車に乗ることは、イコール車の椅子に座ることでもある。愛車でのロングドライブはもちろん、仕事で運転する人にとって、車のシートは毎日座る仕事場。そして、まさに車のシートを仕事場とする究極の職業がレーサーだ。自身もかつて腰痛に悩んだというトップレーサーの脇阪寿一氏は、良いシートを選ぶことで日々の腰痛を和らげることにも繋がると言う。
“最速の座り仕事”レーシングドライバーが語る、疲れにくい椅子の見分け方とは。
発売から7年超!! トヨタ ヴィッツ&エスティマに新型が出ない理由
Report:脇阪寿一
Photo:平野学
取材協力:メガウェブ
“椅子”の選び方次第で疲れ方は変わる
レーシングドライバーである脇阪寿一氏にとって、車のシートは仕事場。自身もかつてシートの座り方や良いシートを知ることで腰痛を克服したという
ジェットコースターでコーナーに入った時、首が「バタン!」と倒れますよね。速度は100km/h程度(編注:日本一のドドンパは約180km/h)。それでも、横にかかるG=重力加速度は、我々がレースで日々体感しているものより抑えられています。
例えば、僕が走っていたスーパーGTやスーパーフォーミュラなどの選手は、体重の3~4倍の重力がかかり、心拍数は最大で180程度に達するような状態で競技をします。
ですから、単に椅子に座って運転しているように見えても、見た目以上に筋力・体力を使います。そして、オフィスワークをされる方にとって、会社のデスクが仕事場であるのと同様、僕らにとって、車のシートは大事な“仕事場”です。
だから、自分が一番「働きやすい環境」にするため、我々は車のシートに高いレベルを要求します。
ひとつ面白い話があります。リクライニングしないシートってしんどいと思いますよね? レース用のシートは、当然背もたれが倒れません。それでも、メカニックの作業が長時間に渡る時など、我々レーシングドライバーは、このシートでよく寝ます。
なぜなら、身体にフィットするシートを手にすれば、例えリクライニングしないシートでも眠ることができるから。市販車でも、シート次第で疲れにくさは大きく変わります。
疲れるシートと疲れないシートの見分け方
シートはともにアルファードのもの。左は皮革で、右がファブリックシート。同じ車でも、表皮の素材により「滑りにくさ」に違いが出るケースも!
疲れにくいシートの条件として重要なことを3つあげるなら「滑りにくいこと」、「正しい運転姿勢をとれること」、そして「骨盤の角度が反らないこと」です。
なかでも、一番判断しやすいのはシートの滑りやすさです。「滑る」ということは、その動きを身体で支えなければならない。
例えば、座面が滑りやすいシートに座ると、お尻が前のほうにずれる。すると、お尻がずれないように身体が支えなくてはならない。だから、疲れるんです。
この滑りやすさには、シートの材質も大きく影響します。一般的な良いシートは、本革製ということが多いですが、実は滑りにくさでは、布製シートが優るケースも多いんです。
これは「価格を抑えたいけど、シートは革製にしたい」といった“安い革製シート”に多く、布製シートより滑りやすい傾向にあります。
もちろん、革のなかでも上質なシートには、布では出せないフィット感があります。でも、滑りにくさに関しては「革製だから良い」とは限らないんですね。
ただし、布製シートでもデザイン性や耐久性ばかりを重視した表皮のものは、逆に滑りやすいものもあるので、ぜひ実際に座ってみて、滑りにくさをチェックしてみてください。
疲れにくいシートは“芯”が潰れない!
このように指で押してみてサイドサポートが潰れやすい場合、横方向に身体が動きやすく疲れやすい
もうひとつ、疲れやすさに影響するのがシートのサイドサポートの部分です。座った時に身体の側面を支える機能を果たす部分ですね。
サイドサポートの形状に凹凸がない、平板なシートだと、当然横方向の動きに対して身体を十分に支えることができません。昔のランクル100なども滑りました。
同時に、サイドサポートの芯が潰れないことも重要です。
実際にシートのサイドサポート部を手で押してみると、簡単に芯が潰れてしまうシートもあります。これでは、たとえサイドサポートがある、立体的な形状のシートでも身体を支えることができず、疲れやすくなってしまいます。
肩がこりやすい姿勢の秘密は「接地面積」にあり
自然な着座姿勢(左)と「前のめり」の着座姿勢(右)のイメージ。後者の場合、シートで充分に身体を支えれず、疲労の原因に
次に座って、ハンドルを回したり、アクセル操作をしてみて、自分が安心して視界を確保でき、運転操作ができること。これも重要です。
車に乗っていて、疲れがくるのは首・肩・腰が主。なかでも肩こりしやすい姿勢には、「視界」も関係しています。
小柄な方、女性の方にも多いんですが、高い着座位置から前を見たいと意識すると、シートに背中を付けず、「前のめり」の運転姿勢になりがちです。
でも、背中をシートから浮かしてしまうと、(身体を支えることを)ハンドルに依存してしまう。すると、ハンドルに力が入る。それによって、肩や首が疲れる。実は背中をシートにつけることは、背中で身体を支える機能もあるのです。
また、首が疲労してくると、目の疲れにも影響が出てきます。
もちろん、写真のように極端な姿勢をとる方は少ないと思いますが、太腿の下から肩まで、いかにシートとの接地面積をとれるかが、疲れにくさに大きく影響してきます。
例えば、シートを倒し気味にすれば、それだけ背中の接地面積は減りますよね? 最近では座面の角度を調整できるシートも多いので、こうした機能も使いつつ、たくさんの面積で身体を接地させられるシートは“疲れにくいシート”と言えるでしょう。
車のシートは腰痛解消の可能性を秘めている
シートの良し悪しは、「疲れ」に直結します。とはいえ、シートだけで車を選ぶわけではないですよね?
もし、愛車のシートが滑りやすいなら、まずは座面だけでも滑りにくくすること。例えば、滑りにくいシートカバーを付けるというのも一つの手。それだけで、疲れやすいシートの状態を緩和することができるでしょう。
実は僕も昔はレースが終わると激しい腰痛に悩まされていました。でも、正しい骨盤の角度や、その角度で座れる良いシートを知ってから、腰痛に悩まされることはなくなりました。
だから、良いシートを選ぶことは、日々の腰痛を和らげることにも繋がると僕は思っています。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?