタ「パブリカ」みたいなセダンですよ。おなじ頃、フランスにはルノー「R8ゴルディーニ」、イタリアにはアルファロメオ「1300GTA」ジュニアなど、速いセダンとクーペもありました。日産が「スカイラインGT-R」を出すのは1969年です。おもしろい時代でした。
探偵 エスコート、じっさいのモータースポーツシーンで活躍したんですよね。
少年O 有名な戦歴のひとつが1970年のロンドン−メキシコラリー。フォード・エスコートでずっとラリーを走り、1980年代はアウディ「クワトロ」で活躍したハンヌ・ミッコラのドライブで、エスコート・ツインカムは優勝しているんです。このラリーのエントラントは、シトロエン「DS21」、BMW「2002Ti」、トライアンフ「2.5Pi」など。耐久性もとりわけ重要だったラリーで、エスコートの成績は高く評価されていますね。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
探偵 ベース車両は4mに満たない全長の、あんまりぱっとしないセダンなのに、なのに速い。そこがまたカッコよかったですね。
少年O 当時の欧州フォードは、このクルマを勝たせることでフツウの量産モデルの販売増を目指したんでしょうね。1968年にはロータス“ツインカム(DOHCヘッド)”エンジンを搭載した、今回の「エスコート・ツインカム」を発表しました。
ラリー用に仕立てた1台
少年I オーナーの隅田修さんは、コレクターズ・コンディションで所有するより、いろいろ手を入れて戦闘力をつけて、クラシックカーのラリーで勝ちを狙っていくという武闘派。クラシックカーでターマック(舗装路)ラリーを走る趣味は、2000年代に英国マン島でのクラシックカーラリーを見学したときに、いいなぁと目覚めたそうです。
少年O むかしのマン島のレースは国際的に重視されていたものですね。アウディ「TT」のTTは、マン島でのタイムトライアル(Time Trial)レースに由来した名前ですし。大元はアウディの前身、NSU が手がけたリアエンジンの箱型2ドアセダン、TTですが。
少年I 隅田さんにとって、とくに、エスコート・マークIがカッコよかったそうです。そこで、1968年に登場したツインカムか、1971年に生産された1.6リッターのコスワース製エンジン搭載のRS1600を探したんだそうです。結局、1970年型の「ツインカム」モデルをニュージーランドで見つけて購入。オリジナルのままでは速くない、とエンジンを載せ替えています。今、載っているのはコスワースのBDGエンジンと呼ぶもので、最高出力は280psに達するそうです。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
フェラーリ360モデナ
フォードRS200
探偵 フロントにぶらさがった補助灯の数かずや、パースペックス製のサイドウィンドウをはじめ、現役感バリバリですよね。コクピットも、機能的に仕上げてあって、こういう趣味もアリだなあと感じ入りますね。オリジナルコンディションを大事にするのもいいし、そのクルマのポテンシャルを現代に合うように引きだしてやるというのも、ひとつの楽しみかたですね。
少年I エンジンには大径ウェバーの気化器が連装されていて、当初は9000rpmまでまわるレースカーのようなエンジンだったそうです。それだとあまりにピーキーだったため、現在はレブリミットを8000rpmに落として、そのぶん低回転域のトルクをすこし増して、運転しやすくしていると隅田さんは教えてくれました。さらにクロースレシオの5段ギアボックス、リミテッドスリップディファレンシャルギア、サスペンションシステム、と、すべて、日本でのラリーを楽しむために、作り直したといいます。
探偵 私も首都高を中心にちょっと運転させてもらいました。ものすごいダイレクト感で、自分の好みにぴったりです。
少年O 隅田さんを助手席に乗せて、先生(探偵のこと)がドライブするエスコートの後をつけていましたが、そのとき隅田さんは「上手に運転するなぁ」と先生の腕前をほめていらっしゃいました。乾いた排気音がかなりいいかんじでした。
探偵 照れます。たしかに足まわりは硬いんですが、操舵したときの安定性は高く、まっすぐすっとんでいくように加速します。小さな車体なので、自分のからだとぴったりフィットするような感覚です。このあたりのコンパクトさは、日本でヒストリックカーラリーの人気が衰えない理由なのかもしれないと思いました。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
アルファロメオ・スパイダー(初代)
少年O ところで、エスコートのスポーツモデルの系譜はこのあと続きます。ツインカムのあとのRS1600はホモロゲーションモデルだったので、フォードはそれに代わるものとして、優勝したラリーから命名した「メキシコ」を設定します。1973年には「RS2000」を限定的に発売しています。エスコートは1975年に2代目にフルモデルチェンジ。ホットモデルは、1976年に出た96psの「メキシコ」の2代目でした。
少年I エスコートの2代目は直線基調のモダンなスタイルになりましたね。30代のクルマ好きにとっては、隅田さんのクルマのように、どことなく手作り感のあるような有機的なボディ面のほうが、惹かれるものを感じます。
探偵 ラリーで勝つぞ、という気合いも感じさせますね。人間くさいかんじが、この当時のホット(高性能)モデルの魅力なんでしょうね。隅田さんがいろいろ手を入れているのも、熱い気持ちが手にとるようにわかって、とてもいいかんじでした。
【俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記】
メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
アルファロメオ・スパイダー(初代)
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
フェラーリ360モデナ
フォードRS200
【プロフィール】
俳優・永山絢斗(ながやまけんと)
1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
・2022年1月7日(金)20:00より放送テレビ東京系列 新春ドラマスペシャル『優しい音楽~ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ』に出演。
・2022年2月20日(日)23:00放送・配信WOWOWオリジナルドラマ『にんげんこわい』第3話『紺屋高尾』主演。
【衣装】
シューズ ¥25,300(HUNTER)
その他スタイリスト私物
【問い合わせ先】
ハンタージャパン カスタマーサービス:0120-563-567
まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix メイク・竹下フミ ヘア・大野愛郎(BEAUTRIUM) 撮影協力・横浜ベイホテル東急
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みんなのコメント
貴殿の親御様のご立派な功績が眩しすぎて目が痛いよ。