2026年8月に共同持株会社を上場することを目指す
噂が現実のモノになった。日本の自動車産業界における大きな変化が起こったのだ。
【画像】12月23日にホンダ、日産、三菱の各社社長が参加した会見の模様 全20枚
本田技研工業(以下、ホンダ)、日産自動車(以下、日産)、そして三菱自動車(以下、三菱)の各社社長が12月23日、都内で会見を開き、『日産、ホンダと三菱、3社協業形態の検討に関する覚書を締結した』と発表した。
これは、同日に発表した『日産とホンダの経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結』をベースとしたものだ。
発表によれば、ホンダと日産は2025年6月を目処に、共同持株会社を設立するための最終契約書を締結する予定だ。そこから1年2ヵ月後の2026年8月に、共同持株会社を東証プライム市場に上場することを目指す。
共同持株会社の上場に伴って、ホンダと日産は上場を廃止する予定で、現在の両社の株主は本株式を移転することになる。三菱については、ホンダと日産との経営統合に合流するかどうかを、2025年1月末日までに決める。ただし、ホンダの三部敏宏社長は、今後の協議次第では経営統合が「上梓しない可能性はゼロではない」とも表現した。
時計の針を少し戻すと、ホンダと日産は3月に『電動化・知能化に向け、戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書』を締結。その延長上として8月には『次世代SDVプラットフォームに関する基本的要素技術の共同研究契約』を締結している。
そうした2社の関係がさらに進化した形が、経営統合だったというわけだ。
7つ領域でシナジー効果を想定
実際、三部社長も、日産の内田誠社長も経営統合検討に至る経緯を、次世代自動車産業における電動化と知能化の重要性を上げ、2社が各領域でワーキングチームを組んで検討を進めてきた中で、経営判断が必要にあったという説明だった。
経営統合によって想定されるシナジー効果について、大きく7つを挙げた。これらを順に見ていきたい。
1つ目が、車両プラットフォームの共通化によるスケールメリットの獲得だ。
これを、さまざまな商品セグメントで幅広く共通化するという。スケールメリットによって、原価低減はもとより、開発効率を上げる。さらに生産プロセスの共通化によるコスト削減を狙う。
そう聞くと、実質的には生産工場の統廃合を連想するが、三部社長も内田社長も、既存の生産工場で両社の得意分野モデルがあるため、それを効率良く運用するとの発言に止めた。
2つ目は、研究開発機能の統合による開発力向上とコストシナジーの実現だ。
今年3月、そして8月からの2社協議の中で、すでに次世代SDV(ソフトウェア・デファインド・ヴィークル)向けのプラットフォームや、次世代EV向けのe-アクスルでの協業については議論が進んできた。それをさらに大きく前進させて、研究開発機能全体を統合することを視野に入れるというから、驚きだ。
ホンダも日産もそれぞれ、独自技術を強調したクルマ造りを貫いてきた企業だけに、研究開発で完全統合するとなると、開発現場、サプライヤー、そしてユーザーに対する影響は計り知れない。
まずは7領域で検討し、さらに領域が広がる可能性も
3つ目が、生産体制・拠点の最適化だ。
この点については、前述のように車両プラットフォームの最適化との関係が深い。
4つ目が、購買機能の統合によるサプライチェーン全体での競争力強化だ。
ようするに、自動車メーカーを頂点とし、ティア1、ティア2、ティア3といった部品メーカーを従える自動車産業のピラミッド構造にメスを入れることになる。結果的に、部品メーカーの統廃合が加速することが考えられる。
5つ目は、業務効率化によるコストシナジーの実現だ。
つまり、デスクワークにおいても業務関連システムを統合することになる。
6つ目は、販売金融機能の統合に伴うスケールメリットの獲得だ。
発表によれば、両社の自動車ユーザーに対して、自動車のライフサイクルを通じた新たな金融サービスなど、モビリティの多様な利用形態の提供を目指す、としている。
そして7つ目が、知能化・電動化に向けた人材基盤の確立だ。
高度化する次世代自動車の研究開発において、人材交流や技術交流を深める。
以上のように、7つの領域を見る限り、確かに経営統合を象徴する内容であることが分かる。ただし、あくまでもこれは経営統合に向けた協議のたたき台であって、経営統合後の連携分野がさらに広がる可能性も十分にある。
いずれにしても、共同持株会社設立後の、ブランドとしての「ホンダと日産は残る」としている。果たして、ホンダと日産の経営統合は上梓するのか? そこに三菱も参画できるのか? 今後の動向を注視していきたい。
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みんなのコメント
残った1つの糞メーカーは低クオリティだし勝手に倒産してくれよ。